緑のお医者の徒然植物記

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2020/07/26

チッソも自然界で循環   No.236

植物とチッソ



チッソは空気中に体積で約80%含まれる。
常温ては不活性であるが、高温では他の元素と直接化合してチッソ物を作る。アンモニア合成の原料として重要。

化合物は肥料、火薬など用途が広い。

アミノ酸やタンパク質は、生物の体を作っている重要な要素ですが、このアミノ酸やタンパク質を作るためには、炭素とともにチッソが必要です。


ところがチッソは空気の約80%を占めているにも関わらず、ほとんどの生物はチッソを空気から、直接取り入れることができません。

ラン藻植物の一部と、マメ科の植物の根に共生する根粒菌(こんりゅうきん)だけが、空気中のチッソを利用してアンモニアを作ることができます。

これは植物が吸収できる化合物です。

動植物の遺骸(いがい)などによって、含まれているチッソの化合物は、地中の細菌によって植物の栄養となりやすい無機化合物に変えられたり、チッソガスに分解されて大気中に放出されたりします。

植物は、根から吸収した無機チッソ化合物から、アミノ酸やタンパク質などの有機チッソ化合物を作ります。

動物は自分ではこれらの化合物を作り出せないので、植物が作ったタンパク質を取り込んで、いったんアミノ酸に分解し、それぞれ自分に必要なタンパク質に合成し直します。

植物が利用できる無機チッソ化合物という形に変えて、肥料が作られ、チッソ肥料として土壌に与えられているのが、化学肥料です。


チッソ肥料(化学肥料)

※硫酸アンモニア 速効性
アルカリ性の肥料、石灰、草木灰などと混ぜて使用しない。
日数をおく。

※硝酸アンモニア 速効性
他の肥料と混用しない。
貯蔵中は、火気に注意する。

※尿素(ウレア) やや速効

大豆かすと混用しない。

※石灰窒素  速効性
カルシウムを含む。
アンモニア系の肥料と混用しない。
作物に直接接触すると障害が発生するので、追肥としては用いない。
※IBチッソ (イソブチル縮合尿素) 暖効性
科学的に暖効性を持たせた肥料
IBDUともいい、窒素全量28%以上を含む、暖効性窒素肥料である。

粒効果が大きく、大粒ほど肥料効果が遅くなり、細かく粉砕すると尿素とあまり変わらない肥料効果となる。

芝用などでは単肥で使われるが、ほとんどが化成や配合肥料の原料になる。
水稲、畑、果樹など幅広く使用される。




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