ミモザ マメ科アカシア属
原産地=オーストラリア、タスマニア
別名=ミモザアカシア 常緑中低木
日本には明治時代の初期に渡来しました。
ミモザはフランス語で和名はフサアカシアと言いますが、日本では北海道から九州まで自生が見られるハリエンジュ(ニセアカシア)を俗にアカシアと称する事が多く、園芸店では混同を避けてミモザと呼ぶのが一般的です。
アカシア属の植物は世界に500種以上あると言われていますが、日本の園芸店でよく見かけるのは「フサアカシア」と同じく明治時代に渡来した近縁種の「ギンヨウアカシア」の2種です。
海外ではネムノキの属名も「ミモザ」といい、混乱しそうですがいずれも30~40対の、二回羽状複葉をつける共通点が名前と関係しているようです。
ミモザは、2月から4月頃にふんわり丸い数十個の黄色い小花が、枝先に房状に咲き芳香を放ちます。
夏から秋にかけて8~10個の豆が入ったサヤができます。
日本ではあまり馴染みがありませんが茹でると食用にもなります。
他のマメ科の植物同様、空中のチッ素を固定して栄養分とする能力があり、痩せ地でもよく育ちます。
暖地性で寒さには弱い傾向がありますが大気汚染に強いことから、関東地方以西では、街路樹、緑化樹などに多く利用されている。
その他、生け花やフラワーアレンジメントの花材としても高い人気があります。
フランスのカンヌ地方では、ミモザの花束を投げ合う春祭りがあるほか、イタリアでも男性が女性にミモザの花を贈る記念日があるなど、欧米では最もポピュラーな春の花の一つです。
★1931年から開催されているミモザ祭りフランス、カンヌ映画祭が行われるコートダジュールの町、マンドリュー·フナープル毎年2月の約1週間、ミモザ祭りで町中が黄色く染まる。
ミモザの花を中心に春の花で飾られた山車によるフラワーパレードが行われる。
訪れた人々は、ミモザの街道を散策したりミモザの香水を作ったりと、春の訪れを告げるミモザを満喫します。
★イタリアミモザの日
3月8日の「国際女性デー」をミモザの日
と呼んで男性が妻や恋人、身近な女性に日頃の感謝の気持ちを込めて、ミモザの花を贈ります。
第二次世界大戦直後の1946年からの習慣である。
ミモザの花の香りは、咲き始めが最も強く、ヨーロッパの人々に春の訪れを知らせるものとして愛されてきました。
ミモザの香りは、イヴ・サンローランの「YSLパリ」、ジパンシーの「アマリージュ」など、有名な香水の原料に使われている。
原産地のオーストラリアでは「ギンヨウアカシア」が国花になっている。
◉近縁種として
花房、葉ともやや小ぶりで葉が白銀に輝くギンヨウアカシア、葉が三角形のサンカクバアカシアなどがあります。
◉成育管理、環境
日当たり、水はけのよい場所好みます。
土は多少の痩せ地でも問題ありません。
ミモザアカシア属の中では耐寒性がある方で、関東地方中部までは
庭植えが可能です。
冬の冷たい風が当たらないような
日溜まりができる場所が理想です。
◉植え付け、植え替え
植え付け、植え替えは完熟堆肥を十分にすき込みやや高植えにします。
生長が早く、生育環境が良ければ
10~15㍍大木に生長しますが、根は意外に少なく、樹冠が大きくなるので支柱を取り付けるようにします。
幼苗の移植は容易であるが、成木になってからは難しくなります。
適期は秋植えも可能ですが、4月中旬から5月上旬の春植えが適しています。
◉肥料
必要に応じて花後に粒状化成肥料を少量与えます。
追肥として秋に、骨粉や油粕などを与えると樹勢維持に効果的です。
◉病害
まれにカイガラムシやテッポウムシの被害を受ける事があります。
カイガラムシは冬期に石灰硫黄合剤やマシン油乳剤を散布して防除します。
テッポウムシ(カミキリムシ幼虫)は食害を受けた孔(穴)にスミチオン乳剤などの殺虫剤を注入して駆除します。
◉せん定
放任してもよく樹形を整えますが
生長が早く幹の太さに比べて樹冠が大きく広がるので、その都度枝抜きする必要があります。
花芽は枝先に形成されるので、花が終わったらすぐにせん定しないと、翌年の開花枝を切ってしまうことになります。
太い枝を思い切って抜いて樹冠を軽くし、混み合った枝も整理して風通しをよくします。
その後伸びる枝には基本的に手をつけないようにします。
◉殖やし方
夏以降に実ったサヤから種子を取り出し赤玉土、川砂など水はけの良い用土に蒔いて管理します。
実生そのものは簡単ですが、通常の花後せん定をすると種子は採れません。
実生を行う場合は、花後実らせるための枝を残しておく必要があります。