ポーポー バンレイシ科
英語名=pawpaw
アケビに似た果実の落葉小高木
北アメリカ東部原産
日本へは明治時代に渡来し、戦後は害虫がつきにくい事から広く普及し、一時はブームとなった事もあったが、果実が日持ちしない事や輸入植物の時代背景もあり、次第に流通果実としては姿を消していきました。
果樹としての利用があり、本州から九州にかけて植栽できます。
樹高は大きなもので10㍍ぐらいに達しますが、通常は5㍍前後に育つものが多い。
今では栽培農家も少なく「幻の果実」と呼ばれる。
主な特徴
大型の葉は互生し、先端が少し尖る卵状、楕円形で長さ15〜30cmと大きい。
葉質が薄く、葉柄の付け根には黒褐色の毛がある。
秋になると鮮やかに黄葉する。
開花期
4月から5月、葉が開くより早く枝先に近い部分から、径3〜5cmの黒褐色の両性花が咲きます。
雌しべの方が早く成熟する性質があります。
果実
アケビに似た形と大きさで秋に黄色く熟しますが、アケビのように割れることはありません。
バナナに似た甘みがあり、栄養価も高く生食できる。
この果実でワインを作るという例もある。
自花不和合性が強く、果実を楽しむには複数の植栽か、人工授粉が必要になります。
花が開いて3〜5日経過した頃、花が紫色に変わった頃が受粉の目安です。
実生苗の場合、結実するまでに5年から6年が必要である。
樹形
整形的な樹形になるので、洋風の雰囲気に適しています。
広い場所があれば複数で利用したい果樹です。
隣接する庭木とは2〜3㍍以上の間隔を取り植栽します。
自然樹形に見られる直立する幹と、横に広がる枝の樹形が基本です。
生育環境
日当たりが良い場所で、通気性に優れたやや湿り気のある土壌が適しています。
降雪地では枝が折れないようにする工夫が必要です。
病害虫
少ない方ですが、カイガラムシが発生することがあります。
風通しを良くすることが大切です。
肥料(施肥)
土壌が痩せている場合、果実を楽しむには堆肥に、有機質肥料を混ぜるなどの土壌改良が必要です。
殖やし方は実生と挿し木で殖やします。
せん定
落葉期の12月から1月頃にせん定を行います。
前年に伸びた枝の基部に花芽をつけるので、伸びすぎた枝を切り詰めます。
混み合った枝も切り取り、樹冠内に光が当たるようにします。
ポーポーの効能
ビタミンCを多く含む果実で、老化や癌の原因とされる活性酸素を、自ら酸化される事で身体を酸化から守る。
オーストラリアには一家に一本あると言われるポーポーの木。
擦り傷、やけど、アザ、ひび割れ、アトピー、肌荒れなど多くの効能があり、高い保湿力からリップバームや保湿クリームとしても有能であり、赤ちゃんのおむつのムレによる肌荒れにまで使え、天然成分でできた軟膏のため万人に愛されてきた。