緑のお医者の徒然植物記

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ラベル #レンギョウ、#イタチハゼ、#レンギョウウツギ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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土曜日, 3月 20, 2021

レンギョウ No,410

 レンギョウ モクセイ科

別名=イタチハゼ
レンギョウウツギ   
落葉低木「連翹」

原産地=日本、中国、朝鮮半島
東ヨーロッパ

モクレン科レンギョウ属の総称。

地面から茂み状の株になり、垂れ下がる枝にびっしりと鮮やかな黄色の花が咲く。

①中国原産=レンギョウ、シナレンギョウ

②朝鮮原産=チョウセンレンギョウ

③バルカン半島原産=セイヨウレンギョウ

④日本原産=ヤマトレンギョウ、ショウドシマレンギョウ

レンギョウの中でも、チョウセンレンギョウがよく栽培されています。

チョウセンレンギョウは樹形が整いやすく、色々な形に仕立てられるので、生け垣や庭の植え込みなど様々な用途に使われます。

江戸時代に渡来し、当時は主に観賞用として栽培されていました。





学名の「Forsythia」は、19世紀初頭にイギリスの王立植物園の監督官を務めた、スコットランドの園芸家ウィリアム·フォーサイスに因んで付けられた。

(ウイリアム·フォーサイス1737〜1804年)
王立園芸協会を設立した人物である。

ウィリアム·フォーサイスは25歳でロンドンに出て、サイオン·パークの公園庭師となり、1763年にチェルシー薬草園で園長のフィリップ·ミラーのもとで訓練を受けました。

その後、ミラー氏の死後監督官を務めた。

菌類による樹木被害を防ぐための、腐朽菌などの侵入を防止するための方法の実験を行い、良質な木材を確保するための功績を遺している。

牛ふんや石灰などを調合した、「フォーサイス塗布剤」の成分を発表した際、1500ポンドの報奨金を与えられている。

✣植え付け
2月から4月又は9月から10月頃に行います。

元肥には石灰と堆肥などを混ぜたものを与える。

日当たりのよい肥沃な土地を好む。

生育力が強く日陰でも育ちます。
また、耐暑性や耐寒性も高く悪環境にも耐えます。

土質も特に択びませんが排水の良い方が適しています。

✫せん定

レンギョウは半つる性の樹で、庭植えのまま放任して置くと大きくなり過ぎるので、毎年せん定を行います。

花後すぐに行い、不要な枝や徒長枝の整理を中心に樹形を整え、新枝を伸ばすと花つきが良くなる。

レンギョウの自然樹形は株立ちで、株元から数本の枝が生えます。

このうち、古い枝は間引いて根元付近で切り取ります。

せん定の適期は1月から2月、5月
12月

✻肥料
樹勢が強いので肥料は少なめに与えます。

寒肥として油かすに骨粉を混ぜたものを埋め込みます。

花後4月から6月まで、化成肥料を少し与える。

8月には追肥として化成肥料を根元にばら撒きします。

✣品種
シナレンギョウは葉が少し出てから花が咲き始める。

チョウセンレンギョウは大形で葉の色が濃い。

日本産のヤマトレンギョウもあるが、花つきがまばらなのであまり知られていない。

開花期は3月から4月頃で、長い花弁の黄色い花をつける。

✫殖やし方

新枝のまだ芽を活動しない2月に切り取り、3月まで土の中に保管しておいてから挿し木する。

枝元の方がよく発根する。

株分けは3月上旬〜4月上旬に行います。

病気

褐斑病
病原体の殆どはカビです。

洋ランのデンドロビウムの褐斑病だけは病原体がバクテリアです。

病にかかったは葉や、病気になって落ちた葉の上で越冬し、翌年の春に風や風に含まれる水滴などに運ばれ、他の植物に水媒感染します。

他に水媒感染のように雨水に病原体が溶け込み、その水が跳ね返ることによって感染することもあります。

発生する時期は5月から10月頃で、特に夏の初めの高温多湿時に多発します。

病気にかかった葉は見つけ次第取り除き処分します。

病葉には直接水をかけないよう気をつけます。

薬剤は発生期から10月頃までダイセン、ダコニール、ベンレートなどを月2回くらいの割合で散布します。

連作したり、管理が悪いと発生しやすくなる。
多湿を防ぐためにいらない古株を冬の間に処分し、せん定して風通しをよくし日がよく当たるようにします。


枝枯れ病
病原体はカビです。
病菌はせん定などで枝を切った切り口や接ぎ木のつなぎ目、枝の傷などから組織に入り込み発病します。

特に徒長枝や柔らかい若枝に発生することが多いのが特徴です。

多湿時に黒い粒状の繁殖器官から胞子を吹き出し、それが風に運ばれ空気感染します。

病気にかかった枝を見つけ次第切り取って処分します。

切り取ったあとの切り口にはトップジンM、石灰硫黄合剤などを塗り、乾いてから墨汁やツナギロウを塗っておきます。

徒長枝や生育不良の枝はせん定します。
他の病気の予防を兼ねて、生育期にマンネブダイセン、エムダイファーを散布するのも効果的です。

害虫

ルビーロウムシ(カイガラムシ)
種類が多く同じカイガラムシでも様々な形態をしています。

樹液吸汁害だけでなく、カイガラムシの排泄物により「すす病」を併発します。

幼虫の時期なら殻がまだまだ出来上がっていないので、スミチオンなどを散布して駆除します。

成虫になると薬剤は浸透しにくいため、効果があまり出ないので捕殺します。

また、冬場なら冬期使用限定薬剤のマシン油乳剤が使えるので、成虫でもこれで駆除できます。

カイガラムシは風通しが悪く、日当たりの悪い所を好むので、普段から適度に枝の手入れをして、風通しをよくしてやると害虫減るのですす病の発生も無くなる。


花つきが悪くなる原因

花つきが悪くなる原因の多くは、せん定時期の誤りと考えられます。

レンギョウの開花までの年間サイクルは、花後の4月下旬から新梢を伸ばし、7月から8月頃に新梢に花芽を形成し、翌春に花を咲かせるというものです。

当然秋以降に刈り込めば翌春の花は減ります。

しかし、生育力が強く大きくなり過ぎるため、無計画に刈り込んで花つきを悪くすることが多いようです。

せん定は花後を中心として行い、秋以降は徒長枝や弱い枝を切る程度にします。

また、レンギョウのような株立ち性の樹は、株が古くなると花つきが悪くなるのでこのような場合は、株元まで切り戻して株を更新します。

レンギョウの薬効

果実は芳香があり舐めるとわずかに渋みがある。

果実は完熟する前の秋に採取され、茶褐色になるまで日干ししたものが生薬のレンギョウです。

シナレンギョウの成熟果実とともに生薬レンギョウには、チフス菌、パラチフス菌、大腸菌、緑膿菌などのグラム陰性菌、その他グラム陽性菌に対して強い抗菌作用がある。

また、消炎や利尿、解毒薬など吹出物、皮膚病などに応用されている。

花を日干ししたものを煎じて服用すると、利尿、高血圧などの予防に良いと言われている。

漢方薬の原料にも利用されています。