緑のお医者の徒然植物記

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ラベル #ガマズミ、#ヨウゾメ、#ヨシズミ、 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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木曜日, 10月 22, 2020

ガマズミ No,308

 ガマズミ スイカズラ科 落葉低木

別名=ヨウゾメ、ヨシズミ 
「莢迷」

原産地=日本、朝鮮半島、中国一帯

日本では北海道南部から四国、九州に至る全国の原野や低山地に幅広く分布し、雑木林や林縁に多い。

5月から6月にかけて、多数の可憐な白色小花が傘状に付く、★散(繖)房花序を形成する。

★散(繖)房花序=さんぼうかじょ
花軸につく花の柄が、下部程長く上部は短いため全体がドーム状になる。

葉は広い卵形で長さ10㎝以上と大きく対生する。

葉の両面に毛が生えているのも特徴で、触るとザラッとする。

10月頃から12月にかけて、球形の果実が一斉に結実します。

果実は最初、鮮紅色で次第に暗褐色に熟して行く。

自生種は林の奥深い所よりも、人里に近い林縁付近の明るい場所を好んで生育するため、人目を引きやすく古くから庭木や道具材などに、幅広く利用されていました。

樹高が2~4㍍と低く、扱いやすいことから初夏の花、晩秋から冬にかけての紅葉と色鮮やかな果実など、四季を通じて楽しめることから、鑑賞木としての価値は高い。

果実が赤くなる頃に葉もわずかに色づくが、時に真っ赤に色づくこともある。

赤い果実は、霜が何度か降りると透明になり、白い粉をふいたようになると、やわらかくて食べ頃となり、地方によっては食用にもされた。

昔の子供たちはおやつ代わりに食べたので、そんな記憶を持つ人もいる事でしょう。

味は甘酸っぱい、各地の山野にごく普通に見られるので、ヨシズミ、ヨソゾメなどの地方名も多い。

名前の由来には諸説あり、神つ実(神の実)の転訛で昔は果実を冬の神前へ供えたとする説や、果実を衣料などの染料に用いた「別名ヨウゾメ」ことから、「染め」が「スミ」になったとする説などが有力です。

ガマズミの果実は生食にする他、リキュールに漬けると美しいピンクの果実酒になります。

木材は堅く丈夫で、杖やハンマー🔨(金づち)の柄などの材料として利用されています。

ガマズミには同属の近縁種が多く、日本だけでも30種以上あると言われています。

※特に園芸品種で親しまれて居るのは果実が黄色い「キミノガマズミ」

※淡紅色を帯びた白色でほのかな芳香のある「チョウジガマズミ」

※葉の大きい「オオバチョウジガマズミ」

※花数、枚数ともガマズミより少ない「オトコヨウゾメ」

※ガマズミよりやや高地に自生し、北海道中部でも生育可能な「ミヤマガマズミ」などがあります。


◉生育管理、環境
日当たりを好みますが、一日中日の当たる場所より半日くらいの日の当たる、強い西日が当たらない場所がより適しています。

水はけがよく腐植質に富んだ土が理想的ですが、土質は特に選びません。


極端な乾燥は嫌いますが、適度に湿った土からやや乾燥した土までよく育ちます。


      (ガマズミの花)


◆植え替え、移植
植え付けは植え穴をやや大きめに掘り、根元にピートモス、完熟堆肥などを敷いて植え付けます。

ガマズミは比較的根が粗いので、植え鉢の土を崩さないように丁寧に扱うことと、乾燥を避ける事が大事です。

また、必要に応じて支柱を立てるようにします。

植え付けの適期は落葉期の2月~3月または、11月下旬~12月です。

活着してしまえば丈夫でほとんど手のかからない樹種です。

移植は11月下旬から12月と2月から3月

◆肥料
極端な痩せ地でない限り、肥料はほとんど必要ありません。

樹勢が弱い場合は、2月頃に油粕、骨粉を混ぜた有機肥料を一握り程度株元にまきます。


◉せん定
放任しても株立ち状によく樹形がまとまります。

萌芽力は強い方ですが強せん定は好みません。

自然樹形で育てるのが一般的です。

徒長枝やひこばえを整理して、3本立ち程度にして株元をすっきりさせるとよいでしょう。


花芽は枝の基部に近い短枝につきます。

せん定は12月から2月頃に、徒長枝や樹冠内部の混み枝を間引く程度にとどめ、枝の途中で切らないことが大事です。

花後は特に手を加える必要はありません。

★殖やし方
晩秋から冬にかけて熟した果実をとり、果肉を落として湿った砂などに入れて低温貯蔵します。

翌春、暖かくなり始める3月に蒔き、乾燥に注意して半日陰で管理します。