エノキ ニレ科 エノキ属
原産地=(日本本州、四国、九州)朝鮮 落葉高木
丘陵から山地の日当たりの良い適度に湿り気のある所や、沿海地や雑木林、人里近くにも多く自生する。
樹高は20㍍、直径1㍍程になり、よく枝分かれして横に広がる。
昔は街道の一里塚や村境、橋のたもとなどによく植えられ、各地に謂れのある大木がある。
果実は10月頃に赤褐色に熟す。
昔は子どものおやつにされていました。
葉は日本の国蝶に指定されている「オオムラサキ」の幼虫の餌になることから、オオムラサキの保護のため、エノキを植林している地域もある。
✣枝にはヤドリギがよく寄生している。
(宿り木、寄生木)
ヤドリギはヤドリギ類の総称的通称で、日本に自生する和名であり、英語では「ミスルトウ」と呼ばれる。
エノキの名前の由来として、器具の柄に利用されることから「柄の木」の名前が付いたとする説と、よく燃えることから「燃え木」の名が付き、それが転訛して「エノキ」になったとする説などいろいろな説がある。
✫生育環境
乾燥地であってもよく生育し、土質は特に選ばない。
枝が横に広がるので広い場所に植栽する。
✣肥料
やせ地の場合に限って化成肥料を施す。
❆殖やし方
実生が適している。
秋に採り播きするか、貯蔵しておいたものを翌春に播く。
✣種類
長い楕円の葉を持つナガバエノキ、本州中部に稀に見られるシダレエノキ、葉がゆがみ葉先の尖ったマルバエノキがる。
花期は4月から5月頃で淡黄色の小さな花をつける。
植え付け、移植は3月頃でせん定は4月から5月頃。
✿長野県上田市丸子町のシダレエノキ
国指定天然記念物
樹齢およそ300年と言われたシダレエノキは1977年(昭和52年)に老衰のため枯死してしまった。
現在では実生や接ぎ木された子木が残され、大切に保護されている。
✿赤羽根大師のエノキ
国指定天然記念物 2004年指定
樹齢推定800年
徳島県美馬郡つるぎ町一宇
✿宮野八幡神社の大エノキ
市指定天然記念物 1977年指定
カワラタケキノコ菌により、腐食が進行している樹木で危機的状況にある天然記念物。
折れた部分にカワラタケが生え、樹勢が衰え、枯死する可能性もある。
広島市安佐北区安佐町(宮野八幡神社)