地球大気
温暖化が地球を壊す、その元凶は資本主義、利潤第一主義社会である。
温暖化がなぜ人類の生死に関わる問題となるのか!
人類は地球大気の下で暮らしています。
普段は大気の存在などあまり気にする事はありません。
しかし、この大気は人間をはじめ、地球上のあらゆる生命にとってかけがえのない地球の「生命維持装置」の役目を果たしているのです。
まず、大気の成分の20.9%が酸素であること。
この酸素が地球上になかったら人間や多くの動物は、一瞬も生きて行くことができません。
また、大気中にある二酸化炭素(CO2)の量が少ないことも、生命の存在にとって大変大事な条件となっています。
このガスは温室効果と言って、太陽から受けた熱を内へ籠もらせる作用を持っています。
二酸化炭素は無色無臭の気体で室温ではガス状の物質です。
同じ太陽系の惑星でも、金星や火星などは大気の大部分が二酸化炭素なので、太陽熱が外へ放出されず、星の表面が異常な高温になります。
金星は96.5%、火星は95.3%が二酸化炭素と言われています。
しかし、地球の大気は0.04%とわずかな二酸化炭素です。
そのおかげで地球では、生命の存在には好適な温度や気候条件が維持されています。
生命にとって恐ろしいものに宇宙から降り注ぐ紫外線があります。
紫外線は分子の繋がりをズタズタに切断し、壊してしまう作用を持っているので、たんぱく質やDNAのような巨大分子が傷つけられるなどして、生命の生存と維持に致命的な影響を与えることになります。
しかし、地球の大気は成層圏の外側にオゾンと言う物質の薄い層を持っていて、この層が紫外線を遮ってくれています。
この地球の大気は最初から地球が持っていたものではありません。
地球の大気は、地球に生まれた生物が力を発揮し、長い時間をかけて作り上げてきた地球と生命との、共同作業による地球の歴史の産物なのです。
地球誕生の46億年前の大気はほとんどが二酸化炭素でできていました。
紫外線から生命を守るオゾン層も存在していません。
地球に最初の生命が生まれたのは35億年前とされていますが、その当時に生命が存在できる条件が有ったのは海の中だけでした。
地球における最初の生命体の生命維持装置は、海だったと言えるでしょう。
海中で生活していた生命体が複雑な進化の過程を経て、二酸化炭素を吸収して酸素を出す生命体、つまり光合成の作用を持つ植物が生まれたのです。
植物の生命活動(光合成)によって大気の中で二酸化炭素が長い時間をかけて消費された結果、最初の原始大気の酸素が21%と窒素78%からなる大気へと改造されてきたのです。
動物や植物が呼吸して放出した二酸化炭素は、植物の光合成によって糖という有機物に合成されます。
有機物とは、炭素を構造の中心にした物質のことで、糖は炭素と水素と酸素からできている簡単な構造のもので、エネルギーとして利用されます。
これに窒素やリン酸等が加わってアミノ酸やたんぱく質等の複雑な有機物になると、体を作るのに使うことができます。
これとは別に、成層圏にまで上昇した酸素の分子が紫外線に当たって、オゾンに変わるという現象が始まり、やがて紫外線をくい止めるオゾン層(防壁)が地球の外側を囲むようになったのです。
最初の生命誕生から大気が地球と生命の共同作業によって改造され、「生命維持装置」に発展するまでに35億年以上の気の遠くなるような時間がかかった事になります。
そして、生命は地上での進化の過程を辿り、300万年前には人類に至って文明社会をつくるところまでになったのです。
地球誕生から長い時間を経て作り上げられた地球大気=生命維持装置をわずかな時間で破壊し始めたのが資本主義=利潤第一主義者たちである。