緑のお医者の徒然植物記

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2024/11/03

神農と断腸草 No,738

 断腸草

別名=鉤吻(こうとう)、冶葛(やかつ)

神農は紀元前2740年頃に活躍した皇帝で、人々に医療や農耕の術を教えたとされる人物です。

神農は毎日無数の草を食べていたが、「断腸草」と言う薬草を試すため食した時、解毒剤が間に合わず亡くなったとされています。

あらゆる毒素を解毒する葉を見つけていた神農であったが、常にその葉があるわけではありませんでした。

神農は120歳まで生きたと言われいます。

神農が食べた断腸草は外用薬として主に、湿疹や水虫、痔の治療に使われることもあります。

断腸草は山砒霜(やまひそう)、山の砒素(ひそ)とも呼ばれるほど、毒性が強いと植物で世界最強の毒草(劇毒植物)とされています。

その致死量は0.05mg


     「ゲルセミウム·エレガンス」


断腸草の正式名は「ゲルセミウム·エレガンス」でゲルセミウム科又はマチン科のツル性常緑低木です。

金銀花と外見がよく似ているため、間違って食する事故が原産地中国でも数多く発生し、死亡事故が起きている。

金銀花とはスイカズラのことで、涼茶(リャンチャ)として用いられている。

涼茶は冷たい漢方茶のこと


原産は東南アジアから中国南部でこの付近に自生している。

日当たりの良い山の斜面や道端の草むら、低木の茂み、雑木林を好み自生する。

世界最強の植物毒を持っていると言われるほどの猛毒植物である。

全草に毒を持ち、最も強い部位は若芽である。

植物のどの部分を食べたかによって中毒症状の出る速さが違う。

漢方医学では根を水洗いして乾燥させたものを「こうとう」と呼び、喘息治療や解熱、鎮痛などに用いるが、あまりに毒性が強いため「本草網目」をはじめ数ある医学書には「内服は厳禁」と記されています。

取り扱いに注意が必要な代表的有毒植物

トリカブト(別名=ウズ、カブトバナ、カブトギク)

ヒガンバナ(別名=マンジュシャゲ、シビトバナ、シタマガリ、ハコボレ)

バイケイソウ、コバイケイソウ、スズラン

ドクウツギ、ポインセチア、アジサイ、ドクゼリ

ハシリドコロ、マンチニール、フクジュソウ

エンジェルストランペット、チョウセンアサガオ

キョウチクトウ

身近な三大有毒植物
ジャガイモ、スイセン、イヌサフラン他