生理障害は伝染病じゃない
生理障害の原因は天候、土壌、外的なストレス。
これらの原因がいくつか重なったり複雑に絡み合うことによって、植物が生理的に変調を起こしたり障害が現れたりします。
植物の異常
病原菌感染による伝染病
害虫による障害
生理障害
◉生育環境
気温が高過ぎたり低すぎたりする
湿度が多すぎたり乾燥し過ぎたりする。
日照が多すぎたり少なすぎたりする。
風が強い、霜が降りるなど。
◉用土
通気性が悪い。
土壌のPH適性が合わない。
◉管理方法
水やりが多すぎたり少なすぎたりする。
肥料が多すぎたり少なすぎたりする。
植え替え方法の失敗(根づまり)
◉その他
薬害
煙害
有害物質、公害など
葉と葉との接触など
気温
植物によってそれぞれの成長の過程で、それぞれの生育に適した温度があります。
それがうまくかみ合わないと高温障害、低温障害となって現れてきます。
症状
✻花芽がつかない。
(花芽分化期の気温が不敵)
✻花が咲いても早く萎れてしまう。
(高温)
✻実がつかない。
(異常低温、高温)
✻果実の巣上がり症=果肉の水分がなくなってパサパサになる。
(冬期の低温)
鉢巻症=果実に薄い褐色の鉢巻部分ができる(冬期の低温)
葉やけ=(夏の高温)
ブドウの萎縮病=眠り病=発芽がたいへん遅くなる。
(凍害)
対策
それぞれの植物にとっての適温を考えてやる。
果樹では果実に袋をかけてやったり、暖かい場所に植え替え。
凍害を防ぐためには、樹を徒長させないように気をつける。
葉やけには夏の西日を避けるために日除けをしてやる
日照
植物の成長には日光が必要不可欠、植物によって日照の量の好みがちがう。
日照不足の病状
花芽がつかない
葉や花の色が悪い(日焼け)
実を結ぶがうまく育たない、色が悪い
下枝が枯れる
枝の徒長
枝や幹の枯死や変形(夏の直射日光による熱死)
湿度と土壌
湿度
根が吸収する水の過不足や、空気の湿度が植物の生育に大きな影響をあたえます。
症状
✻葉の縁が縮れてくる。
(空気の乾燥)
✻葉が萎れたり枯れたりする。
(水不足、空気の乾燥)
✻葉の色が悪い。
(水不足、過湿の乾燥)
✻花芽はつくがつぼみが咲かない。(冬の水不足)
✻花弁にシワがよる、早くしおれる(乾燥)
✻実を結ぶがうまく育たない。
(水不足)
✻実が小さい、実にシワがよる。
(乾燥)
✻葉の先が枯れる、幹や太い枝が枯れる。
(過湿による根いたみ)
対策
土の表面が乾いたら水やりをしましょう。
水やりが多すぎると水分過剰のために、土壌中の酸素が不足し根が呼吸困難になって腐る。
土壌の排水性と通気性
植物の生育にとって良い土とは、水と空気を十分に含んだ土。
水については適度な保水性と排水性。
空気については通気性が必要。
症状
土壌の排水性と通気性が悪いと、水のやりすぎと同様に根腐れを起こして下枝が枯れたり、枝葉の伸びが悪いなどの障害が現れてきます、枯れることもある。
対策
排水性、通気性を良くするために土壌改良する。