イチョウ イチョウ科
「公孫樹」「銀杏」
イチョウは恐竜時代の太古から現存する歴史的樹で、2億年前のジュラ紀から現存する大変古い樹種とされ、当時は日本にも自生していたが、地質時代の内に滅んだと考えられている。
✿地質時代とは、約46億年前の地球誕生から現在までの内、直近数千年の記録の残っている歴史時代以前の事で、地質学的な手法でしか研究できない時代の事である。
日本で見られるイチョウは中国浙江(せっこう)省の原産と言われ、飛鳥時代の仏教伝来と共に渡来したとされ、寺社を中心に植えられていたが、室町時代以降一般に広まっていったとされている。
大名草(おなぎ)の大公孫樹
兵庫県青垣町大名草地区の常瀧寺(じょうりゅじ)裏手の山中にあるイチョウの巨木で、境内から約30分程山を登らなければ見る事が出来ない。
山中には、ヤマヒルが多く生息しているので、辿り着くには最新の注意が必要である。
かつての常瀧寺があった跡の山中には訪れる人も少ない。
「大名草の大公孫樹」
青垣町指定天然記念物 樹齢1300年以上
所在地=兵庫県丹波市青垣町大名草481
このイチョウの特徴は、太枝から垂れ下がる長さ1㍍以上の大きな気根で、中には枝の先が地面に着いて、そこから新しい幹となって生長する気根を見ることができる。
この異様とも言える気根は乳(ちち)とも呼ばれ、その表皮を煎じて服用すると母乳の出が良くなるとの言い伝えがある。
そのため、このイチョウは「乳の木さん」などの別名で呼ばれていたそうな。
山の中腹にあるため、紅葉時期には遠方からも紅葉を眺められるという。
イチョウの中でも紛れもなく珍樹と言えるだろう。
銀南木(いちょうのき)の子安イチョウ
青森県七戸(しちのへ)町銀南木にある雄株のイチョウは、地名の銀南木からも分かるように、イチョウの木と共に歩んできた集落である事を窺い知ることができる。
横に伸びた大枝は自らの重さに耐えきれず、幹から剥がれ傾き、先端が地面に着いて新たに幹として立ち上がり、別の株として生長している。
秋には一面黄色いじゅうたんと化し、訪れる観光客を魅了している。
✿銀南木の子安イチョウ
県指定天然記念物
所在地=青森県上北郡七戸町銀南木19
銀南木農村公園
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