緑のお医者の徒然植物記

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2020/12/30

ダチュラ (エンジェルス·トランペット)の冬越しNo,342

 ダチュラ

エンジェルス·トランペット

✿コンパクにして冬越し
熱帯原産のため、耐寒性は余り強くありません。

霜が当たると枝先から枯れてきます。

特に寒い地域では、地際まで枯れ込んでしまい、翌年に枝葉が出てきても花の咲くのが遅くなったり、開花しなかったり、最悪の場合は枯れてしまいます。

その為、寒さが厳しくなる前に、
コンパクトにせん定する必要があります。

✪暖地では枝葉を切っただけで冬越し


霜があまり降りることがない暖かい地域では、枝葉を切っただけで冬越しできます。

太い幹を地面から50〜100cmの高さで切り残して、細い枝葉は根元で切り落とします。

春になって気温が高くなってくる頃には、幹からたくさんの新芽が伸びてきます。

寒冷地ではせん定して残した枝を保護(防寒)しないと枝から新芽が出ない、最悪残した幹が枯れてしまう。




✿せん定時には必ず手袋を着用し、切り口から出る樹液には触らない。




◉保温材を使って冬越し

軽い霜が時々降りる程度の、0℃以下になる日が余りない地域では、寒冷紗で霜よけをするだけで冬越しできます。

0℃以下になって霜が度々降りる寒さが厳しい地域では、太い幹を50〜100cm程残して切り戻し、発泡スチロール等の保温材を利用して防寒します。

霜の心配がない5月中旬頃に保温材の囲いを外します。


❆掘り上げて冬越し

北海道のように寒さがとても厳しい地域では、外に植えたままでは株全体が枯れてしまいます。


株を掘り上げて鉢に植え付け冬越しをします。


枝葉の混み合った部分を切り戻し鉢のサイズ(直径)程度に掘り上げます。

鉢上げした後は、十分に水を与え暖かくなり過ぎない玄関等に置いて管理します。

霜の心配がない5月中旬頃になったら、再び庭に植え付けます。

✪鉢植えの冬越し

寒さの厳しくない地域では混み合った枝を切り戻し、寒冷紗を巻いて軒下等に置いて管理します。

寒さの厳しい地域では、室内に取り込みます。

❆挿し木の準備
冬越しのため、せん定した親株の
冬越しに失敗した場合のために、
切り戻した枝を20〜30cmに切り
水を入れた容器に水差しして室内に置いて管理します。

水が減ったらその都度足します。


                         (12月30日水に浸ける)

水差しをしていた枝から春には、たくさんの根が出ている状態になります。



3ヶ月後白い根が出てきた状態ですが、2月頃に取り出して挿し床に挿した方が根の発育が早い。


✻4月頃に、5〜6号の鉢に根を傷めないように注意しながら植え付けます。


                                 (4月3日)
 

せん定後から、水に浸けておいたものを2月に挿し床に挿したものは葉も大きく、根の生育も早い。

春になると、ポット苗や開花株など様々なサイズのものが出回ります。

大きく育てたい人は庭植えにし、
大きくしたくない場合は、鉢植えにして楽しみます。

日光に当てないと徒長したり、花がつかないことがあるので、真夏以外は日差しをたっぷり当てて育てます。

真夏は暑さをやわらげるため遮光を行う必要もあります。

✪北国での主な管理、作業

❆北海道地方
10月中旬が切り戻す適期です。

太い枝を3〜4本残して切り戻し、水やりを控えて休眠状態で冬越しさせます。

生育期に入る前の4月頃になるべく、大きな鉢(直径30cm以上)に植え替えます。

春から秋の生育期には戸外に出して管理します。


❆東北地方
開花期は7月から9月です。
開花中は水切れに注意し、追肥を施します。

花が終わってしばらくした10月に地際から30cm程を残して切り戻します。

その後、室内に取り込み5℃以上で管理します。

冬の間は鉢土が乾かない程度に水やりをします。


❆南国での主な管理、作業

❆九州地方
11月中旬頃までは戸外で、満開を迎える時期です。

その花が終わった11月下旬が、切り戻す適期です。

切り戻したあと、鉢植えの株は日当りの良い軒下や室内へ移動します。

庭植えの場合は、11月下旬に切り戻して、冬越しの準備を行います。

✻関連ブログ
ダチュラ(エンゼルストランペット)
No,264


★昨年年末にせん定した樹がたくさんの花を咲かせていました。


       「2021年9月8日撮影」