主な盆栽の樹形
◉文人木(文人模様)
模様木の変化形で、細い幹、少ない枝数による軽妙で洒落た雰囲気が大きな特徴です。
明治時代の文人墨客=ぶんじんぼつかく(文芸や、書画を生業とする人、又は愛好者)から好まれたことから、文人木の名称があります。
役枝が少なく、幹ぶりも細いことから単調になりやすく、この樹形の風趣を十分に発揮する樹形に仕立てるには、相当の経験が必要とされています。
◉株立ち
根本から多数の幹が立ち上がっている樹形です。
幹の長さや太さに変化があり、それぞれが直立に近い形になっているのが理想とされています。
◉筏吹き(いかだぶき)
自然災害で幹が横倒しになり、枝が新たに幹として生長した様子を表した樹形です。
◉根上がり
樹が大きく地表に露出している樹形です。
強い風雨や波などで、根元の土が洗われて根が地上に顔を出している、樹木の様子を表現しています。
◉寄せ植え
盆栽用語では単に「寄せ」ともいいます。
ひとつの鉢に何本もの木を植えて、群生している様子を表したものです。
同一種を寄せ植えする場合や、複数の樹種や下草まで植えて雑木林の雰囲気を出すものなどもあります。
◉石つき、石抱き
石と樹木を組み合わせて作る盆栽です。
▲石つき
渓谷などの岩上にそそり立つ樹木の様子や、孤島の岩肌に自生する樹木の様子を表現します。
▲石抱き
石のくぼみに木を植え込む方法と、樹木の根を抱え込むようにする方法があり、特に後者を「石抱き」といいます。