穂木の採種と貯蔵の仕方
春に接ぎ木や挿し木を行う際の穂木を採種する適期は、休眠期の12月から2月ですが、せん定時に同時に行うとよいでしょう。
◉穂木の貯蔵方法
採種した穂木は、利用するまで休眠状態にしておく必要があります。
乾燥しないようにビニール袋に入れたり、ラップで包んだりして密封し、冷蔵庫など低温の場所(2~5℃位)で貯蔵します。
できるだけ長い枝で貯蔵しておくことがポイントです。
★マツ類、カラマツ、ヤマモモなどの挿し木の活着率が低い樹種では、なるべく樹勢が強い若木からさし穂を採取することが大切です。
★ヒバ類
コウヨウザン、ヒマラヤスギ、メタセコイアなどのように枝が横に長く伸長する性質のものは、できるだけ上向きの枝または樹芯に近い上向きの枝からさし穂を採取しないと苗が、まっすぐに伸長しにくい性質があります。
◆落葉樹のうち、生育活動を開始するのが早い樹種を春ざしにする場合は、1月下旬から2月頃に枝を切り取って貯蔵しておいたものを、挿し木の最適期である3月から4月上旬に取り出して挿し木することがあります。
これは挿し木適期に採取すると、すでに生育活動が開始しているため枝の養分が消費されつつあり、そのために発根力弱まると言う理由によります。
1月下旬から2月頃に切り取る枝は30~40㎝の長さに束ね、土中に埋めておくか、ビニールに包んで冷蔵庫(5℃位)で保存します。
落葉樹のさし穂とする枝は、基部と先端部はさし穂として利用しません。
枝の中間部分を用いる様にします。
土中に埋めておく場合は、先端側を斜め上にして貯蔵します。