アカギ トウダイグサ科アカギ属
「赤木」
アカギは材の色が赤褐色なのでこの名がある。
高さが20㍍以上になる雌雄異株の半落葉高木で、沖縄では日除けや街路樹として使われることもある。
半常緑性で冬の一時期葉が少なくなるが、3月頃一斉に芽吹いてくる。
花の時期とも重なるため、若葉が開く頃は特に華やかである。
萼(がく)が花弁のように見えるが花弁はない。
首里金城の大アカギ
首里金城(しゅりきんじょう)町は、かつて琉球王国の城下町で「日本の道」100選にも選ばた琉球石灰岩で作られた『石畳の道』が現在も残る情緒豊かな町である。
首里城周辺の高台に位置することから、見晴らしは那覇市でも一番の土地と言える場所です。
また、歴史的にも古い町として先祖代々、脈々と歴史が受け継がれている地でもある。
その石畳の道の途中に、大アカギへの行き先を示す小さな道標がある。
道標に従い石畳から分かれて民家の間を進むと、大アカギのある森に辿り着く。
うっそうと茂り緑が残された不思議な場所のようにも感じるが、実はここだけ戦火から焼け残った場所なのだと言う。
古くは首里城内にも数多くアカギの巨木は生育していました。
しかし、1945年の戦時中、沖縄戦の際に艦砲射撃(軍艦が搭載する大砲)を受け、多くの森がほとんど焼失してしまいましたが、この場所だけは奇跡的に6本のアカギが残ったのだと言われています。
残った森の中のアカギは、奥に生育するのが一番大きく迫力がある。
昼間でも暗い森の中の主であるかのように存在している。
暖地の巨樹らしく根元にはオオタニワタリなどが着生し、いかにも南国独特の湿潤な雰囲気のある森である。
オオタニワタリは、日本南部から台湾の森林内の樹木や岩などに着生するシダ植物である。
単にタニワタリとも言う。
大アカギの樹齢は200〜300年前後と言われており、中でも古木はシマオオタニワタリやクワズイモなどの植物が着生している。
この場所は、沖縄に数多く存在する「御嶽=うたき」と呼ばれる祭祀=さいし(神や先祖を祀ること)祭事、祭典、祭りなどを行う場所で、内金城嶽(うちかなぐすくたき)と呼ばれています。
普段は静かなこの森も、毎年旧暦の6月から15日には賑わうと言われています。
1年でこの日だけは、アカギに祭られた祠(ほこら)に神が降りてくると言われていて、この日には島を離れていた人々が集まって来るのです。
地元では昔から神聖な場所であり、アカギは御神木でもあったのです。
沖縄県に多く存在する聖域の中では比較的アクセスが良く、近年ではパワースポットとしても知られている場所である。
首里金城の大アカギ
樹齢300年以上
国指定天然記念物
所在地=沖縄県那覇市首里金城町3丁目