施肥の時期 「元肥」
植物は生長の時期や段階によって、生長に必要な養分の種類や量が異なるため、必要な時期に必要とする成分が得られるように、肥料を施す事が大切になります。
施肥には、施す時期や目的によって「元肥」「追肥」「お礼肥」「寒肥」などがあります。
「元肥=もとごえ」は、植物の苗や苗木を植え付ける前に施します。
「追肥=ついひ」は、植物を植え付けたあとに植物の生長に応じて必要な養分を追加で与えます。
お礼肥や寒肥などは追肥に含まれます。
あらかじめ土に混ぜておく元肥は、種子から芽を出したばかりの幼苗などに、ゆっくりと緩やかに効くことが大切なので、有機質肥料をベースにした遅効性の肥料や緩効性肥料が適します。
植物の種類やそれぞれの生育段階に応じて、必要とする養分の種類や量は異なります。
施肥量は多過ぎても少な過ぎても、生長速度や実の付き具合などに影響は出ますが、有機物を多く含み団粒化した畑や花壇の土壌には、養分の濃度を調整する力があるので、厳密に計算しなくても大丈夫です。
ただし、肥料に含まれる養分は成分によって効き方が異なるので、どの成分をどの時期に与えたら良いか把握する必要があります。
✣チッ素、カリは一度に施しても流亡しやすい。
肥料成分の流亡を防ぐために、施肥してもすぐには土壌中の水に溶け出さない肥料が考え出されたのが、緩効性肥料です。
✣各要素A図参照
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チッ素 (葉肥)
チッ素は1ヶ月ほどで効果がなくなるため、野菜などの収穫が目的の、生育期間が一ヶ月以上の植物を育てる場合、元肥だけでなく追肥も必要になります。
リン酸 (花肥、実肥)
リン酸はゆっくり効き、効き目も持続しますが、土の中を移動しにくい成分なので追肥で与えた場合は、成分を吸収する根まで届きません。
つまり追肥の効果が出にくい成分なのです。
そのため、リン酸は元肥で施す必要があるという事になります。
カリ (根肥)
カリは2ヶ月ほどで効果がなくなるため、チッ素同様、元肥だけでなく追肥も必要になります。