ジャノメエリカ ツツジ科
常緑低木
別名=ヒース 原産地=南アフリカ
ヨーロッパ
「エリカの花散るとき」昭和38年に西田佐知子のヒット曲で、日本人にも広く知られるようになった、エリカは冬から春にかけて小さな花を小枝いっぱいにつける。
日本ではエリカ属で一番普及している。
品種によって明るく、桃、紫、白、黄、橙、緑など様々な花色があります。
また花の形も筒状や盃状、鐘状、壺状と多彩です。
品種では、スズランエリカやクリスマスパレード、カナリーヒースなどがよく知られ、いずれも鉢植えに適しています。
高さは2㍍にもなり、よく分枝して小枝の先端に3個ずつ花をつけるのが特徴です。
株全体では、かなりの花数となり冬期に寂しくなりがちな、庭を鮮やかに彩ってくれます。
花は小さな鐘形で明るいピンク色をしており、中心部には黒い★葯が見られます。
★葯とは
雄しべの先の花粉が入った袋、花粉を作る袋状の器官のこと
「ジャノメエリカ」と言う和名は、この花から黒い葯が蛇の目の様に覗くところから、名付けられたものです。
◉生育管理、環境
ヨーロッパや南アメリカの日当たりの良い、荒れ地に自生する植物で、英国では湖水地方より北方の大地でよく見かけます。
それぞれの原産地では、夏は乾季で雨が少なく、冬は寒さもそれほど厳しくない湿潤な気候です。
夏は高温多湿で冬は乾燥が続く日本で、生育させるのは簡単な事ではありません。
比較的耐寒性のある品種ですが、日陰や湿地、極端に寒い所を嫌います。
冬の寒風にさらされない、日当たりの良い場所を選んで植える必要がある事から、植え付け場所も限られます。
また、乾燥にも弱く根は細根で浅根性なので、水を切らさないように管理しなければなりません。
一端水が切れてしまうと、枝先が曲がったり葉が一斉に落ちてしまいます。
この様になると回復が望めない事になるので、要注意です。
夏の暑さには強いものの、多湿を嫌うので特別にデリケートな植物と言えるでしょう。
◉せん定
基本的には自然な樹形で育てますが、数本の主幹を作って枝数を決め他の枝は整理します。
花後の3月がせん定の適期です。
葉の付いている部分であればどこを切ってもよく、枝の分岐点のすぐ上で切るようにします。
葉がない状態の所で切ると枯れることがあります。
枯れ枝や込み合った枝は、根元から切り取り除きます。
花柄は自然に落ちる事がないので、この時に一緒に取り除いて置きましょう。
また、植えてしばらく経つと花つきが悪くなったり、下の葉がなくなったりします。
この様な枝は地際から5~10㎝ほど残した位置で、すべて切り取り株を更新する事です。
◆殖やし方
株分けは3月から4月中旬と10月から11月中旬に行います。
挿し木は4月中旬から6月
さし床は浅鉢などを利用し、パーミキュライトの用土に水あげしたさし穂を挿します。
受け皿に水を張った中に鉢を入れ、底面給水しながら明るい半日陰で、管理すると1ヶ月程で発根します。
発根後は、ビニールポットに仮植えし、1~2ヶ月後に定植します。
日当たりの良い場所が植え付けに適していますが、真夏は直射日光を避けて、風通しの良い半日陰で育てます。
◉肥料
3月に緩効性の化学肥料を施します。
◆病害虫
春から秋にかけて、ツツジグンバイムシが発生することがあります。
この虫は、湿気を嫌うので水をかけて吹き飛ばすか、マラソン乳剤、スミチオン乳剤を虫に直接散布して駆除します。