バラ4月の手入れ
4月になると春は一段と暖かさを早め、バラはそれに合わせるかのように新梢を伸ばし、月末にはつぼみが膨らんできます。
⑴芽かき(側芽摘み)
伸びてきた芽をよく見ると、その基部に両脇から小さな芽が平行して伸び始めています。
中心の長く伸びたものを主芽といい、両脇の短いものを側芽と呼びます。
側芽は主芽がアクシデントで欠けたり、傷付いた場合のスペアですが、春は樹勢が強いので主芽と一緒に動き出したものです。
側芽の伸長はせん定した枝先の1~3芽くらいで、これを放置すると強いものでは主芽から伸びた枝と並んで伸び、花を咲かせますがその多くは途中で生長が止まります。
そのため、主芽から伸びる主枝の勢いをそぎ、せん定でせっかく芽数を制限した意味がなくなるので早めに摘んでしまいます。
摘み取り方は、指先で押し倒すように行い、大きくなりかけたものはむしり取りますが、いずれも手袋を使わずに素手で行います。
行う時期は4月上中旬です。
この作業はハイブリッドティー(HT)とフロリバンダ(F)種に対してだけ行います。
▶芽かき(側芽摘み)
⑵敵蕾(側蕾摘み)
中旬頃になるとつぼみはずいぶん大きくなってきます。
ハイブリッドティーの枝先にも、フロリバンダのようにたくさんのつぼみを見かけます。
中心のつぼみを主蕾(しゅらい)それ以外を側蕾(副蕾‘ふくらいとも言う)と呼びます。
そのまま放置すると房咲きとなり、立派な花を1輪咲かせて、観賞するハイブリッドティーの魅力にそぐわなくなるので、側蕾を摘み取ります。
この作業も側芽摘み同様に、なるべく若いうちに行いますが、あまり若いものは枝を傷めてしまうので待ちます。
敵蕾も素手で行うようにします。
▶敵蕾(側蕾摘み)
枝先の主蕾を残して、側蕾は全て指で摘み取る。
⑶ブラインドの処理
新梢がある程度伸びてくると、先端が膨らんで花芽が見えてきます。
この時、細いエダや中程度の太さの枝に花芽が付いていないものが見つかります。
これを「ブラインド」といい、そのまま放置すると止め葉(花のすぐ下につく葉)から2本の細い枝を伸ばし、貧弱な花を咲かせてしまいます。
咲かせるのは望ましくないので、5枚葉の所で切り戻すと、そこから伸びた枝にまともな花をやや遅れて咲かせます。
▶ブラインドの処理
⑷整姿
この時期には、株元の切り残した部位から出た細い枝が、密生している株が見られます。
これらの細い枝は「ブラインド」になるか、開花しても貧弱な花になります。
残しても病害虫の巣になる事もあるので、元から切り取ります。
また、ベーサルシュートとも言える太さのある新梢が伸びている株もあります。
シュートの本格的な発生は6月から7月ですが、太いものは先端を指で摘み取っておきます。
✫シュートピッチ
シュートが20〜30cmに伸び、先端につぼみが見えてきたら、5枚葉の所で摘み取りシュートの生長を止めて充実を図る。
✻例外的につるバラも、シュートが太くなり過ぎるのを防ぐために行う事があります。
⑸病害虫の防除
伸び出した新梢の先端に、アブラムシが群がっているのが見つかります。
つぼみなどに飛来したアブラムシから繁殖したものです。
時期的には4月中旬頃で、薬剤の定期散布をこの頃から始めます。
特に、クロケシツブチョッキリ(バラゾウムシ)の対策を忘れないようにしましょう。
「クロケシツブチョッキリ」
主な発生は4月下旬から5月上旬の年1回ですが、大発生すると春の花が激減してしまう程です。
被害を受けた枝は萎れ、つぼみも枯れてしまいます。
見つけ次第5枚葉の上で切り取り処分します。
発生時期が近くなってきたら、マラソン、スミチオン、トクチオンなどの薬剤の内の1つを、2回程散布すればほぼ防除できます。
捕殺したとしても効果は上がりません。
⑹新苗の植え付け
中旬頃にはこの冬に接いだばかりの新苗が売り出されます。
最初は花を咲かせないようにつぼみを摘んで、肥培すれば秋には一人前の花が咲くでしょう。
特につるバラは、新苗を秋まで育てると、シュートが2〜3本出てかなり伸び、翌春には数多くの花が見られるようになります。
水やり、施肥は3月の手入れに準じます。
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