緑のお医者の徒然植物記

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日曜日, 7月 28, 2019

苔玉、鉢植えのコケ管理 No.165

苔玉~美しい緑を保つために

植物は光がなければ生きていけません。

しかし、苔は屋外でも室内でも直射日光に、長時間当てるのはよくありません。

苔の葉は、断面で細胞一層(他の植物は何層にもなっている)なので弱い光でも十分、光が届くからです。


苔は小さな個体が集まって適度な湿気を保っています。

湿り気のある所に直射日光が当たり、温度が高くなると蒸れてしまいます。


室内では窓のそばに置きます。

直射日光は、レースのカーテンで遮り、それが無理なら1日に一回でも、明るい場所に移動するようにします。

2~3日、室内で飾ったら、戸外の半日陰で外気に当てます。

ただし、苔の湿り気が飛ばされてしまうような、風通しがよすぎる場所は避けるようにしましょう。

複数の苔玉があれば、代わる代わるにいつも苔玉を飾り、楽しめることでしょう。




◉水やり=控えめに

湿り気が必要だからと、水をやり過ぎて失敗することが多いようです。

水浸しでも苔は大丈夫ですが、時間が経って水が腐るとコケも腐ってしまいます。

植物にもよりますが、苔と一緒に植えてある植物も水分が多すぎると根腐れしてしまいます。

苔は葉が乾いて縮れていると、光が当たっていても自分で養分をつくることが出来ません。

観葉植物では普通、用土の表面が乾いていることを目安にして水を与えますが、コケは葉が縮れていたり、触ってみて乾いていたら水を与えます。

水やりする時間としては、日が当たる時間、つまり早朝がよいでしょう。

ただし、置き場の環境でも、乾燥の度合いが違うので、注意しましゃう。

鉢植えのものは、鉢が小さいと乾きやすくなります、水やりとは別に時々霧吹きで水を吹きかけてあげましょう。

苔玉はバケツに水を入れ、数分間沈めて吸水させます。

気泡がなくなる状態が目安になります。




★どうしても乾燥しやすい場所に置かなければならない場合や、長期間留守にする時は、受け皿に水を十分含ませた軽石を敷き、その上に鉢や苔玉を置くなど工夫しましょう。


◉肥料=百害あって一利なし

コケには根がなく、土中から養分を吸収しないので肥料は不要です。

カビや藻類が生える原因になってしまいます。

★病害虫

葉が変色したり、カビ(白カビなど)が見えたら、早めにその部分を取り除きます。

時間はかかりますが、症状が軽ければ元の状態に回復します。

室内ばかりで長期間置いた状態が続くと、白カビが発生する事があります。

定期的に外気に当てましょう。

◉参考ブログ
※苔玉盆栽 No.52
※コケ(苔)の話 No.81
※コケの胞子 No.90
※小さな盆栽、苔玉を暮らしの中に No.97
※花のない植物コケ胞子隠花植物 No.187






水曜日, 12月 12, 2018

コケ(苔)の話  NO.81

苔のはなし


◉苔には
①セン類(スギゴケなど)
②タイ類(ゼニゴケなど)
③ツノゴケ類と言う3つのグループに分けられ、園芸に多く利用されるのはセン類です。

★セン類はは、体の小さいコケの中でも大きく見栄えがよく、比較的乾燥に強いことから園芸に利用されています。

    ◎ホソバオキナゴケ(シラガゴケ科)

透明な細胞があるため全体が白っぽく見え「白髪、爺」の名がある。

透明細胞は吸水、保水作用があり園芸材料として「ヤマゴケ」の名で売られている、苔庭に使われ、盆景や苔玉にも利用できる。


コケは色々な性質があるため、普通の園芸植物とは異なった育て方が必要です。

①コケは体には根がなく水分や養分は体の表面から吸収します。

②仮根があるが体をものに付着させる役目をするだけである。

③体の作りは簡単で、水分や養分を運ぶ構造や水分の蒸発を防ぐ「クチクラ」はない。

クチクラ=植物の表皮にあるロウまたは脂肪酸(脂肪を酸または、アルカリで分解して得たものの主要な1つ)の分泌物。

水分の蒸散や外部からの侵入物質を防ぐ働きがある。

④葉は乾くと、縮んで巻いたり茎に接するように折り畳んだりする。

⑤コケは普通、たくさんの個体が集まって生えており、それが水分を保持する役目をしている。




◉園芸で利用するものは、土の上に生えているものが多く、体のつくりを見るとギンゴケやオオスギゴケなど地面から直立するものと、ハイゴケのように地面を這うものに分けられます。

谷沿いに多くのコケが見られるのは、適度の日当たりと湿度が高いことによります。

コケの体のまわりの空気中の水分を上手に管理することが、コケを育てる上でもっとも大事な要素だと言えるでしょう。




◉コケは根がないので、赤玉土や鹿沼土など、保水性と通気性のよい用土を使い、コケの体のまわりの湿度を高くする必要があります。

肥料は施しません。

ただ、用土の表面に置いただけでは不安定になるので、体の小さなものは黒土、大きなものは富士砂などで一部を覆いコケの体を固定します。

特にハイゴケのように這うものは、竹串やワイヤーなどで固定します。

苔玉に使う場合は、はがれないように糸を巻いて固定します。

★コケは種ではなく胞子でふえますが、胞子はいつもあるとは限りません。

胞子から育てることも難しいので主に株分けでふやします。

株分けでふやす場合は、細かく分け過ぎたり、植え込みの間隔が広すぎると成長が悪くなりますので注意が必要です。

また、違った個体のコケを混合すると効果的な成長があると言われています。

コケはお互い寄り添って水分を失いにくくしていますので、バラバラにしないで植え込みます。



◆参考ブログ
※苔玉盆栽 No.52
※コケの胞子 No.90
※小さな盆栽、苔玉を暮らしの中に No.97
※苔玉、鉢植えのコケ管理 No.165
※花のない植物コケ胞子隠花植物 No.187