緑のお医者の徒然植物記

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ラベル #ヨモギ、#ヨモギ茶、#本草綱目、#薬草、 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2024/10/26

ヨモギ No,736

 ヨモギ キク科多年植物

蓬、艾

ヨモギは古い時代から薬草として利用されていた植物です。

中国では古くから薬用とされ、約400年前の中国漢方生薬「本草網目」や「名医別録3〜4世紀」にも記載されているほど薬効も優れています。

日本でも、平安時代の歴史書「日本文徳(もんとく)天皇実録」(850〜853年)に薬草として使ったと記されています。

昔の人々はヨモギの優れた効能を取り入れるため、食べたり煎じて飲んだりして利用しました。

アイヌ民族では、この世に最初に生えた草と言われ、霊力の強い草として考えられていました。

韓国の民間療法は、産後のケアとしてヨモギを煎じた蒸気を下半身に浴びる「ヨモギ蒸し」が愛用されています。

近年では老廃物の排出効果の高さにも注目されています。


       「ヨモギ」

ヨモギの効能

昔から春ヨモギ、秋ヨモギと言う言葉があり、食用として使う場合は新春や少し寒気が出てきた秋の新芽が向いています。

初夏の頃は葉が硬くなり、タンニンなどの苦味成分が多くなるので食用には向かないので、ハーブや入浴剤、外用薬的に使用します。

ヨモギは毒性はありませんが、キク科の植物のため、キク科のアレルギーのある方は食べるのを控える必要があります。

厚生省告示の「日本薬局方」にも民間薬として記載されており、公的にもその効能は認められています。

ヨモギの葉や枝先を原料とした漢方薬では、ガイヨウ(艾葉)と呼ばれ、止血、抗菌、抗炎症などの作用の他、体を温める働きがあります。

薬効の基本は、葉緑素(クロロフィル)にあり、殺菌作用、体の免疫を強くするインターフェロン増強作用があります。

インターフェロンとは、ウイルスや腫瘍細胞などの異物が侵入した際に生体内で生産されるタンパク質で、免疫系や炎症の調節に作用して効果を発揮します。

更に、皮膚疾患、火傷などの回復促進作用、悪臭を防ぐ働きなどもあります。

カルシウムも豊富で、カルシウム不足からくる自律神経失調症、不眠、イライラなどを沈静化される効果も出てきます。


脂肪代謝を正常にする

韓国では、ヨモギ茶は「痩せるお茶」として常用され、ふつうホルモンのバランスが崩れて、脂肪代謝が高くなると太ります。

太ってくると、漢方で言う血が滞る「瘀血=おけつ」という状態になり、更にまた太ると言う悪循環に陥ります。

ヨモギ茶は瘀血をなくし、脂肪代謝を正常にするので、自然に痩せることができるとされています。

ヨモギ茶を与えたブタは、脂肪が少ないと言うデータも説得力があります。


     「乾燥中のヨモギ葉」

体を温める

ヨモギは中国で、1500年前から医草としてあらゆる婦人病に使われてきました。

冷え症に効くので昔から婦人薬として使われてきました。

生理不順、不正出血、貧血、流産防止などへの効能が知られています。


腰痛、ひざ痛

ヨモギには血行を良くする作用があるので、長期間飲用の他、外用として使うと様々な痛みを改善してくれます。

ヨモギ風呂は血流の循環をよくし、汗もよく出て体も温まり、腰痛や関節痛、肩こりによく効くとされています。

一ヶ月も続けると酷かったひざ痛、腰痛が段々軽くなり、最後には痛みが消えてしまったと言う体験談もあります。

乾燥ヨモギをあらかじめ鍋などで煮出してから、お風呂に入れる方法が簡単かと思います。

煮出しするヨモギや水の量は様々です。

お風呂に入れるので濃いめに準備するのが良いかと思います。


ヨモギ風呂に入ることで、葉緑素などの成分が皮膚に働き、皮膚炎が改善したり、更にヨモギの殺菌、消毒消炎などの作用が相乗的に働いて、アトピー性皮膚炎が改善するとされています。

また、ヨモギ茶を飲んだり、料理にヨモギ食を用いるとより早く改善すると言われています。


葉緑素は血液を浄化し、若返らせる作用もあると言われています。

葉緑素の摂取により冠状動脈の血行も改善され、内側に溜まった脂肪も取り去られ、その結果心臓の負担も軽くなります。

過酸化脂質は「脂肪のサビ」とも呼ばれ、脂肪が酸化したもので動脈硬化の犯人でもあります。

過酸化脂質が溜まってタンパク質と結合すると、異常なリポフスチンと言う色素になります。

これは黄褐色で「老化性色素」と呼ばれます。

年齢を重ねると脳や肝臓、心臓などの組織に多く沈着してくるので、老化の原因と考えられています。

ヨモギの葉には、過酸化脂質の生成を抑える強力な作用があると言われています。


ヨモギ茶の作り方、煎じ方

春ヨモギの5月〜6月、秋ヨモギの10月〜11月の若葉を摘み取り、水洗いして水切りした後、細かく刻んでザルなどに入れ、風通しの良い場所で1週間ほど陰干しします。

ヨモギは日干しよりも陰干しの方が精油を逃しません。

パリパリに乾燥したら、乾燥剤を一緒に入れて密閉容器で保存します。

煮出して飲む場合は、水500mlに対してヨモギ茶葉1gを目安とし、沸騰したら中火か、弱火にして約10分ほど煮出します。

ポットに入れる時には、不要なものを取り除くために濾して入れるようにします。

粉末のヨモギ茶の場合は1日5g程度を目安とします。


食物繊維が豊富なので、飲み過ぎると下痢を起こす可能性があるので1日2リットルを目安に飲用します。

飲み辛い場合は、ハチミツを入れたり、他の健康茶とブレンドしたり味に工夫すると良いでしょう。


   「ヨモギとビワのブレンド茶」


ヨモギ茶にはリラックス効果があり、ストレスや不安を和らげるのに効果的です。

寝る前に飲むのに適しています。









2021/02/21

ヨモギ 薬草 No,383

 ヨモギの効能   キク科

「よもぎ餅」でお馴染みのヨモギは別名「モチグサ」と呼ばれる薬草で、道端や空き地など日本列島の至る所にある、これ程珍しい薬草もありません。

 


春先に勢いよく伸び、その高さは1㍍近くになることもあります。

春の若葉は香りも良く、天ぷらにして食べても美味です。

約400年前の中国漢方薬のバイブである「本草綱目」にも記載されている程、薬効もずば抜けています。

❆本草綱目(ほんぞうこうもく)

中国の本草学史上において、分量が最も多く内容がもっとも充実した薬学著作である。

日本でも出版数年後に初版が輸入され、本草学の基本書として大きな影響を及ぼした。

作者は明朝の医師、李時珍(りじちん)(1518〜1593年)


                         (李時珍)

日本でも「日本薬局方」に民間薬として記載され、公的にもその効能は認められている。

葉の裏の綿毛はお灸を据える時のモグサにし、干した葉は健胃整腸に効きます。

また、苦味があるので苦味健胃剤として使われます。

古来より薬湯として、腰痛、腹痛、痔などにも用いられてきました。

ヨモギほうじ茶は漢方のような芳香があり、漢方では「がいよう」と呼ばれ、身体を温める働きがある事から、冷え症に効果があるので昔から、婦人薬として使われてきました。

その他には止血効果があり、手を切ったりした時に、口の中でヨモギをクチャクチャと噛み砕き、傷口に付けて止血しました。

子どもの頃よく利用したものです。

漢方処方でも下血の止血に用いられます。

カルシウムも豊富に含まれ、カルシウム不足からくる自律神経失調症、不眠、イライラなどを沈静化させる効果も発揮します。


✿ヨモギ茶の効能

脂肪代謝を正常にして自然に痩せる。

韓国ではヨモギ茶は「痩せるお茶」として常用されています。

普通、ホルモンのバランスが崩れ、脂肪代謝が高まると太ります。

太ってくると漢方で言う血が滞る
瘀血(おけつ)と言う状態になります。

するとまた太ると言う悪循環に陥ります。

ヨモギ茶は瘀血をなくし、脂肪代謝を正常にするので自然に痩せることができると言います。

ヨモギ茶を与えたブタは脂肪が少ないと言う、データも説得力があります。

ヨモギは身体を温める働きがあるので、冷え症の人は日頃からお茶を飲めば身体も次第に温まってきます。

中国で1500年前から医草として、あらゆる婦人病に使われてきました。

生理不順、不正出血、貧血、流産防止などへの効能が知られていたのです。

✿ヨモギ風呂の効果

ヨモギをさらし袋に2〜3掴み入れて、風呂に入る1時間前から湯に入れておくと、湯がヨモギ色になります。

それからヨモギ風呂に入浴すると、身体がポカポカして1ヶ月も続けると、酷かった膝痛、腰痛が段々軽くなり、最後には痛みが消えてしまった。

肌もツルツルになり身体が温まる。

ヨモギは日干しよりも陰干しの方が精油を逃さない。

ヨモギのお湯は捨てずにまた、熱くして入浴すると一層効果的。

お湯自体はドロドロの緑色になりますが、入浴するとすぐに体中が温まる。


✿ヨモギ茶の作り方、使い方

最も葉の勢いのある5月〜6月の若葉を摘み取り、水洗いして水切りした後、細かく刻んでざるにいれ、風通しの良い場所で一週間程日干しする。

パリパリに乾いた物を乾燥剤などと一緒に、密閉容器で保管します。

一日分のヨモギ茶大さじ3~4杯を約600ccの水に入れ、1~2分沸騰させ、茶こしでこして飲みます。

そのままでは香りなども強く飲みづらいと思うので、その場合はハトムギを中に入れると飲みやすくなります。

いくつかの民間茶をブレンドして飲むのもよいでしょう。

ハチミツを入れるなど工夫して飲むのもオススメです。

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