コナラ ブナ科 「小楢」
別名=ハハソ、ホウソ、ナラ
北海道から九州、朝鮮半島などの山地や丘陵地に分布する常緑及び落葉高木で稀に低木。
雑木林の代表的な樹の1つで、かつての日本の山里ではごく普通の木だったが、最近では雑木林そのものが少なくなってしまった。
春の新緑は一日ごとに微妙に色を変え芽吹く。
日当たりの良い山野に生え、樹高は15㍍程になるが、大きいものは25㍍以上に達する。
コナラの(コ)は小さいという意味ですが、類似種のミズナラをオオナラと呼ぶのに対したもので、山地では径が1㍍近いものも見られる。
類似種のミズナラは葉が大きく、葉柄が短く無いように見えるので区別できる。
秋の最後を締めくくるかのように、渋く紅葉しハラハラと散る。
若木のうちは紅葉しますが、成木では紅葉せずに褐色になった葉が、春まで残ることがある。
かつては薪炭材として利用し、里山には豊かな自然が維持されていた。
椎茸栽培のほだ木として使われている。
材質は堅いがミズナラより評価は低い。
かつては葉を集めて堆肥にし、水田の肥料にした。
葉、果実、樹皮を煮出して染色に使う。
東アジアの常緑広葉樹林や北半球の落葉広葉樹林では、コナラ属の樹林が優占種となる。
開花期
雌雄同株で開花は4月から5月、枝先に尾状の雄花が数本、基部に目立たない雌花が数個つきます。
果実
ドングリと呼ばれる長楕円形の堅果で、緑色から秋に褐色に熟して落下する。
堅果がその年の秋に熟すものと、翌年の秋に熟すものがある。
帽子の様に見える部分は殻斗(かくと)と呼び、水平のしま模様を見せることが特徴です。
葉が紅葉する少し前頃に、殻斗から離れてドングリだけが落下する。
生育環境
適度に保水性があり、また水はけが良ければ土質は選びません。
日当たりは半日陰ぐらいまでであれば良好に育ちます。
自然樹形が基本で、雑木林風の植え込みや、和風の石組み、灯籠などと組み合わせた単木での利用に適します。
コナラの効能
樹皮、葉ともに下痢止めや解毒作用、止血、打ち身などに効果があり、漢方処方では樹皮が配合利用されている。
主なコナラの天然記念物
長野県松本市波田4751
県指定天然記念物
波多神社のコナラ
山梨市三富川浦1818-252
市指定天然記念物
広瀬のコナラ
大分県竹田市久住町久住
市指定天然記念物
平木のコナラ
広島県東城町小奴可
県指定天然記念物
板井谷のコナラ
山梨県笛吹市境川町小山1027
市指定天然記念物
小山若宮神社のコナラ