夏期のせん定
6月から8月は、暖帯性の常緑広葉樹のせん定に適しています。
一般の樹木にとっては余りよい季節とは言えませんが、暖地を好むカシ、モクセイ、カクレミノ、モチノキなどにとっては春より夏の方が適しています。
冬にせん定した落葉樹も新梢を伸ばす時期ですが、養分を蓄える時期なので、伸び過ぎたからといってあまり切り過ぎないことが大切です。
また、多くの花木はこの時期に葉芽と花芽が決定(花芽分化期)します。
むやみにせん定し過ぎると、翌年の花つきが悪くなってしまうので注意が必要です。
◆生け垣の刈り込みは年2回が原則
芽の種類と名前
芽には樹木の性質上、発芽する位置が決まっている定芽(ていが)と本来なら芽が発芽しない場所に出る不定芽があります。
定芽
頂芽(ちょうが)は枝の先端につく芽
腋芽(えきが)又は側芽(そくが)枝の側面につく芽で、そのうち幹から見て外側につく芽を外芽、内側につく芽を内芽という。
不定芽
定芽以外の場所に出るの芽の総称で、強いせん定をしたり、定芽の生長が悪いと生じやすく、本来芽が出ない太い枝などに出やすい。
枝の出方
樹種によって枝の出方に特徴がある。
互生(ごせい)
1つの場所から1つ、左右交互に枝が出る最も一般的なつき方。
イチイ,イヌツゲ、ウメ、カイドウ、マキなど
対生(たいせい)
同じ位置に対になって枝がでる。
通常は枝抜きせん定して、互生の形になるようにする。
アオキ、キンモクセイ、オウバイ、クチナシ、サルスベリなど
輪性(りんせい)
同じ場所から3つ以上の枝が出る。
放置したまま生長すると、樹形を乱す枝になるので程好くせん定する。
✿不要な枝については、No,245「樹形を乱す枝」を参照