沖縄 亜熱帯県 沖縄ラン
豊かな自然が広がる沖縄は、多種多様な野生ランが自生する、亜熱帯地である。
沖縄は100を超える島々で構成されている自然豊かな所です。
年間平均気温は約22度で、年平均降水量が2000㍉と言う温暖で雨の多い、亜熱帯海洋性気候に属しています。
太古の頃、中国大陸と陸続きであったという地でもあり、様々な条件なども加わって、独特の✫植物相を形成しています。
✫植物相とはフロラとも言われ、特定の限られた地域や水域に分布、生育する植物の全種類をいい、動物相と合わせて、生物相を構成する。
沖縄における植物相の一つの特徴は、そこでしか見ることのできない固有種、亜種や変種が多いことです。
沖縄には、日本国内のラン科植物の約半数が分布していることから、ランの楽園とも言えるでしょう。
また、日本だけではなく中国やマレーシアなどの国外地域と、共通するランが多数自生し、南方系の植物の北限種も数多く見られます。
✿貴重な沖縄ラン
✻着生ラン
植物は一般的に土から生えるものですが、ランの一部種には土を離れて木にくっついて(着生)生活するものもあります。
木に着生するようになってから、根が乾燥にさらされるようになって行く過程で、独自に根を発達(進化)させたのが着生ランですが、栽培環境下でも、根に適度な湿度を保つことが重要です。
✻主な着生ラン種類
イリオモテラン、オオオサラン
オキナワセッコク、カシノキラン
クモラン、コウトウヒスイラン
シコウラン、ナゴラン、フウラン
ボウラン、マメヅタラン、ヨウラクラン
✺イリオモテラン
南西諸島からフィリピンにまで分布
春に開花し、個体によっては芳香がある。
❆カシノキラン
日本の暖地から台湾にまで分布。
淡黄色のちいさな花を密に咲かせる
✿地生ラン
地生ランは、薄暗い林床に生えるものと、太陽の照りつける場所に生えるものとがある。
栽培においても、自生している場所と同じ様な環境を作ってあげる事が大切です。
✻主な地生ランの種類
オキナワチドリ、カツウダケエビネ
キバナシュスラン、タイワンエビネ
ナテラサギソウ、ナリヤラン
バイケイラン、ヒメトケンラン
✻タイワンエビネ
台湾と沖縄に分布。
基本種のエビネとほぼ同じで、ウイルス病に弱い。
器具の殺菌や媒介虫の予防など特に気をつける。
(ナリヤラン)
✺ナリヤラン
熱帯、亜熱帯アジアに広く分布。
和名のナリヤとは西表島の成屋に因んで名付けられた。
✪自生環境知ってラン栽培
沖縄の自生ランであるからといって、必ずしも高温性とは限りません。
それぞれのランの自生環境を作ってあげる事が重要です。
沖縄には多くのランが自生していますが、その殆どが絶滅の危機に瀕しているのが現状です。
その原因の多くは、園芸目的の乱獲、採取です。
野生ランが山採り株でないことなど、購入時は確認してほしいと、植物管理財団より植物保護の訴えも上がっています。