緑のお医者の徒然植物記

Translate

緑のお医者の徒然植物記

検索結果

ラベル #沈丁花、#ジンチョウゲ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル #沈丁花、#ジンチョウゲ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

金曜日, 5月 24, 2019

ジンチョウゲ(沈丁花) No.134

沈丁花 ジンチョウゲ科

中国原産で日本へは室町時代以前に渡来したと考えられています。


「沈丁花」の名は花の匂いが沈香と言う香水に似ており、また丁子(丁字)と言う植物に似た姿であることに由来している。


※丁子(丁字) 
熱帯産の常緑樹(ちょうじの木)からとる香料、クローブ

◉春先に小さなつぼみをたくさんつける沈丁花は、3月から4月にかけて開花する。

中国原産で、本来は暖かい地方に自生していますが、樹勢が強いので、マルチングなどの冬季管理をしっかりすれば、東北地方南部まで、植栽できます。

また、東北地方や北海道では落葉性のオニバシリが自生しますが、これも沈丁花の一種です。

開花が終わると、花後剪定に適した時期になりますが、それほど背丈が高くならない樹種なので、大がかりな手入れをする必要はありません。

半日陰でも十分育つため、鉢植えやマンションなど狭い所でも楽しむのにも適した樹木でしょう。



◉寒さに弱いため、東北地方以北や日本海沿岸など、積雪のある地域では屋内で管理する方がよいでしょう。


生育管理

暖かい場所を好むので、地面が凍結する地域では冬季のマルチングが必要です。

日照条件にはあまり左右されませんが、根が傷みやすいので、土壌管理には十分注意しましょう。

※有機質の肥えた土壌に保つこと、根腐れを興さないためにも、水を与えすぎないようにします。

★細い根が多く生えるので、移植する際にはなるべく根を傷めないように、堀り取る必要があります。

しっかり根付けばそれほど問題なく生育しますが、都心部などで稀に葉が極端に黒ずみ、樹勢の弱まることがあります。

これは、土壌改良の際に苦土石灰など、アルカリ性の客土を混ぜ過ぎることが主な原因です。

また、コンクリートの風化したものが、土壌に混じり、土壌のアルカリ化が進んだ場合にも起こります。

植え付け時は当然のことですが、その後も定期的に土質を検査することが、トラブルを未然に防ぐことになるでしょう。

施肥

特別に行う必要はありませんが、火山灰質など、水分と道地に養分の流出が著しい土壌では、花後に粒状の化成肥料をお礼肥として与えるとよいでしょう。

◆剪定、整姿

沈丁花は一般に7年から10年と寿命が短いので、自然樹形で育てる方がよいでしょう。

手を加えなくても概ね円い形に整うので、どうしても造形ものに仕立てたいときは、「玉仕立て」にするとよいでしょう。

花芽は7月〜9月頃に頂芽に分化し、この花芽が冬を越し、翌春開花します。

せん定は花が咲き終えた後から、5月にかけてが適期です。

花後に樹形を乱す枝のみを切り戻す。

込み過ぎている部分の枝や、樹冠内部の花がつきにくいふところ枝、徒長枝などを枝の分岐点の部分で切り詰めます。

不定芽はほとんど生じないので、枝を途中で切ることは避けるようにします。

大きいものを小さくする場合は、樹勢の衰えや、花つきが悪くなるのを防ぐために、2〜3年に分けて少しずつ小さくする分散せん定が大切です。

一度に強いせん定を行うと樹勢を弱くしてしまいます。

★殖やし方

挿し木で殖やす事ができます。
根や枝が細く、土との相性を保つのが難しいので、その他の繁殖方法はあまり適していません。

開花時の春頃と梅雨時が適期で、上手に殖やすには、枝を地面に直植えする「地ざし」がよいでしょう。

水はけのよい赤玉土か鹿沼土を用土として栽培。

10㎝前後の挿し穂を利用する場合は、浅い素焼きの鉢か、カネ製の箱を利用すると良いでしょう。








月曜日, 10月 22, 2018

ジンチョウゲ (沈丁花 ) No,7

ジンチョウゲ  「沈丁花」

常緑広葉樹

早春に咲く花の代表種で、甘い香りを漂わせる。

暖地性で、日当たりと排水のよい腐植質の多い土質がよい。

強い風と西日をさえぎるようなところがよく、水はけの悪いところでは根腐れが起きやすい。

幼苗は別として、性質は丈夫ですが成木の移植は直根性のため難しい(ほとんど不可能とされている。

代表品種


シロジンチョウゲ、ウスイロジンチョウゲ、フイリジンチョウゲなど。

◉半日陰でも育つ樹種で、それほどの手入れは必要ありません。

自然に放置していても形が丸みをおびた樹形になります。

しかし、庭に植える木としては寿命が短く、せいぜい10年もたちますと自然に枯れてしまいます。


★剪定

放任していても、樹形はよく整いますのでとくに必要ありません。

大きくなりすぎた時は、花後に徒長枝や全体を刈り込み、強い剪定はさけます。




◉肥料(施肥)

冬の元肥に、堆肥と化成肥料を混ぜて株まわりに埋め込みます。

成木の場合で、堆肥スコップ3杯ぐらい、化成肥料300㌘とします。

5月から6月に、化成肥料を根元にばらまく。成木の場合で、リン酸カリ分の多い化成肥料を300㌘

9月ごろに油粕に少量の化成肥料を混ぜ、株元にすきこむようにします。
成木の場合で、油粕500㌘、化成肥料300㌘


◉病害虫

ほとんどありませんが、たまにアブラムシが発生する。
根腐れ病が発生する。

★ジンチョウゲの根は直根性といって、地面に真っ直ぐ根をおろします。

このような根を持つ植物の移植は難しいのですが、ジンチョウゲに多い根腐れ病は、根に病原菌がつき根を腐食させるので、木はまず樹勢が衰え枯死してしまいます。

根腐れ病は、地下で起きますので、まずこの病気の発生を疑ってみるとよいでしょう。

★予防と対策

春から夏にかけてアブラムシが発生したら、マラソン乳剤1000倍液を月に2~3回散布してあげます。

多くの病気は、病原菌が原因で、また害虫は産卵を繰り返します。

病気に侵され落葉した葉や、害虫の越冬場所になりやすい落葉や枯れ枝などは、きれいに集め焼却する必要があります。

病害虫の再発防止の為にも落葉や枯れ枝などの焼却や、清掃を行いましょう。