モッコク ツバキ科 常緑広葉樹
モチノキ、モクセイとともに3大庭木の一つに数えられます。
沿岸の山地に生え高さ15㍍ほどになる。
6月~8月に黄色の花が咲きますが、ツバキ科の植物なのに花は小さくあまり見栄えはしません。
秋に赤い実がなり小鳥がよく集まります。
庭木として栽培されることが多い樹種です
日当たりがよく、排水のよい肥沃な土地が適しています。
ただし、強い直射日光の当たる場所は避けてください。
大気汚染や潮風にも強い庭木で、成木は寒さにも耐えますが、幼木は寒さに弱いので防寒対策をしてください。
★樹勢が衰え葉に元気がない
樹勢が衰えている時には、根に注意し、根詰まりを起こしているようであれば、細根の更新が必要です。
根元に放射状の溝を4本くらい掘り、堆肥などを埋め込みます。
★花が例年と比べて多く咲く
多くの樹木で、樹勢が衰えた時まるで最期を飾るように、花を咲かせる事があります。
原因は不明ですが、種を残すために花を咲かせ、実をつけるのだと言われています。
モッコクはあまり花をつける樹ではありませんから、花が例年より多すぎるときは、樹勢が衰えていないか確認し、肥料を与えましょう。
◆肥料
寒肥として、2月に鶏ふんか油粕を根元に埋め込みます。
◉病気
※炭素病
葉の症状は、初めに暗黒色の円形の病斑が現れ、病状が進むと灰白色となり病斑に小さな黒い粒を生じます。
雨が降った後や湿度が高い時に、この黒い粒から鮭肉色(けいにくしょく)の粘液(胞子粘塊)を出します。
病気にかかった葉や枝は見つけ次第処分、発生の多い6月~7月 9月~10月には月に1~2回の割合でダイセン、マンネブダイセン、ベンレートなどを散布。
樹勢を弱めると発病するので、寒害、日焼けなどに気をつけ、樹勢を強く保つようにする。
また、風通しが悪いと病気になりやすいので、せん定して風通しをよくする。
※スス病
アブラムシ類やカイガラムシ類などの害虫な排泄物を栄養として繁殖する病気で、病原体はカビです。
一年を通して発生しますが、特に虫の繁殖期である4月から10月によく発生します。
カビの繁殖が進み葉や幹の全体が真っ黒く覆われて、植物の呼吸作用が妨げられます。
病状の酷いときは薬剤による治療を行う方がよいでしょう。
ダイセン、ダイファー、トップジンMを散布。
スス病の原因となるカイガラムシなどの、害虫を退治しないと再発しやすい。
日当たりや風通しをよくし、害虫を発生させないような環境を作ることが予防になります。
◉害虫
※カイガラムシ
スミチオン、オルトラン、マラソンなどの薬剤を散布。
成虫になると薬剤が浸透しにくいので、捕殺する。
風通しが悪く、日当たりの悪い所を好むので、適度に枝のせん定を行い、風通しをよくしてやると発生が減ります。
樹勢が衰えるので早めに駆除しましょう。
※アブラムシ
薬剤を散布して駆除しますが、アブラムシは薬剤には弱いので、ほとんどの殺虫剤が効きます。
アリと共生関係で、アブラムシを運ぶ。
適度なせん定をして風通しをよくすることも予防。
※ハマキムシ(モッコクハマキ)
6月から10月にかけて発生し、被害は9月頃が多くでます。
葉を巻いて中に隠れているので、直接薬剤がかかりにくいので効果は低いが、スミチオン、アセフェートなどは多少効果がある。
被害を受けた葉を見つけ、葉を開くか、葉ごと除去して捕殺します。
冬の間に綴られた葉を見つけ、幼虫を駆除しておきます。
◉せん定
せん定時期は6月から7月、10月から11月頃。
幼木のうちはせん定せずにそのまま育てます。
樹高が2㍍ほどまで生長したら、不要な枝を落として樹形を整えます。
あとは、年に一度枝先をせん定して、日照や風通しをよくし、中まで日が入るようにします。
枝先が車枝になりやすいので、車枝を見つけたら2~3本残して整理します。
一般的なせん定は6月から7月に行い、秋は古葉を取り除く作業を中心に行います。