緑のお医者の徒然植物記

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ラベル #土壌改良、#土質、#酸性土壌、#アルカリ性、#やせ地、#pH、#石灰量、 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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木曜日, 1月 28, 2021

土質対策改善、土壌改良のしかた No,356

 ✺土質の対策改善、土壌改良

⑴がれき、石が多い土

深さ30〜50cm程の土を掘り起こし、がれきや石を取り除きます。

土が痩せている養分が少ない時は、園芸用土を入れて、よく混ぜてから植え込みを行います。

新興住宅地などは、養分を含んだ表土が造成される時に削られ、痩せた土が表面に出ている事があります。

このような土や火山灰土壌に植物を植える時は、深く掘りおこして、堆肥、腐葉土、ピートモスを土の量の10〜20%を目安に混ぜ込みます。

更に、1平方㍍当り50〜300㌘程度の暖効性肥料、例えば骨粉50㌘と鶏ふん300㌘を入れます。

こうすることで、1ヶ月後には植物を植え付ける事ができます。


❆砂質土(砂が多い土)

水はけが良すぎて、水分が不足しているので、粘土質の土を客土して保水性を高めます。

◉客土による土質改良
土壌の持つ本質的な欠陥が、生育を阻害している場合、他の場所から改良目的に合った土壌を移動して、土壌改良を行う。

客土の割合は、水はけの様子を見ながら調整します。

また、この土質は痩せていることが多いので、堆肥などをよく混ぜて肥料分の不足を補うようにします。

砂の多い土壌は、粘土分の多い土を入れたり客土や堆肥、ピートモス、腐葉土などの有機物を混ぜる方法があります。

これによって保水力、保肥力がかなり改善されます。

客土や有機物を入れる時期は、秋が最適で、それができなければ翌春に行います。

乾燥しやすい夏は、土の中に有機物を入れるとかえって、乾燥させてしまう事があるので気をつけます。

乾季には植物の根元に、被覆材として有機物を置くと、地表からの水分蒸発を抑えてくれます。

秋になってから、そのまま有機物を土にすき込むようにすれば、より効果的です。


⑶粘土(粘土分が多い土)

砂土とは反対に、排水性が悪いので砂土を客土して、排水性を高めます。

水溜りができないように、植樹空間の中央から、周囲に向かって下り勾配をつけます。

場合によっては、排水路を設けることも必要です。

より本格的な対策は、土管、ビニールパイプなどを埋めて、排水(暗渠“あんきょ”排水)を行うことです。

その場合、水が流れるようにわずかな傾斜をつける事が必要です。

全体の排水を良くする事が無理な場合は、樹木を植える所だけ高く、土を盛り上げても効果的です。

盛り土には砂質の園芸用土を使います。

また、粘土分が多い土壌なら水はけを良くするために、土壌の団粒化をはかるという考え方もあります。

その場合は、少なくとも50cmの深さまで土を掘り返し、そこに堆肥、ピートモスなどの土壌改良材を、掘り起こした土の20%を目安に混ぜ込みます。

砂やパーライトは粒の大きいものを混ぜ込んで、粘土の含まれる比率を小さくする事もできます。

また、この土質は土壌が酸性化している事が多いので、植栽する最低でも10日前に、石灰などで中和しておきます。

⑷湿地

ひどい低湿地なら更に、思い切った盛り土をしたり、又は池を作ってしまうことも考えてみましょう。

草花を育てるなら、背の高いあぜを作り、あぜの上で草花を育てることもできます。

極端に水分が多い土地では、有機物の分解に伴い、ガスが発生して根を傷める心配があります。

よって、湿地では有機質肥料の多用を控えた方が賢明でしょう。

⑸酸性土、やせ地

日本は雨が多いため、土壌からカルシウムなどのアルカリ分が流れやすく、酸性土壌ができやすくなっています。

また、チッ素肥料を多用してしまうと酸性化します。

pH4以下の強酸性の土壌では、カルシウムやマグネシウムが少なく、よってこれらの要素の欠乏症状がでます。

✻酸性土ではカルシウムやマグネシウム、リン酸などが欠乏する。

更に、アルミニウムが溶け出し、過剰に吸収されることで、植物の根を傷め、しかもこのアルミニウムが三大要素の一つである、リン酸を横取りしてしまいます。

✫三大要素=肥料の三要素
チッ素(N)葉肥料
リン酸(P)実肥料
カリウム(K)根肥料

酸性土ばかりが問題視されますが、土がアルカリ性になっても、チッ素の欠乏や各種の微量要素欠乏症が起きるので、注意しなければなりません。

✻アルカリ性が強すぎると、微量要素が欠乏する。

日本の植物の多くは、弱酸性(pH6)を好みます。

土壌酸度がpH6からpH7になるように、調整する必要があります。

pHを酸度から中性へと大きくするには、園芸店で市販されている苦土石灰や、消石灰を土に混ぜ、pHをアルカリ性から中性へ小さくするには、市販されている硫黄華(硫黄粉末)を混ぜます。


目安として、1平方㍍当り、強酸性土壌なら、苦土石灰をコップに8分目100〜200㌘

アルカリ性土壌なら、硫黄華をコップに3分の1杯、10cm以上の深さに混ぜ込みます。

一ヶ月前後にpHを測定してみて、不十分ならまた、同じ事を繰り返します。

土壌pHの調整を正確にする目安は、生理障害が出てからでも間に合うので、余り神経質になる必要はありません。

✿代表的な園芸用土の酸度

✻強酸性園芸用土
水ゴケ、ピートモス

✻酸性園芸用土
黒土、赤土、川砂、腐葉土
鹿沼土

✻中性園芸用土
バーミキュライト、パーライト

✻アルカリ性園芸用土
草木灰

✪酸性土壌を直すのに必要な

石灰量の目安(土の深さ10cm)

土壌pH      1平方㍍       一坪3.3m2
4.5                 280g                500g
5.0                 180g                330g
5.5                 117g                210g  
6.0                   67g                 120g
6.5                8~17g            15~30g   
7.0中性          不要                 不要

✭水道水は通常5.5~6.0の
微酸性が一般的 

✺土、土壌の関連参考ブログ
✻腐葉土を作る No,35

✻目的別、用途別土の基本ブレンド
No,69,70,71

✻土の基礎知識  No,129
✻よい土?悪い土? No,173

✻主な園芸用土、土壌改良材
No,355

✻庭土を団粒構造にかえる
No,357