イチョウ 落葉高木
別名=ギンナン、コウソンジュ
恐竜時代の太古から現存する歴史的樹種。
二億年前のジュラ紀から、現存するたいへん古い樹種当時は日本にも自生していましたが、古い時代の内に滅んだと考えられています。
日本で見られるイチョウは、中国浙江(せっこう)省の原産と言われ、飛鳥時代(593年~710年)の仏教伝来と共にもたらされ、初めは寺社を中心に植えられました。
室町時代(1338年~1573年)以降、一般に広まりました。
耐暑性、耐寒性ともに強く、北海道から南西諸島に至る全国に分布
樹高は30~40メートル
刈り込みに耐え、大気汚染にも強く、耐火性も高いことから寺院庭園樹、街路樹、防火樹、環境緑化樹に利用される。
その他、盆栽樹としても親しまれています。
太平洋戦争の大空襲で、焼け野原となった東京に最初に芽生えたのもイチョウで、東京都の樹木に指定されています。
イチョウは雌雄異株で、4月から5月にかけて開花します。
雄花は房状に下垂し、比較的目立ちますが、雌花は先端に2つの丸い膨らみ(これが後にぎんなんになる)を持つ小さなY字型の花で注意して見ないとよく分かりません。
(雄花)
(雌花)
イチョウは、扇形の葉が特徴的ですが、この形が鴨の足形に似ていることから鴨脚(おうきゃく)の中国読みである「イーチャオ」が転訛して、イチョウとなったと言われています。
尚、鴨脚はいちょうと読むこともできます。
秋に美しく黄葉することで知られますが、南西諸島などの暖地では黄葉しません。
雌株の果実は9月から11月に黄色く熟し、種子を銀杏(ぎんなん)として食用にするのは周知の通りです。
※「銀杏」という漢字は実を指す言葉です。
木材はまな板の高級品として使われる他、基盤などにも利用されます。
中国では、乾燥した果実を白果(はくか)と呼び、鎮咳去痰
(ちんがいきょたん=せきをしずめながらたんを取り除くこと)
葉を銀杏葉(ぎんようは)と呼び、血圧安定などの生薬として古くから用いています。
20世紀後半からドイツを中心に、イチョウ葉の研究が進み主成分であるフラボノイド、ギンコライド、ビロバノイドなどに優れた薬効があることが証明されました。
こんにちでは痴ほう症、耳鳴り、めまいなどに効く医薬品として、世界55ヵ国以上で認定されています。
イチョウには園芸種(変種)として、葉に黄色い斑が入るフイリイチョウ、葉の上に結実するオハツキイチョウ、葉が円筒状になるラッパイチョウなどがあります。
ギンナンは3月~4月に蒔くのが一般的ですが、秋に採り蒔きした方が発芽しやすい。
葉を銀杏葉(ぎんようは)と呼び、血圧安定などの生薬として古くから用いています。
20世紀後半からドイツを中心に、イチョウ葉の研究が進み主成分であるフラボノイド、ギンコライド、ビロバノイドなどに優れた薬効があることが証明されました。
こんにちでは痴ほう症、耳鳴り、めまいなどに効く医薬品として、世界55ヵ国以上で認定されています。
イチョウには園芸種(変種)として、葉に黄色い斑が入るフイリイチョウ、葉の上に結実するオハツキイチョウ、葉が円筒状になるラッパイチョウなどがあります。
雌雄異株
雄の木と雌の木の見分け方は、開花時期になってから雄花か雌花かを見ないと判断出来ません。
街路樹の場合、実が落ちて臭くなることがないように実が落ちない、実が出来ない雄の木だけを選んで植えています。
雄の木だけを選別し、接ぎ木や挿し木で株を殖やしています。
イチョウは、花粉が運ばれて数キロ、雄、雌の木が離れていても受精することができます。
これを「風媒花=ふうばいか」といいます。
風媒花とは、花粉媒介を風に頼る形の花のことで、目立たない花をつけるものが多いヒノキやスギと同じように、風で花粉が運ばれるのです。
例えば、庭に雌の木だけを植えていても、飛んでくる花粉で受精し、結実するということがあります。
相手が全くいないように見える状況でも、結実する可能性があると言うことで、まるで遠距離恋愛のようである。
実が地上に落ちて、種になり自然に生えるものは実が出来るまで25年くらいと言われています。
当然接ぎ木や挿し木の方が、枝自体がもともと年数を経ているわけなので、実が早くなると言うことです。
実が出来るには雌の木5本くらいに対し雄の木は1本で十分で、遠距離かつ、ハーレム?なのである。
長く生き続けるイチョウの生命力の強さを感じるものです。
ギンナン食中毒?
ギンナンを食べて食中毒になることがあります。
ギンナン食中毒を引き起こす原因はビタミンB6の欠乏だと言われています。
ギンナンには、ビタミンB6に似た毒性物質が含まれていて調理などでこれを分解することが出来ません。
この物質が体内のビタミンB6の作用を低下させビタミンB6欠乏症を引き起こすことで、健康な人でも
ギンナン食中毒を起こす可能性があります。
その時々の体調によって、引き起こされる可能性があるものです。
体内のビタミンB6の状態を、把握することは困難です。
その為、防ぐには大量摂取しない。
少量でも、継続して摂取しないことが重要です。
子どもはさらに注意が必要です。
ギンナンを食べることは避けるべきと思います。
昭和20年8月の水戸空襲の際に、黒焦げになりながらも、生き残ったと言われている水戸駅北口側にある銀杏の木。
イチョウの生育管理
日当たり、水はけのよい腐植質に富んだ場所を好みます。
土質は特に選びません。
極端な乾燥地でなければ、やせ地でもよく育ちます。
ただし、潮風にはやや弱い傾向があります。
半日陰でも育ちますが、十分な日照がないと側枝が徒長しやすくなり、扱いにくくなってしまいます。
移植はかなりの大木になっても可能です。
植え穴は大きめに掘り、完熟堆肥、腐葉土をすき込んで高植えにします。
大木もそのまま植え替えが可能ですが一般の庭では幹を途中で切って植え付け、活着するまでワラやコモなどで幹巻きして保護します。
適期は3月から4月、暖かい地方では11月も可能この時期であれば、根鉢の土が落ちても活着します。
肥料は余程のやせ地でない限り必要ありません。
やせ地や枝葉を充実させたい場合は、リン酸、カリ分の多い肥料を寒肥として与えます。
病害虫の心配はほとんどないでしょう。
せん定
放任すると大木になるので、一般家庭では強せん定が必要になります。
好みの高さで樹芯を切り、太い枝も切り詰めます。
芽吹きがよくすぐに短い枝が出るので、毎年整理して枝数を殖やします。
葉は葉柄が長く、短い枝に密に互生するので美しい葉姿を楽しめるでしょう。
また、脇枝が分枝している部分でせん定を繰り返すとコブ状になりますが、この独特の樹形を楽しむのもひとつの方法です。
殖やし方
実生、挿し木で殖やします。実生は果肉を取り除き、赤玉土(小粒)にそのまま蒔くか、翌春に蒔きます。
ギンナンは3月~4月に蒔くのが一般的ですが、秋に採り蒔きした方が発芽しやすい。
挿し木は、前年枝を20センチほどに切って挿し穂とし、赤玉土などの暖地さし床に挿します。
いずれも十分に灌水し、ピートモスなどを薄く敷いて乾燥に注意しながら管理します。
庭木からギンナンを採取するには雌木が必要ですが、公孫樹(こうそんじゅ)の名が示すように40年以上もかかります。
従って、結実年数に入った木から得た接ぎ穂を接いだ(実成りイチョウ)の苗木を求めて植えることです。
従って、結実年数に入った木から得た接ぎ穂を接いだ(実成りイチョウ)の苗木を求めて植えることです。
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