セイヨウミザクラ「 西洋実桜」
別名=オウトウ「黄桃」サクランボ
ヨーロッパ、北西アフリカ、西アジアに自生する。
サクラ属の植物でサンランボの名で知られている。
果樹のサンランボの品種の多くがこの種に由来する。
日本へは明治時代の初め頃に渡来し、主に東北から中部地方にかけて栽培されています。
ドイツやスイスなどヨーロッパ中部の乾燥した地方では、果樹を兼ねた庭木として建物や芝生の脇によく植えられています。
枝が広がるのでゆとりのある場所を選んで植える植栽します。
主な特徴
樹高は20㍍ぐらいまで生育し、幹は直立か、やや屈曲して枝を広く伸ばします。
4月から5月頃、短枝の葉腋から散形花序を出し、白色の五弁花を2〜3個ずつ開花します。
葉は互生し長さ10〜15cm、縁には細かく鋸歯があります。
直径2cm前後の果実が実り、果実の色は品種により様々です。
基本樹形
自然樹形を基本に高さは管理しやすい3〜5㍍前後に抑えます。
生長は早い方ですがサクランボの特徴として、太い幹を切ると腐れることがあるので注意します。
植え付け時期は12月から3月頃です。
生育環境
日当たりが良い場所で、水はけの良い土壌が最も適しています。
収穫期に雨が少ない事が大切で、山形などが産地となっているのはこうした気候上の理由もあります。
結実
自花不和合性の性質があるので、結実には他の品種の花粉を人工授粉(4月上旬頃)する必要があります。
代表品種
ヨーロッパ系オウトウは大木になり甘果種。
この他に実つきがよく黄紅色の日本で栽培されている、主な品種のナポレオン、黄玉(きだま)その掛け合せのサトウニシキ、高砂、ビングなどがある。
酸果種には酸味が少なく実の小さなメテオール、ノースターがある。
中国オウトウは木が小柄で開花時期が早く、九州地方では観賞用や庭木として植えられる。
木の性質上、東京近郊では栽培が難しいとされる。
肥料(施肥)
有機質に鶏糞を混ぜ、チッ素分の少ない化成肥料かまたは、過リン酸石灰、硫酸カリを少量混ぜて元肥として株周りに埋め込みます。
収穫後は追肥として、化成肥料を株周りにばら撒きます。
病気
灰星病(果実を腐らせる)
ロブラール水和剤かベンレート水和剤2000倍液を散布します。
害虫
アメリカシロヒトリ、ケムシ
葉を食害するので、春から秋まで注意する必要かある。
アメリカシロヒトリやケムシの防除には、害虫がふ化して集まっている幼齢期に、ディプテレックス1000倍液やスミチオンを散布します。
ハダニ
葉に寄生して吸汁する。
高温と乾燥を好みます。
ハダニ類にはケルセン2000倍液を春から夏にかけて、月に1〜2回散布します。
晴天続きで雨の少ない時に葉水をかけてあげることも大切です。
カイガラムシ
幹や枝に群生して酷い時には幹が白っぽく見えます。
カイガラムシやアブラムシの予防には、冬期に機械油乳剤30倍液を散布します。
カイガラムシやアブラムシは木の幹や枝に寄生して、木の養分を吸い取る吸汁性の害虫ですので、早期に発見して駆除する必要があり、樹勢が衰えるばかりか実に養分も回りにくくなる悪影響があります。
被害を受けた枝や葉、落葉など集め処分します。
病原菌や害虫の卵などの越冬を防止ができる事と、来年の再発の原因を根本的に除去することができます。
サクランボの主な効能
高血圧予防、動脈硬化予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、貧血予防、眼精疲労、視力回復などに良いとされる。