緑のお医者の徒然植物記

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2019/01/22

ウメ(梅)  No,112

梅(ウメ)

松竹梅、梅に鶯(ウグイス)などの言葉があるように、日本人の心に深く関わり、古来より愛されてきた樹種

◉ウメは中国中部原産の落葉樹で、サクラと同じバラ科に属しますが、果実の形や葉腋につく芽の数などが異なり、少し違う仲間です。

最初は薬用木として非常に古い時代に伝えられ、未成熟の果実を燻製にした、烏梅(うばい)が整腸、解熱の漢方薬として用いられていました。

「ウメ」という言葉は中国語の「梅(メイ)」が転化したといわれていますが、この「烏梅、うばい」の転化だと言う説もあり、万葉集では、「烏梅」と書いて「うめ」と読む例もあるそうです。

◆奈良時代には「花」と言えばウメを指すほど、代表的な観賞木として親しまれました。 

果実を食用として用いるようになったのもこの頃で、平安時代初期にはすでに「梅干し」が作られていたという記録があります。

★ウメの学名は「ブルヌメ.ムメ」と言いますが、これは江戸時代に長崎に来ていたシーボルトが命名したもので、その長い歴史から渡来木でありながら、日本の木というイメージを持たれていたようです。




◉園芸品種は数百種に及び、主に花を観賞する花ウメと、結実、品質がよい実ウメに大別されます。

代表的なものは、ヤバイ性、コウバイ性、ブンゴ性、アンズ性に分けられ、それぞれ多くの品種がありますが、あくまでも園芸上の分類で厳密に区別されるものではありません。

◆材は、床柱、そろばんの珠、念珠、洋傘の柄、彫刻材、櫛(くし)などに利用する。

◆果実は食用、薬用そのほか、染色の媒染剤に使う。


ウメの生育管理
温暖な気候を好みますが、北海道の一部でも栽培出来るほど寒さにも強く、土質もほとんど選びません。

環境の厳しい市街地でも生育する樹勢の強い樹木です。

ただし、花つきをよくするには日陰地や湿地は避けます。




◉肥料を十分に与えることがよい花つき、実つきにつながります。

寒肥として完熟堆肥や腐葉土、鶏ふんなどを株元の周囲にすき込みます。

開花中と花後、しばらくの間は肥料はいりませんが、4月から5月にかけて化成肥料などを施します。

さらに秋口には、リン酸カリ分の多い草木灰などを少量施すと効果的です。

★丈夫な樹種ですが、病害虫も多い。


ウメの剪定

剪定にも強い樹木ですが、むやみに切ると花や実も楽しめません。

花つきをよくするには、12月下旬から1月に、太い主枝から枝分かれした側枝を3分の1程度残して切ります。

また、春に伸びた枝は切らず、夏芽や秋芽は伸ばさないようにするのがコツです。







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