イチイガシ 「一位樫」
別名=イチガシ、ロガシ、イチイ
イチイガシはブナ科コナラ属の常緑高木
関東地方南部以西の太平洋側から九州の山地に生え、樹高30㍍直径1.5㍍程になる。
日本に育つ「カシ」の中では最も温暖な地を好むが、基本的には「シラカシ」などと同じような性質を持つ。
日本以外では済州島、台湾、中国に分布する。
「イチイガシ」という名前の由来には神聖な木を意味する「イチビカシ(最火樫)」が変化したものとする説があるが、詳細はわかっていない。
薪炭材や器具材として利用され、昔は船の櫓(ろ)に使われていた。
現在では、フローリングやパレット、パルプに利用されている。
左右知(そうち)のイチイガシ
天然記念物
九州の尾根、祖母傾(そぼかたむき)山系の北側に位置する大分県大野郡清川村左右知。
村を流れる奥嶽川の支流沿いに、古くから左右知の巨木と言われてきたイチイガシがある。
約54年前、この木を屋敷林としてきた2軒の農家がこの地を去り、その後、すっかり山林と化した谷あいに、老木は幹の空洞をさらしながらもしっかりと根を張って生存してきました。
荒れるに任せてきたこのイチイガシが脚光を浴びたのは、環境庁の全国巨樹調査でカシの日本一となってからで、村は歩道や橋を整備してきました。
このイチイガシは幹周り約12㍍、樹高約20㍍、推定樹齢千年以上とされ、幹は根から直径2㍍ほどの空洞になっていて、見上げれば青空が見える。
山の神を祀った祠の周りには、人が4〜5人も入れる広さがある。
所在地=大分県豊後大野市清川町左右知