タチバナ ミカン科 常緑小高木
別名=ニッポンタチバナ、ヤマトタチバナ
「橘」
原産地=日本(和歌山県、山口県、四国、九州
関東南部から西に限る)
日本原産と認められる唯一の柑橘類で野生のミカンである。
沿海の山地や海辺の常緑樹林の中など細々と生きている。
万葉集にはこの花を詠んだ歌が多い「左近の桜、右近の橘」としても知られ、文化勲章にもデザインされている。
今ではその自生も極めて稀である。
萩市に自生している「コウライタチバナ」と言う近縁種は絶滅危惧類に指定され、国の天然記念物となっている。
三重県鳥羽市では「ヤマトタチバ」が市の木に選定されている。
タチバナを親とする柑橘類は60種以上あるとされる。
6月頃に5弁の白い花を咲かせる。
3cmくらいの実がなり種子が大きく、酸味が強い事から加工品にされることがある。
古代から珍重された品種である。
生育環境
耐寒性にやや欠けるため、関東南部以西でのみ露地植えできる。
植え付け、移植時期は3月から6月頃に行うがやや難である。
3月から6月に移植し、2月から3月にせん定を行うがやや難である。
樹幹内に光りが入る程度にとどめ、強せん定は避ける。
肥料
肥料は堆肥、油かす、腐葉土などを施す。
害虫はツノロウムシ、アブラムシ、ヤノネカイガラムシ、アゲハの幼虫などが発生する。
対策として、スミチオン、カルホスなどを散布する。
殖やし方
3月から4月頃に、カラタチの台木に接ぎ木するか、実生で繁殖する。
種類
紀州みかんもタチバナと呼ばれ、昔のタチバナの系統をひくものと考えられる。
近縁種の「コウライタチバナ」は、萩市と韓国の済州島にのみ自生する種です。
園芸店では、ニホンタチバナではなくコウライタチバナと区別されず、混同されていることがある。
コウライタチバナは、葉や実がタチバナより大きく、実がデコボコしているのが特徴である。