緑のお医者の徒然植物記

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2018/09/04

サツキ苔玉盆栽 No,3

サツキ苔玉盆栽


苔玉にして一年半が経過した。
まだ花は一度も咲いていない。
水やりの加減が難しいと思う。
新葉がで出す頃が案外難しい。



 

サツキ
ツツジ科ツツジ属の常緑低木
サツキは、関東地方以西から屋久島にかけて自生するマルバサツキを園芸化したものです。

ツツジの仲間の多くは、通常4~5月にかけて開花しますが、6月頃(旧暦5月=皐月) に咲く遅咲きのものをサツキと呼びます。

ツツジは花つきが非常によく、株一面にびっしりと開花しますが、中でもサツキの花つきのよさは随一です。

また、交配、繁殖が容易で生長も早く豊富な花色を楽しむことができます。

丈夫で樹勢も強いため、華麗な花もの盆栽の中でも最も幅広く親しまれている樹種だと言えるでしょう。




盆栽としての観賞価値は花にあることは言うまでもありませんが、開花期間は1~2週間です。

花と並んで一般の盆栽のように四方にしっかりと張った根張り、上に行くにしたがって細くなるこけ順、大木を思わせるどっしりとした枝順などの樹形も重要です。

双幹や多幹、寄せ植えに仕立てることもありますが、単幹の模様木や直幹仕立てが一般的です。




◉設置場所
春から秋までは日当たり、風通しのよい明るい場所に置きます。

冬は寒風の当たらない所に移動して管理します。

開花中は雨に当てないようにします。雨に濡れると花腐れ菌核病の原因になります。

★花腐れ菌核病について
通常開花中の花弁に淡褐色水浸状の斑点または斑紋が現れる。次第に拡大して花全体が萎ちょう褐変して腐敗にいたる。

花弁は散らずに長く着生したままであるため、美観をそこねる。

開花期に好天かを続く年は花が終わる頃から発生し始める。

実害は起こらないが、雨の多い年には、早いものでは蕾のうちから花弁に病斑を生じ、満開に至らないうちに変色、萎ちょうし始め激しい被害となる。

特に、オオムラサキツツジなど花の大きい種類が侵されやすい。

○予防法として
花に発生する病気であるので、薬剤防除は花弁に薬害を起こす危険性や薬剤の付着によって美観がそこなわれるなどの理由から、花弁への直接散布は困難である。

したがって、発生株では萎ちょうした花弁を丁寧に摘徐して、感染、伝播を防止する。

4月頃から発生株の株元周辺にイプロジオン剤、チオファネートメチル剤、ベノミル剤、プロシミドン剤、ビンクロゾリン剤などを用い、10日おきに2~3回ほど粉剤または水和剤を散布し、発生を抑制する。

また、他外病害樹木の落葉した病葉などは、冬期間に集めて焼却するなどし、伝染源を排除しておくことが重要です。

◉水やり、肥料
絶対に水切れさせないことが重要です。鉢土の表土が乾いたら、たっぷり与えます。

花前に水切れを起こすと花つきが悪くなり、きれいに咲きません。

設置場所の状況にもよりますが、春、秋は1日2回、真夏は1日3回が目安です。

また、夏期の乾燥が激しい時は葉水してあげましょう。

有機肥料または配合肥料を与えます。

成木は、二月下旬から三月下旬と9月から11月に毎月一回、若木では4月から11月まで真夏を除き毎月一回。

花前に肥料を与えると花持ちが悪くなるので、花の一ヶ月以内(3月下旬以降が目安)は、肥料は与えないようにします。

【剪定、整姿】
サツキは芽が伸びやすく、数も多いので樹形が乱れがちです。

そのため、毎年、こまめな剪定を繰り返すことが大事です。

開花前は、強い芽を切りつめ、弱い芽を残して、芽先、枝先がきれいに揃うようにします。

また花が咲いたとき、ぶつかりあわずにきれいに並ぶように枝をすかし、不必要な蕾は取り除きます。

花後は、春から伸びた新芽を早めに整理して樹形を整えます。

若木はこれから樹形を作っていくわけですが、まず、車枝、かんぬき枝、立ち枝、重なり枝などを切って整形します。
 
新梢は2芽を残して切り、残った芽は2~3葉がつくようにして切ります。

そこから2芽ずつ出て樹形ができていきます。

成木の場合は樹形を維持することが大切です。

上下の枝が重ならないよう、上から見て平均的に芽が並ぶように、重なっている芽を切り取ります。

新芽はそのまま伸ばしたのでは樹勢が強く、樹形を乱してしまうのですべて切り取ります。

すると、その後により樹勢の弱い二番芽が出て、樹形を大きく乱すことはありません。

★成木では強い芽を切り、弱い芽を残すという剪定が基本になります。

根張りが絡んでいたり、バランスが悪い時は、針金や小石などで矯正します。

◉植え替え
若木は毎年、成木は2年~3年に一回。

時期は3月~4月が最摘期。

6月に花を楽しむため、大がかりな改作を目的とする植え替えを除き、一般には花後早めに行います。

用土は排水性、通気性がよく、かつ保水力も優れている土を用います。

鹿沼土単体か、鹿沼土に水ゴケを2割混ぜたもの。


【害虫】
アブラムシ、カイガラムシ、グンバイムシなどが発生することがあります。

定期的な薬剤散布や捕殺などで防除。

一般な植木の防除法に準ずる。