カイズカイブキ ヒノキ科
原産地=日本(北海道を除く) 朝鮮
濃緑色の枝葉が密生し、細長い円錐形の樹姿を形作る。
大きいものは高さ25㍍ 直径2㍍ほどになる。
沿岸地に自生するが、植栽も広く行われ園芸品種が多いカイズカイブキはイブキの園芸品種である。
※種類
変種にハイビャクシン、ミヤマビャクシン
園芸品種にタチビャクシン、タマイブキ、シダレイブキ、カイズカイブキなどがある。
水はけがよくやや乾燥した肥沃な土壌が適している。
日当たりを好み、潮風や公害にも強い成育も割合早く、生け垣や一般の庭木としても広く利用されている。
寒風に弱い。
◆病気
サビ病
3月から4月にかけて発生する
葉の裏に赤い突起ができて、やがて皮が破れて中からサビに似た粉状の胞子が飛ぶようになります。
病気が樹全体に蔓延すると、樹木は枯死に至ります。
サビ病は硫黄剤がよく効きます。
発生時期の前後に月2回くらいの割合で、マンネブダイセン、エムダイファー水和硫黄剤などを散布
高温多湿を好むので、せん定などをして風通しをよくすることが予防になります。
◉赤星病
春から初夏にかけて発生する葉の裏に毛羽たった病斑(茶色い胞子の塊)ができ、しだいに大きく広がって枝葉が枯れます。
お互いの枝や葉が混み合い、日当たりや風通しが悪いと発生しやすい病気です。
このカビの特徴は、カイズカイブキやビャクシン類の上で冬を越すことです。
梨やボケに発生時したカビの胞子が、空気感染によりカイズカイブキやビャクシン類に移り、その上で越冬します。
★果樹などの赤星病は、カイズカイブキ、ビャクシン類が周りにあると発生します。
冬にこの2つの樹木に石灰硫黄合剤を散布し、発生源を絶ちましょう。
◉害虫
ハダニ
夏の高温期、特に雨の少ない時に多く発生する。
ハダニ
夏の高温期、特に雨の少ない時に多く発生する。
葉色の緑色が失せて黄ばんだような薄茶色になります。
新葉の成長も鈍くなって元気がなくなり、酷いときには葉が枯れます。
ケルセン1000倍液、スミナイス1000倍液を月に2~3回散布
ハダニ類は薬剤に対する抵抗力がつきやすいので、2~3種類の市販のダニ退治薬を使って駆除しましょう。
◉植え付け
3月から5月頃が適期で根の状態がよければ、8月から9月と真冬を除いた時期にも可能です。
土質は排水のよい所を選べばよいでしょう。
若木を植え付けた時には、主幹が曲がりやすいので支柱をあてがいます。
成木の移植も前年に根回しをして、小枝の発生をさせておいてから春に行います。
同時に、枝葉の刈り込みを済ませておくことも忘れないようにしましょう。
★肥料
2月から3月に堆肥に鶏ふんや油粕を混ぜ、根を囲むように輪状に溝を掘り埋め込みます。
成木でスコップ2~3杯程度、夏から秋にかけて庭木用の化成肥料を500㌘程度ばら蒔きます。
◉せん定
樹形を美しく保つには、春から秋にかけてせん定をこまめに行う必要があります。
徒長枝を伸ばし過ぎないようにし、中心部の枝葉のムレを防ぐようにします。
また、手の届く程度の高さなら、指先で新芽を摘む方法でも構いませんが、たくさんの場合や大きな木は、せん定バサミ✂️を使って刈り込みます。
この場合、新芽が茶色くなることがありますが、2ヶ月程度で自然に、回復してくるので心配は要りません。
※お酢を薄めた酢水を切った部分に散布することで、変色を防げる。
せん定は基本的には、枝の伸びが止まった6月頃が適期です。
刈り込んだ後や、強せん定した枝、日陰の枝には杉葉が出ることがあり、これは先祖返りした葉で放置すると徐々に広がって行きます。
先祖返りしている枝葉は成長が早いので、見つけしだい付け根から切り取りましょう。