バラの弱点を他の植物で補う
わずかな品種を除けば、バラはその多くが落葉性であるので、バラを中心とした庭では冬から春先まで、ガランとした寒々しい庭に見えます。
秋の花が終わってから2月のせん定までは、樹形の乱れたままの姿で過ごすことになり、庭全体が雑然としたままです。
このような状態を避けるためにも、弱いせん定を行い乱れた印象を感じないようにします。
また、樹木や草花との組み合わせなど、バラの冬の状態を想定して、樹木を配植することも必要です。
12月から春まで咲く花木などの植栽で、バラにかわって庭の景観を良くします。
草花との組み合わせでは、ひとつのバラの株元近くに常緑の宿根草を、冬に備えて植え込みます。
一般の庭木もバラも大きくして、花をたくさん咲かせれば良いわけではなく、庭全体や構造物とのバランスを整える必要があります。
適正な大きさと樹形を維持するせん定が重要です。
冬にバラの庭を補う常緑宿根草
アガパンサス ユリ科
花期=4月〜7月
植え付け時期=3月〜5月、9月〜10月
明るい緑の葉が密生し、花期もバラに合わせられる。
小型種のピーターパンなどが使いやすい。
クリスマスローズ キンポウゲ科
花期=12月〜4月
植え付け時期=10月
大型の葉で冬の緑として存在感があり、花期が長く花色も多彩。
シロタエギク キク科
花期=6月〜9月
植え付け時期=10月〜11月
シルバーリーフプランツ、銀葉植物の代表種
バラの開花期には濃い色を浮き立たせる。
宿根カスミソウ ナデシコ科
花期=6月〜7月
植え付け時期=3月〜4月、10月〜11月
冬の間は多少ボリュームに欠けるが、花期には切り花としてバラと合わせるのが定番。
宿根ダイアンサス ナデシコ科
花期=3月〜7月、9月〜11月
植え付け時期=4月〜5月、9月〜10月
バラ花壇の縁取りには「ライオンロック」などの小型のものが足元を引き締めてくれる。
ゼラニウム フウロソウ科
花期=3月〜11月
植え付け時期=4月〜6月、9月〜10月
秋に切り戻して低く仕立てておく。
暖地では少し湿気に弱いが「アイビーゼラニウム」が合わせやすい。
ブルーデージー キク科
花期=3月〜6月、9月〜10月
植え付け時期=2月〜4月
冬の間も葉の緑のボリューム感は十分
花期にはブルーの花がバラを補う。
寄植えやハンキングバスケットの材料にも最適。
ベルゲニア ユキノシタ科
花期=2月〜5月
植え付け時期=3月〜4月、9月〜10月
大型のしゃもじ形の葉が広がり裸地を覆う。
バラの小さな葉との対比も大きい。
ペンステモン、ジキタリス ゴマノハグサ科
花期=6月〜9月
植え付け時期=3月〜5月、9月〜11月
「ハスカーレッド」は、赤茶色のツヤのある葉がロゼット状に広がり観賞価値も高い。
ヒューケラ ユキノシタ科
花期=5月〜7月
植え付け時期=3月〜4月、9月下旬〜11月上旬
多彩な葉色の品種があるが、花期のバラの花色を考慮して品種を選ぶ。
シバザクラ ハナシノブ科
花期=3月〜5月
植え付け時期=3月〜4月
冬からバラの開花まで、グランドカバーとして株元の乾燥を防ぎ早春の花も美しい。
芝生代わりに庭に植えたり、石垣などに利用する。
ユリオプスデージー キク科
花期=11月〜6月
植え付け時期=10月〜4月
バラの終わる晩秋から春まで咲き続け、冬の庭を彩る。
葉の緑も低木並みのボリュームがある。
ヤブラン キジカクシ科
花期=8月〜10月
植え付け時期=3月〜6月、9月〜11月
濃い緑の原種のほか、黄斑種、白斑種があり、丈夫。
マーガレット キク科
花期=10月〜6月
植え付け時期=3月〜5月
暖地でのみ植栽可、春早くから咲き、茎が木質化するのでその前に切り戻す。
9月頃に草丈の半分ほどを切り戻しすれば秋にまた開花する。
宿根スターチス イソマツ科
花期=6月〜11月
植え付け時期=4月〜5月
葉小さいもの、大きいものがあり、葉色は緑から青緑。
花期にはバラに合わせる切り花に利用する。
ドライフラワーの素材としても利用され、乾燥させても花色があせない。
ライズイヤー シソ科 (ハーブ)
花期=5月〜7月
植え付け時期=3月〜5月、9月〜10月
明るい緑の葉が密生する。
花期もバラに合わせられる。
小型種のものが使いやすい。
クリービングタイム シソ科
花期=3月〜6月
植え付け時期=3月〜5月
草丈3〜5㎝で冬の間も緑のじゅうたんを作る。
花期にはピンクのじゅうたんに変わる。