ヤマブキ(山吹)バラ科ヤマブキ属落葉低木
原産地は中国、日本で、九州から北海道に至る各地に自生しています。
別名=オモカゲソウ
自生種だけに観賞の歴史は非常に古く、万葉集の時代から多くの歌に詠まれ、親しまれてきました。
丈夫な樹種であることから、公園樹、庭園樹、環境緑化樹、生花など、幅広く利用されている。
鮮やかな緑の葉は卵形で葉縁に鋸葉があり、互生します。
枝は細くしなやかに湾曲します。
風が吹くと枝がそよそよと振られる事からヤマブリ(山振り)と呼ばれていたものが、後に転訛してヤマブキになったと言われています。
※花色がフキの花に似ていることから「ヤマブキ=山蕗」となったとする説もあります。
4月から5月にかけて直径3~5㎝ほどの5弁花が咲きます。
古人が小判の色を「やまぶきいろ」と喩(たと)えた、黄金色の美しい花です。
秋には光沢(こうたく)のある暗褐色の小さな果実が熟する。
結実しない花と思われているが、それは八重咲きのヤエヤマブキで、一重咲きのものは結実する。
この花の魅力は海外でも評価されていて、イギリスでは「ジャパン·ローズ」「イエロー·ローズ」の名で親しまれています。
★ヤマブキ属の植物はヤマブキ1種のみですが、園芸品種としてヤエヤマブキのほか、葉に白い斑が入ったフイリヤマブキ、6~8枚の細い花弁が付くシロバナヤマブキなどがあります。
品種改良がもっとも盛んだったのは江戸時代で、当時は一文字、桜咲き、糸咲き、牡丹咲き、浅黄白など今日では見られない品種が多数あったことが記録されています。
尚、類似種にヤマブキとよく似た白色花をつけるシロヤマブキがありますが、こちらは4弁花でヤマブキ属とは異なります。
◉ヤマブキの生育管理
日当たりのよい、腐植質に富んだやや湿潤地が理想ですが、半日陰でもよく育ち、土質もあまり選びません。
ただし、乾燥に弱いため、長時間西日の当たるような場所への植え付けは避けます。
暑さ寒さにも強く、ほぼ全国で庭植えが可能です。
※植え付けは、浅く広く植え穴を掘り、元肥として完熟堆肥や腐葉土を十分すき込んで植え、土中湿度を保つように株元に敷きワラなどをして管理します。
植え付け時期(3月~4月)(10月~11月)
※肥料は、寒肥として冬に株回りに完熟堆肥などをすき込む程度で、ほとんど必要ありません。
※病害虫はほとんどありませんが、まれに葉に灰褐色の斑点が生じる円斑病にかかる場合があります。
※病害虫はほとんどありませんが、まれに葉に灰褐色の斑点が生じる円斑病にかかる場合があります。
病状の出た葉や病気で落葉した葉を集め、処分しておきます。
◆ヤマブキの剪定·整姿
地際近くから地下茎枝を多数発生させ、株立ち状に生長していきます。
強い刈り込みにも耐えますが、自然樹形で楽しむのが一般的です。
樹形を乱す枝は、随時、地際から早めに切り取ります。
一般の管理は、冬期に本年枝を切り戻し、枝先が白く枯れた枝や込み枝、徒長枝などは付け根から切り取ります。
古枝になっても花は咲きますが、大株になった古枝は枯れ枝が目立つので、4年に1回を目安に地上から15~20㎝の部分で切って新しい枝に更新します。
※枝の更新は花後の5月に行います。
★ヤマブキの殖やし方
挿し木や株分けで殖やします。
簡単なのは株分けです。
春か秋に根際を掘って、根のついてる枝の3~4本を一株として切り離し、別の場所に植え付けます。
挿し木は、(3月、7月)充実した新梢を15㎝ほどの長さに切ってさし穂にします。
二時間ほど水あげしてから、赤玉土や鹿沼土などの用土に、乾燥に注意して半日陰で管理します。
※参考ブログ
挿し木(春さし) No.188
挿し木後の管理について No.189
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