シュロ/トウジュロ ヤシ科
原産地=日本、 中国 「棕櫚」常緑高木
別名=スロ、スロノキ
漢名の棕櫚を音読みした名前である。
円柱形で直立した幹の頂上に、大きな(うちわ)のような葉をつけるシュロは、南国の趣(おもむき)のある常緑樹であるが、非常に耐寒性が強くマイナス10℃ぐらいになる所でも開化結実する。
ヤシ科の中では最も北に分布を広げた種です。
雪の多い東北地方でも野外で越冬できる。
自然分布は九州の南部とされるが、種子を野鳥が食べるため本州の山にも野生化している。
実には鳥がよく集まってくる。
乾燥地や塩分にも強い、枝がないので整枝せん定は必要ないが、枯れ下がった葉は秋に元から切る。
幹の周りのシュロ毛は紐をかけて保護する。
シュロ皮は庭木の手入れ用のシュロ縄作りに利用される。
トウジュロは、やや葉も小形で下垂せず、横に伸ばした形で庭木としても人気がある。
やや耐寒性が弱いので、関東地方より南で植栽できる。
日当たりと排水のよい場所なら土質は選ばない。
単植せず、数本ずつ寄せて植えると本来のよい姿が引き立ちます。
花は5月から6月頃、黄色い大きな房状の穂を下垂し咲きます。
雌雄異株だが雌株には両性花が雑居する。
冬に枯れた葉は見苦しいので春に切り取ります。
(シュロ)
高木性なので、植え替えはしない方がよいですが、もし植え替える場合は前年のうちに根回しをしておき、高温期の5月から8月はじめに行います。
◉肥料
特別与えなくても育ちますが、3月から4月に株元に鶏ふんと油粕を成木には、スコップ2~3杯程度穴を掘って埋め込みます。
また夏に成木には、庭木用の化成肥料を500㌘ぐらいばら蒔きしますが、多すぎるのはよくありません。
◆殖やし方
3月~4月 9月~10月(実生)
挿し木、取り木、接ぎ木は出来ないが、果皮を腐らせた種を蒔けば容易に殖える。
日本では主に、葉の切り込みが深く古い葉先が折れて下がる(ワジュロ)と葉がやや小さく堅めで、折れ下がらない(トウジュロ)が栽培されるが、両種間の雑種も多く個体差が大きい。