学名と和名
植物は数多くの種類があり、名前を持っています。
雑草や雑木と言ったような呼び方もありますが、これは人間にとっての用途から見て、まとめて呼ばれるものです。
植物に限らず生物の名前は、ある特定の種に対して、世界共通である事が大切です。
国ごとに或いは、地方ごとなどで名前が異なっていては、混乱を招いてしまいます。
そこで世界に共通する名前として、一定の規則に基づいて付けられた名前があります。
これが「学名」と呼ばれるものです。
ラテン語、或いはラテン語化した表現を用いるため、ラテン名と呼ばれカタカナで表記されます。
図鑑などで、植物名を表す場合、この2つが表記されています。
✿学名
学名が付く基本的な単位の「種」は植物分類に基づいています。
その分類によって、種が属する属名と、含まれている属の中で種を示す種小名との2つにより表します。
これに命名者名を示して表記します。
例えば和名がクロマツの場合
学名pinus thn berugii parl
↑ ↑ ↑
属名 種小名 命名者
このような命名法は、属名と種小名の2つを一組として表されることから、「ニ命法」と呼ばれます。
学名は、植物の特徴を表現しているものもあり、意味を調べてみるのも楽しい事でしょう。
尚、種小名のあとにvarとかform
または、fと続く事があります。
これはそれぞれ、変種と品種を意味しています。
学名をつける規則は「国際植物命名規約」によります。
この規約が作られたのは1867年の事で、その後改訂が重ねられ現在に至っています。
✿和名
日本国内で共通して使われる名前が和名です。
和名は学名の構成と異なり、普通名詞で呼ばれます。
和名の付け方には特別な規則があるわけではないので、図鑑や植物関係の本によっては、名前が重複したり、地方名などで表記される事もあります。
植物図鑑などで、共通して使われる和名は「標準和名」と呼ばれます。
その他、和名以外の名前は俗名と呼ばれ、地方ごとに使われている地方名などはこれに当てはまります。
和名表記の例としてクロマツの場合、和名 クロマツ (漢字では黒松)カタカナで表します。