ギョリュウ ギョリュウ科
落葉小高木 「御柳」
別名=タマリクス 原産地=中国
ギョリュウの仲間はヨーロッパ、アジア、アフリカに約75種が分布します。
その中でも中国中部から南部原産のタマリクス·キネンシスを指して、和名でギョリュウと呼びます。
糸のように細かい小枝に小さく細かい葉が密生し、垂れ下がる様子は独特の樹形であり、水辺の風景によく似合う。
5月から7月頃の2度花をつけるが、結実するのは夏の花だけで、花の数も夏の方が多い。
盆栽としては、シダレヤナギとともに夏の涼風を感じさせる木として観賞される。
ギョリュウの仲間は、海岸や内陸の塩分を多く含む土壌など、本来植物が育ちにくい場所に自生する塩性植物です。
枝葉に「塩腺」と呼ばれる器官があり、余分な塩分はそこから体外に排出することができるので、そのような場所でも生きられます。
日本には江戸時代に渡来したとされる。
水を非常に好む湿地に適した数少ない庭木の1つです。
生育環境
日当たりのよい湿潤地を好むが、土質を選ばず海岸の塩分の入った土壌でも育つ丈夫な木である。
萌芽力も強く、大木の移植は思いきり切り詰めて行なう。
塩性植物の種類
マングローブに自生するオヒルギ(ヒルギ科)
クロマツ(マツ科)、ハマボウ(アオイ科)、ギョリュウ科などを例外として、ほとんどが草本類である。
日本で代表的な塩性植物
アイアシ(イネ科)、シオクグ(カヤツリ草科)、アッケシソウ(ヒユ科)、オカヒジキ(ヒユ科)、ウラギク(キク科)、ハマサジ(イソマツ科)、シバナ(シバナ科)
肥料
寒肥として堆肥、鶏ふんなどを施す。
せん定は2月から3月頃と6月から7月
植え付け、移植時期は11月から3月
殖やし方
前年枝を20cmくらい切って3月から4月頃に挿し木する。
新枝なら6月から7月に箱挿しする。
実生は3月頃に播く。
種類
テトランドラ
ヨーロッパ南東部、西アジア原産で濃いピンク色の花を咲かせる。
キネンシス
中国原産、単にギョリュウと言うと本種を指すのが一般的です。
ペンタンドラ(類似種)
南東ヨーロッパ、中央アジア原産で花付きがよい。
✣オーストラリア原産の花木「ギョリュウバイ」はフトモモ科の植物で「ギョリュウ」とは関係がない。
ギョリュウバイは、オーストラリア、ニュージーランドを中心に約40種が分布する常緑の低木で、鉢植えや生垣などに利用される。