緑のお医者の徒然植物記

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ラベル #ハシリドコロ、#猛毒草、#キチガイナスビ、#キチガイイモ、#オニヒルグサヤ、 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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日曜日, 2月 14, 2021

間違えやすい猛毒草と山菜 ⑵ No,375

 ハシリドコロ ナス科

別名=キチガイイモ、キチガイナスビ、オニヒルグサヤ

北海道を除く各地の山間の湿地、谷間、薄暗い林内などに自生する。

草丈30〜60cm程度の日本固有種の多年草で、草は長円形で先が尖っています。


       (猛毒草、ハシリドコロの花)


春、紅紫色の鐘の形をした花が下向きに咲きます。

ハシリドコロの若芽が、フキノトウやオオバギボウシなどの山菜と間違えられたり、葉が展開した姿が美味しそうな山菜に思われ、お浸しで食べられてしまう猛毒草です。


              (猛毒草、ハシリドコロ)
✻暗い赤紫色で強い光沢を帯びる。若芽の奥に花穂はない。


中毒を起こすと、ひどい苦痛に襲われ、幻覚を生じて走り回ることから、その名がついたと言われる。

致死量を摂取することは少ないようですが、発症するともんどり打って苦しむので用心しなければいけません。

ハシリドコロに触った手で目をこすると、瞳孔が開き眩しく感じられる。

全草が有毒で根茎と根が特に毒性が強い。

ヒョスチアミン、アトロピン、スコポラミンなどのアルカロイド類の毒成分がある。

中毒症状は、おう吐、下痢、血便、瞳孔散大、めまい、幻覚、異常興奮などを起こし、最悪の場合には死に至る。

これは、同じナス科の「ベラドンナ」などと同様の症状である。

また、薬品として利用され、目薬や胃腸薬の成分として用いられている。


(    (猛毒草、フクジュソウの若芽)
✭暗い赤紫色で強い光沢を帯びる。
若芽の奥には幼い葉が詰まっている。


フクジュソウもフキノトウによく似ていますが、フクジュソウは全草に強心配糖体を含んでおり、心臓の働きや神経系に強い悪影響を与えます。

特に、お年寄りや子どもが居る家庭では、フキと一緒に植えない方がよいでしょう。



                       (山菜、フキノトウ)
✻美味しい山菜
植物名はフキ。

つぼみが春の味覚として有名で、皮をめくるとつぼみが顔を出すので、識別に悩んだ時は皮をめくる。

フキノトウの苦味主成分「ペタシン」がガン転移、増殖を強く抑制する効果があることが、岐阜大学の研究によって発見された。

「ペタシン」はフキ属に見られる天然の化合物で、化学的にはアンゲリカ酸のペタソールエステルで、セスキテルペンに分類される。


「ペタシン」は、★ETCCI阻害と言う方法での抗がん剤への実用化自体は元から存在していたが、通常細胞の代謝も阻害し、副作用が強く出るため実用的とされていなかった。

だが、「ペタシン」は選択的にガン細胞を阻害するため、通常細胞への影響は少なく、ガン細胞には強い阻害作用を発揮する。


★ETCCI阻害
ミトコンドリア(細胞小器官)の呼吸鎖複合体i(電子伝達系)への阻害のこと。


抗がん剤は、悪性腫瘍の増殖を抑えることを目的とした薬剤で、効果が有りそうなものをごちゃ混ぜにしてると言うのが、抗がん剤であるだろう。


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