トマトの歴史
トマトはナス科の植物
トマトの原産地は南アメリカ、ペルーやエクアドル周辺のアンデス高地やガラパゴス諸島です。
トマトの伝来には諸説があり、メキシコに渡り先住民族(アステカ族など)によって作物として栽培化されるようになったとされています。
16世紀初めの大航海時代にスペインの探険家たちによってジャガイモなどとともにヨーロッパへ伝来したとされ、当初は毒がある観賞用とされていましたが、品種改良や食文化への適応を経て現在のような野菜へと進化しました。
実際には葉や茎に微量の毒素があるが、実に毒があると誤解され、長らく観賞用や珍しい植物として扱われてきました。
食用へ転換されたのは18世紀頃で、飢饉に見舞われたナポリ(イタリア)などでやむを得ず食べ始めたことをきっかけとして、徐々に美味しいさなどが認められていった。
名前の由来はメキシコの先住民族の言葉の「ナワトル語」で「膨らむ果実」を意味する「トマトゥル·Tomatl」がトマトの語源とされています。
日本へは17世紀半ば(1670年頃)の江戸時代に長崎へ伝わったのが最初とされ、日本でも当時は食べ物として扱われず、観賞用や薬用として扱われていました。
唐柿やサンゴジュナスなどと呼ばれていました。
一般的に食べ物として食べられるようになったのは明治時代以降のことで、特にカゴメ創業者である蟹江一太郎氏が、1899年(明治32年)に本格的な栽培、普及に尽力したことが有名となっています。
日本のトマト加工業は、カゴメによって明治41年にトマトケチャップが製造されたのが最初とされています。
実は最初にトマトの加工を手掛けたのは、明治9年にアメリカから帰国した大藤松五郎氏でしたが、加工したトマト缶詰はすぐに腐ってしまい製品化されませんでした。
その後加工業は足踏み状態の時代が続いていました。
「ミニトマトの花」
主な野生種
ソラヌム·ペネリー
葉や果実の表面からアシル糖と呼ばれる粘液(糖脂質)を分泌し、虫を寄せ付けない性質があります。
乾燥や高温、ストレスに強いことから品種改良の重要な研究対象種となっています。
ソラヌム·ハプロカイテス
栽培種と遺伝的に離れているが、交配が可能である。
生体防御に関わる有用(害虫忌避成分など)な遺伝子を持っています。
忌避(きひ)とは嫌って避けること
ソラヌム·チェスマニアイ
ガラパゴス諸島に自生し、高い塩分濃度にも耐えることができる耐塩性を持っています。
トマトの表面や茎に生えている産毛
正式にはトライコーム(毛状突起)と呼ばれ、強い光や害虫から身を守るための重要な防御システムとして機能しています。
虫を寄せ付けない害虫忌避成分を含んでいることもあります。
しかし、ナス科のいくつかの植物では、トライコームの揮発成分が害虫を捕食する昆虫を誘引することも知られています。
また、トライコームには強い日差しを和らげたり、気孔から水分が奪われ過ぎるのを防ぐ働きがあります。
この産毛がしっかり生える株が元気で健康な状態である株のバロメーターとなっています。
なお、実についている産毛は収穫後に触れたり、洗ったりすることで自然に取れていくので口に入られても全く問題はありません。
「花後の実と枝につく産毛」
わき芽は順次に摘み取る
主枝(メインの茎)と葉の付け根から生えてくる小さな芽(脇芽)は、放置すると株が混み合い実に栄養が行かなくなるので、5〜10㌢ほどの短いうちに手で摘み取ります。
「赤丸印=わき芽」
切り口痕が早く乾き、病気にかかりにくくするため、晴れた日の午前中に摘み取ることが重要です。
わき芽を手で持ち横に倒すようにすると「ポキッ」と取れます。
ハサミを使う場合はウイルス病などを予防するため、株ごとにハサミを消毒することが必要です。
一度にたくさんのわき芽を取ってしまうと株が弱ってしまう原因になる場合もあるので、数日に分けて少しずつ取る必要もあります。
雨の日や濡れた手で摘み取りを行うと、切り口痕から病原菌が入りやすくなるので避ける必要があります。
摘み取ったわき芽を挿し木にする
わき芽が大きく育ち過ぎた場合は挿し木にします。
または、秋どりの予備苗などに株を増す。
10〜15cmほどに切り取り、下葉を落として2〜3時間ほど水に浸す水揚げを行った後に、湿らせた土に挿すと新しい苗として育てることができます。
約1〜2週間で発根
一番最初の花房のすぐ下から伸びる勢いのあるわき芽を残して、主枝と合わせて2本立てにすると収穫量を増やすことも可能です。
わき芽が小さ過ぎると成長が遅れ、大き過ぎると水分が足りずに枯れやすくなるので注意します。
水挿しで発根させる場合は、直射日光を避け、明るい室内に置き管理します。
毎日水を取り替えて発根するまで待ちます。
根がしっかり生えたらプランターや地植えにします。
少し深めに植え付けるか、茎を横(斜め)に寝かせて植えると根の張りが良くなります。
また、株元から伸びるヒコバエも(10〜15cm)挿し木苗として育てることができます。
「ヒコバエの挿し木苗」
ヒコバエの挿し木苗にはすでに花芽が付いていました。
どのように育つか観察してみる。
5月17日挿し木(約15cm)発根予定は7〜14日後の24日〜31日
芯(頂上)止まりになったて伸びて行かない株の場合は、わき芽を取らずに残してメインの茎として育てる。
ハサミの消毒
80℃以上のお湯に5〜10分間熱湯に浸す、または沸騰したお湯に1分以上浸す。
水気を完全に拭き取り自然乾燥。
持ち手が樹脂製のものなどは熱で溶けたり変形しないように注意する。
金属の刃物は高温で熱し過ぎると切れ味が落ちることがあります。
熱湯消毒出来ないハサミは、アルコール消毒やキッチンハイターなどを含ませた布で拭く方法もあります。
ミニトマトの摘果
ミニトマトの摘果は必ず行う必要はありませんが、実の大きさを揃えたい場合や、株の負担を減らして長く収穫するためには有効となります。
果房の先端の小さずる実や、日当たり風通しを悪くしている混み合った実は、消毒したハサミで切り取りします。
基本的にミニトマトは株に栄養ご行きやすいとされ、摘果をしなくても十分に育つとされています。
摘果するのは房の先端にある小さ過ぎる実や大きさが極端に違う実を対象とします。
果房の先端から3〜5個ほどを目安に取り除きます。
手で無理にちぎり取ると株を傷めてしまうことになるので、必ず消毒したハサミで切り取ります。
晴れた日の午前中に行うことで切り口が早く乾き、病気の予防にもなります。
水やりの時間帯
午前中に水を与えておくことで、日中の暑さによる株の消耗や水切れを防ぐことができます。
夕方や夜間に水やりを行うと株が水をあまり吸い上げないため、土が湿った状態が続くことになり、根腐れを起こしたり、病気になる可能性が高くなります。
真夏は気温の上がりきれない早朝に水やりを行うか、できない場合は夕方の涼しい時間帯に行います。
土が湿っている状態(土の表面が黒っぽい色)で毎日水を与え過ぎると、根が呼吸できずに枯れてしまう原因になります。
プランターや鉢の場合は、鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。
なるべく雨にあてない。
実が裂ける原因
実が裂ける主な原因は、急激な水分の吸収や強い直射日光、肥料過多(チッ素過多)、急激な温度変化です。
乾燥した状態から雨の降り始めや大量の水やりによって一気に水分。株が吸収すると、果実の成長に果皮の伸びが追いつかずに破裂します。
雨の日は実に直接雨が当たらないように軒下へ移動させるか雨よけをします。
家庭菜園では雨よけ栽培が基本です。
土が極端に乾燥した後に大量の水やりを避ける。
できるだけ一定の水分量を保ち与えるようにする。
完熟し過ぎると裂けやすくなるため少し早めの収穫を行う。
裂けてしまった傷口からカビが生えたり、虫が寄ってくる原因になるので早めに収穫します。
強い直射日光を浴び続けると実が弱り、わずかな水分の吸収でも皮が裂けやすくなります。
昼夜の気温差や高温障害も裂ける原因になる。
肥料や水を与え過ぎると根が浅く張り、水分を過剰に吸収しやすくなります。
更に実の芯が太くなることでヘタの下に弾力のない部分ができて、その部分から裂けやすくなります。
実が色づく時期は水やりを控えめにすると皮が丈夫になり裂果を防げます。
裂果しにくい品種(ミニトマト)
TY千果(ちか)、サマー千果、アイコ、すずなりトマト、ピンキー、キャロルロゼ
ミニトマトの追熟
直射日光を避けた15〜25℃の涼しい室内で風通しを良くして行うのが追熟の基本とされます。
30℃以上になると腐敗しやすいとされ、15℃未満だと熟成が止まってしまう。
ザルや浅いトレイに重ならないようにヘタを下向きに並べることで傷みにくくなります。
常温で2〜3日置いておくと自然に赤くなり甘みも増します。
青いミニトマトの追熟は、エチレンガスを出すリンゴやバナナと一緒に袋に入れると更に熟成を早めることができます。
袋の口を軽く閉じて数日置いておきます。
複数のトマトを一緒の袋に入れておくだけでも効果があります。
完熟後の保管
完全に赤くなる前に冷蔵庫に入れると熟成が止まってしまうので、赤くなるまで常温で置いておきます。
乾燥や傷みを防ぐために完熟後は冷蔵庫の野菜室で保存しますが、キッチンペーパーで包み保存袋に入れて保存するとなお良い。
なるべく早めに食べるようにしましょう。


















