緑のお医者の徒然植物記

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2021/01/15

ケンロクエンキクザクラ No,344

 ケンロクエンキクザクラ

兼六園菊桜

石川県金沢市にある兼六園は、岡山県にある後楽園、茨城県にある水戸偕楽園と共に、日本三名園の一つとして知られている庭園です。

1985年3月20日に国の特別名勝の
指定を受けている。

ケンロクエンキクザクラは菊咲きの桜で、名前にあるキクは花弁が100〜200枚を超すような品種を意味し、このケンロクエンキクザクラの場合は花弁が300枚を超えることが特徴である。


         (ケンロクエンキクザクラ)

野生種の場合サクラ類は、花弁が5枚であることが普通であるため、このサクラは花弁がとても多い品種と言えます。

その他、菊咲きの品種として

✪新潟県加茂市で発見されたカモノアケボノ(加茂の曙)

✪香川県高松市鬼無に由来する
キナシチゴザクラ(鬼無稚児桜)

✪日本に4本しかないと言う
稀少種桜のコノハナザクラ(木の花桜)三重県員弁郡、京都府亀岡市などが主として知られているが、品種の数としては10数種と余り多くありません。


樹高は3㍍程で、サクラ類としては余り大木ではありません。

園芸品種の場合、原種に比べて小さくなる傾向がありますが、このサクラの場合もそれに当てはまるのかも知れません。

開花期は4月下旬から5月頃


✿兼六園
石川県金沢市兼六町1

もとは加賀百万石大名である前田家の庭園。

長い歳月をかけて形造られ、江戸時代末期に現在の形になったと言われている。

兼六園の名前の由来は

1’宏大=こうだい、ひろく大きいこと

2’幽邃=ゆうすい、景色などが奥深くて物静かなこと

3’人力=じりょく、人の力、それで動くもの

4’蒼古、枯=そうこ、古めかしい中に深い趣きのあるさま

5’水泉=すいせん、湧き出る泉、池や滝など

6’眺望=ちょうぼう、広く遠くまで見晴らすこと

以上の六勝を兼ねる庭と言う意味で江戸時代中期の大名、老中松平定信(1759〜1829)によって命名されたと言われている。

昭和44年に枯死した初代の桜は、
日本に一本しかなかった。

天然記念物として有名であった。

現在の桜はその2代目である。