土壌動物の働き
落葉、落枝の粉砕
落葉の一連の分解過程に複数の土壌動物が関与している。
落ちて間もない落葉は硬くて乾燥しており、ワラジムシ、オカダンゴムシ、ササダニ、ミミズなどの一次分解動物によって摂食、粉砕される。
通常一次分解動物では、炭水化物、脂肪、たんぱく質は消化、吸収されるが、ヘミセルロース、セルロース、リグニンはほとんど消化されずに排泄される。
◉ヘミセルロース
植物細胞壁に含まれるセルロースを除く水に対して、不溶性の多糖類の総称。◉セルロース
繊維素◉リグニン
高等植物の木化に関与する高分子のフェノール(石炭酸)性化合物であり、木質素とも呼ばれる。化合物の総称。
◆落葉は粉砕されるとともに、その含水量を増す。
◆落葉は粉砕されるとともに、その含水量を増す。
一次分解動物のフンと粉砕された落葉は、トビムシ、ヤスデ、ミミズ、センチュウなどの二次分解動物に更に分解され、土壌の団粒化、腐植粘土複合体の形成を寄与する。
腐植
土の中に入った、植物の残渣(ざんさ=残りかす)や動物の遺体、排泄物はヤスデ、ワラムシ、ミミズ等の土壌動物によって細かくされ土中に、ばらまかれた後、今度は微生物によって更に分解されます。
有機物の構成成分であるデンプン、たんぱく質、リグニンなどは分解の難易はありますが、分解されてかなりの部分は炭酸ガス、水やアンモニアになります。
残りの部分は、黒褐色の無定形の物質に変形します。
これを腐と呼びます。
腐植はこれまでの有機科学のどの部門にも属さない、高分子化合物で、土において新しくできた、土個有のものと見なされます。
土壌中の腐植物質は常に更新と腐植化を繰り返しているため、その量と腐植化の程度は、地温、土壌水分、地上植生、粘土含有量などに依存して、一定の動的平衡(へいこう=つれあい)状態に保たれています。