消えてしまった大草原
かつて中国の内蒙古には森林があり、大草原が広がり、遊牧民が暮していた土地でした。
ところが、経済発展とともに人口が増加したことから、食肉の需要が増加した事により、家畜を多頭数飼育するようになった。
その結果、草原地の一定面積当たりの飼育頭数が増える事によって、草原地が回復できずに砂漠化して行ったのです。
✫内蒙古(ないもうこ)内モンゴル
モンゴル高原東部、ゴビ砂漠以南の地域
砂漠化による日本への影響を見ると、中国での砂漠化は直接関係ないように見えますが、九州地方などでは「黄砂」となって降り注いでいます。
✻黄砂
黄砂は中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など、乾燥、半乾燥地域から風によって、数千メートルと言う高度にまで巻き上げられた土壌、鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊したり降下する現象です。
✿黄砂による影響、被害
人体への影響
目、鼻、皮膚などのアレルギー症状との関連が報告されている。
目のかゆみ、結膜炎、鼻水やくしゃみなどを引き起こす事があることも報告されています。
✻自然界、農業生産、植物、海洋などへの影響。
発生源地域周辺の農業生産に影響を及ぼす。
大気中に浮遊し、黄砂粒子を核とした雲の発生、降水過程を通して地球全体の気候に影響を及ぼしています。
また、海洋の生態系にも大きな影響を与えていると考えられていますが、その総量についてはまだ明確になっていない。
✿砂漠化の防止対策
最も有効な方法は植林である。
しかし、現地で植林しても植え付けた樹木が家畜に食害されてしまい、森の形成が出来なくなってしまいます。
そこで、食害されないように植林した周囲を、金網で囲わなくてはなりません。
しかし、それはとても手間のかかる事です。
それでもこうしないと森と草原地が回復しないのです。
砂漠地に植えられる樹種は、ポプラ、マツ、ニレなどの種が在来種でもある事から、現地には適していると言えます。
この地域の土壌は極めて均質な砂で、日本では園芸用の化粧砂に使える程の上質な物にさえ見えます。
植林する時は、わずかに残った泥炭を植え穴の下層に入れ、根の伸長を促進させる工夫が必要です。
❆内蒙古自治区のホルチン砂漠で砂漠化した土地の緑化活動が長年に渡り行われている。
ホルチン砂漠は日本から一番近い砂漠で、日本にも黄砂の増加と言った影響がある所です。
❆主な日本の植林活動団体
✻特定非営利活動法人
団体名
沙漠植林ボランティア協会
(岩手県)
✻日本通信教育連盟
活動資金を援助し、砂漠化防止のために森林の回復再生を目指している。
✻特定非営利活動法人
緑化ネットワーク
日本国内でも森林整備や里山保全活動を行っている。
その他多数
✫中国の砂漠緑化の重要性
中国の砂漠地における黄砂現象は、決して自然現象ではなく、その起源は人類が引き起こした事です。
それは紛れもない事であるだろう。
人類は経済発展、資本主義社会の中においても地球規模で、自然界を破壊してしまう可能性が大きいと言えるのです。
✫ゴビ砂漠
中国内モンゴル自治区からモンゴルにかけて広がる砂漠。
東西約1600km、南北約970km
総面積は約130万km2
世界で4番目の大きさ。
✫タクラマカン砂漠
中華人民共和国の砂漠
中央アジアにある内陸盆地、タリム盆地の大部分を占める砂漠である。
一帯は現在、中国の新疆(しんきょう)ウィグル自治区に属している。
東西1400km、南北550km