緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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水曜日, 10月 31, 2018

楓、盆栽   No,15

カエデ


カエデ属は秋に紅葉する落葉中高木の総称。

種類が多く世界中に分布していますが、日本には25種類ほどが自生しているとされます。




◉鉢の中に置いた石に植え付ける「石つき」など、いろいろな樹形に仕立てることができます。

丈夫な性質で枝や幹の切り込みにもよく耐えるので、葉もの盆栽の中でも高い人気を得ています。

★カエデの中で盆栽として多く親しまれているのは、中国原産の唐カエデです。

また変種の宮様カエデ、別名台湾カエデも多用さらています。

◉設置場所

一年を通じて日当たりと風通しのよい場所に置きましょう。

冬の時期は、小枝が密生した成木は寒風の当たらない所に置いて保護します。

★水やり

水切れをさせないことが大切です。

表土が白く乾き始めたら十分に水を与えます。

春から秋にかけては多めに与え、晩秋から冬にかけては少し乾かし気味のほうが好ましいでしょう。

◆肥料

5月から10月頃(梅雨と真夏を除く)月一回ほど置き肥をしてやります。

◉剪定
幹や枝の剪定は、芽が色づく前の2月中旬~3月中旬が敵期です。
伸ばしたくない枝は、新しい芽が4枚くらい伸びたら芯芽を摘み取ります。枝として活かしたい時は芽摘みをしないでそのまま伸ばし、伸びが止まったら1、2節を残して切り詰めます。

また、葉刈りで小枝を増やすこともできます。  

新芽が固まる6月頃、大きな葉をハサミで一枚ずつ葉柄から切り取ります。

残した葉が大きくなったら再び切り取るようにします。

カエデは芽吹きがよくので、芽摘みや葉刈りを行った後、枝元や枝分かれ部分に多くの芽をつけます。

不要なものは見つけしだい、指先かピンセットで下かき取っておきます。

カエデは成長期を通じて芽が伸びるので、芽摘みは樹形の維持に欠かせない作業となります。

4月下旬頃から芽吹きが終わるまで、随時芽摘みを行います。

芽摘みによって枝の間延びを防ぎ、枝分かれを柔らかくすることができます。

同じ木でも樹芯や枝先の芽は大きくなりがちで、下枝やふところ枝は小さくなります。

◉植え替え、植え付け

2月中旬~3月中旬が植え替えに敵しています。

他の雑木類より時期が早い点に注意しましょう。




★カエデの樹形は石つきが一般的なので、大きくなるにしたがって植え替えが必要になってきます。

特にカエデは根の生育が旺盛なので、鉢の中で根が詰まると水切れを引き起こしてしまいます。

また、根が横にはり板状になった盤根を作ることも多く、その場合は特に植え替えが重要になってきます。

1~3年に一回、芽が赤褐色に膨らんでくる頃に植え替えを行います。

盤根をめざすなら、毎年一回行いましょう。

葉刈りをするものは、葉刈り直後に植え替えしてもかまいません。

鉢中に根がいっぱいに詰まったものは、根の低部を先に切り取ってから、まわりの古い用土を三分の二ほど箸などを使って取り除きます。


その後、根も同じく三分の二くらいでハサミで切り落とします。

ハサミはよく切れるものを使いましょう。

根の切り口が鋭利なほど新しい根の発生が促進される。

特に盤根づくりの場合は直根や下に向かう根を切り詰め、横根の生育を促します。

◆石つき盆栽は石の重量が加わるので他の種類よりも植え替え作業は面倒です。

石にからんだ根を傷つけないよう、慎重に作業します。

植え替え後は、日当たりがよく風を避けられる屋外の棚などで管理します。

◉病害虫

発生しやすい病気はうどん粉病。

病気が発生したら早い時期に薬剤の散布を行い、白く粉を吹いたようになった葉は切り落として処分します。

病気の予防として、冬季に石灰硫黄合剤の20~30倍液を散布するのが有効です。

  







火曜日, 10月 30, 2018

観葉植物オリヅルランについて No,14

オリヅルラン ユリ科        



(ナカフオリヅルラン)



オリヅルランは古くから親しまれている吊り鉢仕立ての斑入りの観葉植物で、夏には涼を呼ぶ鉢物として人気がある。
        

オリヅルランには、優れた機能がある。


ホルムアルデヒドと言う、超揮発性有機化合物の毒素を葉が吸着し、室内の空気を清浄する。

このホルムアルデヒドは、保存剤、防カビ剤、接着剤等の材料として多く使われてきた、古い家具から検出されたこともある。

発ガン性の最も高いランクに位置する劇物である。

シックハウス症候群。


 「ナカフオリヅルランの花、9月1日撮影」



◉オリヅルランは、NASAが行った研究で観葉植物の中では、空気清浄効果が高くかつ子どもにも安全な植物として、堂々の第一位にえらばれたエコプラントです。


また、猫草としても最適ですが、アレルギーの猫には注意、獣医に相談しましょう。

因みに、ネコが
マタタビ(木天蓼)をスリスリするのは蚊を除けるためでもある。


◉南アフリカ原産の広く熱帯に分布するユリ科の植物です。

親株から出たランナーに付く子株が、折り鶴に似ているところから名付けられたもので、名前はオリヅルランですがラン科の植物ではありません。


      (オリヅルラン原種の花)


★写真の物は、オリヅルランの原種で、ほとんど流通していない。

一般的に栽培されているのが斑入りの品種ですが、原種は斑入りではありません。

一般的に栽培、流通しているのが変種です。

斑入りの物から、斑のない緑色の子株が出ることがあります、これを先祖返りと呼んでいます。

この緑色の株からはほとんど斑入りの子株は出ません。

また、斑入りの株の種をまいてもほとんど緑色で、斑入りの子株は出ないようです。

つまり、原種は、株がない場合は種からしか出ないたと言うことです。

また、ランナーの色が緑色で原種と同じである、外側に斑入りのソトフオリヅルランが原種が出やすいように思えます。



       (ソトフオリヅルラン)


◉特徴と性質

多肉質の根が水分を蓄え乾燥に強いのが特徴です。

茎はなく、長さ20~40㎝の葉を10~20枚出し、その間からランナーを十数本も出し、たくさんの子株が吊り下がるように付く。

子株は根を出し、切り離して殖やせます。

親株も株分けで殖え、繁殖力は旺盛です。

★やや耐寒性があり5℃で越冬しますが、葉が傷みます。

室内で10℃以上あれば傷まず観賞できるでしょう。


◉日光を好む植物ですが、斑入りの種類は強光線で葉焼けしたり、黄ばんだりします。

遮光をするか、置場所を考えて室内ではエアコン、扇風機の風などに当たらない場所に置きましょう。

水分不足でも、日が強く当たり過ぎても葉の色が薄くなってきますので置場所を変えるか、水やりをするかの判断をしましょう。

◆植え替え後の置場所と手入れ
たっぷり水を与え、一週間程度半日陰に置き土の表面が乾くまでは、水やりを控えます。

葉に霧水をまいて葉の乾燥を防ぎ、活着を助けます。


        「オリヅルランの苔玉」


苔玉にする場合は根の成長が早い為、ケト土よりも水ゴケなどでくるんで育てる方がよいでしょう。

ケト土の場合、根の生長過程でひび割れてしまいます。

その後、崩れてしまう原因になってしまう。

どちらかと言えば、苔玉には不向きと言えるかも知れません。


◉植え替え

白い根は保水力があり、成長も旺盛で自分の根で株を押し上げたり、時には鉢を割ることもあります。

毎年4月~8月に植え替えます。
鉢は深い鉢がよいでしょう。

★赤玉土4:腐葉土3:川砂3のように、排水のよい土に暖効性化成肥料を適量混ぜて使います。

◉肥料

5~8月は月一回、暖効性化成肥料又は固形油粕を適量与えます。

参考ブログ
No.42ソトフオリジナルラン
No.50オリヅルラン(原種)









月曜日, 10月 29, 2018

盆栽ウメ〈梅〉 No,13

                              「斜幹」

◉特徴
盆栽で楽しむウメには、野生種を基本にした野梅(やばい)と、接ぎ木苗を基本にした品種ものがあります。

幹ぶりの面白さを早く出すには野梅、充実した花を楽しむには品種ものが適しています。

管理場所
風通しと日当たりのよい場所で管理します。

正月に室内で観賞した場合は、芽が動き出す前に、早めに元の管理場所に戻すことが大切です。

水やり
鉢の表土が乾いたら、その都度たっぷり与えるようにします。

春、秋は午前中にⅠ~2回、7~8月は夕方にも水やりします。

梅の花つきは、夏場の水加減で決まるともいわれています。

毎日鉢土の様子をよく見て、適度な水やりを心がけましょう。

また、花が咲いている時は、花に直接水がかからないよう注意し、幹元に近いところから水を与えるようにします。

★開花期以外は、樹芯からたっぷり水をかけてもかまいません。

◆整姿
花後に新芽が出たら、古枝は2~3の葉芽を残して切り、樹形を整えます。

新芽はそのまま十分に伸ばしてから、先端を切りつめます。

花芽は、この枝につきます。

また、株元には不定芽が出やすい性質があります。

★樹形が乱れる元になるので、不要なものはすぐに切り取っておきましょう。

枝が暴れやすいので、よりきめの細かい剪定が必要になります。

施肥
花後、新芽が出たら、梅雨に入るまでの間に、固形の有機肥料または配合肥料を月一回与えます。

また、樹勢をみながら必要に応じて9月~10月に追肥をします。

植え替え
原則として、若木の場合は毎年、成木の場合は2~3年に一回を目安に植え替えを実施します。

植え替えの時期は!早春の2月下旬~3月が最適ですが、まだ花が残っているものは、花が終わるのを待ってから行います。

植え替えの用土は、一般に、赤玉土と桐生砂を8:2~7:3割合で混ぜた混合土をもちいます。

◉病虫害
花木は、害虫がよく発生します。

特にウメの場合は、つばみや芽を食い荒らすウメクンガの発生に注意しましょう。

ウメクンガの予防には、スミチオン、マラソンなどの薬剤を所定の倍率に従って希釈したものを月にⅠ~2回散布します。



イチイ〈一位〉盆栽編 No,12

イチイ


                         「模様木」

◉イチイが自生するのは、関東地方以南で、飛騨産のものが特に有名。

昔の役職で位の高い貴族が持つ笏(しゃく、杖のようなもの)の材料にされたことから、一位の位にちなんで名づけられたと言うことです。

幹の一部が白骨化したものを「シャリ」または「サバ」といいますが、一般には表面のなめらかな場合は「シャリ」落雷などで幹が裂けた風情のものを「サバ」と呼び分けることが多いようです。


                  「双幹、舎利幹」


◉線状の針葉が互生し、整然と水平に配列しているのがイチイの大きな特徴。

同種のキャラボクは変種で葉の並びが不規則なので、容易に区別できます。

生長が極めて遅い樹種。

★大幹の樹木全体に見事なシャリが出ているのが最大のポイント。

自然樹形でこの様な幹ぶりになるには、想像を絶する歳月を要する。

盆栽としてもここまで仕立てるには、何代にもわたる培養が必要です。

単幹や双幹、模様木やシャリ幹など、様々な樹形で楽しむことができます。

雌雄異株で、雌株は秋に美しい赤い実なりを楽しむこともできます。
           
                    「キャラボク」

設置場所
半日陰でもよく育ちますが、基本的には年間を通して日当たりと風通しのよい場所に置くようにします。

真夏はよしずなどで遮光し、葉焼けを防ぐようにしましょう。

耐寒性は非常に強い樹種です。


水やり
多くの水分を好む樹種です。

鉢の表土が乾いたら、樹冠の上からたっぷりと水を与えます。

特に新緑の5月から10月までは、雨の多い梅雨時を除き1日に二回、真夏は1日3回を目安にします。

この時期の水不足は根が干からびる原因にもなるので注意が必要です。

気温が下がる夕方に霧吹きなどで葉水を与えると、芽吹きがよくなります。


肥料
5月から10月の生長期間中は、養分を絶やさないようにすることが大切です。

新芽が伸び出す前の3月下旬頃から10月いっぱいは、梅雨時と真夏を除き、毎月、油粕などの有機肥料を置き肥します。

養分が豊富だと、樹勢の強い枝は不定芽(胴芽)が出やすくなり、早く小枝を吹かせてイチイ独特の細かい葉が密生した樹形を整えることができます。


剪定
小枝を細かく密生させることごがポイントです。

新芽が伸び始めたら、順次芽摘みを行います。

5月の中旬頃から、古葉の先についた新芽が盛んに伸びます。

伸びてくる順番に指の腹で新芽を押さえるようにして先端部を引き抜くように摘み取ります。

芽元は樹勢に応じて二分の一から、三分の一ほど残すようにします。

特に勢いよく伸びている強い芽は、根元から摘み取り、二番芽を出させるようにします。

樹勢に応じて、摘み方を変え、全体の枝のバランスを調整していく。

通常の剪定は、樹形を乱す込み枝、徒長枝などの不要枝を切りますが、太枝を切る場合は、枝元を少し残して樹皮を削り、ジン(樹皮が剥がれて自然に枯れたようにした枝)に仕立てると風情が出ます。


植え替え
鉢中に根が回って鉢穴から根の先が出ていたり、水をやっても鉢土にあまり吸い込まれず、外にこぼらてしまうような状態になったら、植え替え時と判断します。

若木は3年に一回、成木は3年~5年に一回を目安に植え替えます。

時期は3月中旬から4月上旬の春植えが一般的ですが、10月上旬の秋植えもできます。

秋に根詰まりに近い状態になった場合は、春を待たずにこの時期に植え替えた方がよいでしょう。

◉用土は赤玉土8、桐生砂2の混合土が一般的です。

細根が少ないので、植え替え時は濡れた布巾などで根を覆い乾かさないようにし、手早く行います。


★病害虫
丈夫な樹種ですが、根が乾燥したり樹勢が弱まると、カイガラムシが発生することがある。

予防として、カイガラムシの活動が鈍る1月~2月、発生したときはその都度、薬剤を散布します。

石灰硫黄合剤の20~30倍液が効果的です。

初夏に発生した場合は、その都度かきとります。

大量発生の場合はスミチオン乳剤などを散布します。

薬剤は鉢にかかると変色することがあるので、新聞紙などで覆い、必要な部分だけにかかるようにします。

また、鉢を傾けると根に薬剤がかかるのを防ぐことができます。







木曜日, 10月 25, 2018

ヤマモミジ No,11



モミジはカエデ属
の樹木の総称。

園芸では葉の切れ込みの深いものをモミジと呼びます。

秋に紅葉する物だけでなく、春に深紅の新葉を出し、夏に緑化し、秋に軽く紅葉して落葉する品種もある。

◉美しいヤマモミジは、雑木盆栽の中でも特に人気の高い樹種の一つです。

設置場所

春と秋は日当たりと風通しの良いところに置きます。

植え替えたばかりの鉢は、十分に根付いていないので、強い風に当てないように注意する。

4月になっても霜が降りることがあるので、寒い日はモミジをはじめ、新芽が出たばかりの雑木類は棚下や室内に取り込むようにしましょう。

葉が焼けるときれいな紅葉にならないので、梅雨明けから9月上旬までは半日陰に置きます。

水やり、肥料

表土が乾くたびに十分に行います。

4月は発根が盛んになり、乾きやすくなるので注意。

晴天の日は土の様子を見ながら、一日にⅠ~2回与えます。

夏は3回が目安です。

★肥料は中旬以降から5月にかけて玉肥を与えます。

5号鉢で3~4個が目安。

8月の下旬から10月までの間も、各月一回ずつ施肥を行います。

◉植え替え

芽がほころび始める直前の3月~4月が植え替えの摘期。

若木は毎年、成木は2年~3年に一回。

葉が開きはじめてからの植え替えは、木を傷めるので翌春まで待つか、新梢の伸びが止まる6月(梅雨期)に葉刈りをしてから植え替えます。

★用土は

赤玉土、桐生砂の7:3の混合用土を用いるのが一般的です。

◆芽つみ

4月になって気温が上昇し、芽が伸び出した時期に芽つみをしないで放置すると長く伸びて節と節の間が長くなり、樹形が乱れてしまいます。

地方によって異なりますが、4月上旬~中旬にかけて、芽が膨らみかけた頃に早めに芽つみを行いましょう。

芽は指先で摘んでも構いまさんが、込み合っている部分は小枝を傷めないようにピンセットやハサミを使った方が無難です。

◉古木になるほど害虫の被害を受けやすくなります。

月一回、スミチオンなどで消毒するとよいでしょう。

 







マンリョウ(万両) No,10

マンリョウ ヤブコージ科 (万両)




マンリョウはヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑小低木


原産地は日本を含む東南アジア一帯の暖地帯。

日本では関東地方以西の本州、四国、九州、沖縄に幅広く分布している。

主に半日陰地に生息します。

晩秋から冬にかけて鮮やかな赤い実がなることから、センリョウ(千両)やカラタチバナ(百両)ヤブコウジ(十両)などと共に、正月を飾る縁起木として親しまれている。

◉万両な表記が定着したのは文政年間(19世紀前半)で、カラタチバナの中国名「百両金」に対応したと言われています。

それ以前は「万竜」「万量」と書いていました。

ちなみに千両と書くようになったのも同時期で、「千蓼」と書いていました。

★7月頃に小さな白色5弁花(写真)を傘状に下垂して咲かせますが、昼に咲いて夜に閉じる一日花で観賞の対象になるのは少ない。



◉葉の下に隠れるように結実する直径六ミリほどの果実は、11月頃に熟し、翌年の3月頃までの長期にわたり楽しむことができる。


千両などと組み合わせて縁起物として用いることが多く、古くはモッコクの根元にマンリョウ、センリョウを植栽し「千両、万両、持ち込む」と読ませて縁起を担いだそうな。

★四国地方ではアカネ科のアリドオシ(これも赤い実がなり、1両の別名がある)とセンリョウ、マンリョウを寄せ植えにして「千両、万両、有り通し」と称して縁起を担ぐ風習があります。

◎「万両」の表記が定着した江戸後期から品種改良かを盛んに行われるようになり、50種類以上の園芸品種が作出され、オオミマンリョウ、黄色を帯びるキミマンリョウのほか、黄の覆輪が入る斑入り種もある。


代表的な品種に、果実が白いシロミノマンリョウ、葉が丸く先端が反り返るオキナジシなどがあります。


生育管理

半日陰で水はけのよい腐植質に富んだ場所を好む。

土質は特に選びませんが、乾燥をきらいます。

暖地性の植物ですが、冬期に株元のマルチングやワラボッチなどで防寒対策を施せば、東北地方でも庭植えが可能です。

北海道では鉢植えで楽しみ、冬期は室内に取り込むようにしましょう。

〇植え付けは大きめに植え穴を掘り、完熟堆肥を十分にすき込んで植え付け、支柱で支えます。

根鉢の土をできるだけ崩さないようにし、乾燥に十分注意しましょう。

大株の移植は困難です。

また、連作障害を起こしやすい傾向があるので、一度他の植物を植えていた土への植え付けは避けた方が無難です。

★植え付けの摘期は暖かくなる4月~5月、及び9月。


◉肥料は、骨粉や草木灰、油粕などを混ぜた有機肥料を寒肥とし2月頃に株元に与えます。

実つきが悪い場所はリン酸、カリ分を多く含む肥料を少量混ぜます。

※3月に芽出し肥として有機質肥料を施す。

剪定
幹が直立し、あまり枝分かれしない。

大きくなると下枝が落ちて間延びするので、4月~5月にかけて高くなった茎を好みの位置で切り、新しい枝に更新します。

花芽は本年枝の頂部につき、翌年わずかに新梢を伸ばして開花結実します。

地際の短枝や樹形を乱す枝を切り、随時新しい枝に更新するようにします。




★殖やし方
実生は3月に、よく洗った川砂などにまき、3~4㎝ほど水ゴケなどをかぶせて管理します。

挿し木は3~6月に、充実した前年枝の先端部を3~4㎝に切ってさし穂とし、切断部に発根促進剤を塗り、水ゴケで包んでから湿った川砂にさします。

◉2年ほどで開花、結実。




★毎年頂芽が伸びるため、株が古くなるとともに幹下がガラ空きになる。

このような木には高低差をつけて数本寄せ植えするとよい。






火曜日, 10月 23, 2018

植物の大気吸収のメカニズム No,9

植物の大気吸収のメカニズム


私たちが住む地上の大気は、人間の活動が生み出す様々な物質によって汚染されています。

植物が私たちに貴重な酸素を提供してくれていることは周知の通りですが、植物は同時に様々な汚染物質を吸収しています。

有害物質を吸収し、大気を浄化する能力の高い樹種を庭などに植えることで、私たちの住環境を少しでも改善していきたいものです。


                         (吉野桜)


桜は花が美しいだけではなく、大気浄化能力も優れています。



桜には大気浄化能力があると言う話を、嫁さんにしたら、じゃぁ~我が家は空気がきれいだね( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆って!オリヅルランもたくさんあるし😃

そうそう、オリヅルランは観葉植物の中では、空気浄化作用がNO1なんだよね。

オリヅルランについては別枠で投稿しています。


植物の大気吸収のメカニズム

植物は葉の裏にある無数の気孔から大気中の二酸化炭素を吸収し、光合成(炭酸同化作用)により、生命を維持するために必要な有機化合物を合成します。

その際、私たちが生きていくために欠かせない酸素が発生し、大気中に放出されるわけです。


そして、植物は二酸化炭素を吸収するときに、大気中の汚染物質も一緒に気孔から取り込んでいるのです。

一般に大気中の汚染物質には、一酸化炭素、亜硫酸ガス、二酸化窒素などの窒素酸化物、炭化水素などのガスや浮遊粉塵があります。

光合成に必要な二酸化炭素や大気汚染物質な吸収能力は、植物の種類によって異なります。


植物には吸収した汚染物質を解毒する自浄作用の能力があります。


取り込んだ汚染物質を解毒できないと、植物の体内に汚染物質が蓄積されていきます。

許容量を越えると障害を引き起こ
し、やがては枯死してしまいます。

この汚染物質に対する自浄作用能力も植物によって異なります。





◉一般に、汚染物質呼吸能力が高
く、葉の量が多い植物ほど、大気浄化能力は高いと言えます。

そのため、春から秋にかけては、光合成をより活発に行う落葉樹の方が、常緑樹よりも汚染物質の吸収能力は高いと言うことになります。


特に大気汚染の吸収能力(浄化能力)
が高い樹種は、エノキ、センン、
キリ、ケヤキ、ムクゲなどです。

次いで、サクラ、ユリノキ、カキ、クヌギなども高い吸収能力を持っています。

◉落葉樹は冬期に落葉してしまうため、一年間を通して見た場合は、常緑樹の方が落葉樹よりも葉量が多いといえます。

集中的に大気浄化の能力を発揮するのは落葉樹、通年で安定した効果を発揮するのは常緑樹と言うことがいえます。

常緑樹の中でも、マルバユーカリ、ヤマモモなどが比較的高い浄化能力を持っています。

★大気汚染に対する抵抗力が強い植物は、汚染物質をあまり吸収しないことが要因と考えられています。

一般に、落葉樹より常緑樹の方が大気汚染に対する抵抗力は強い傾向にあります。




◆オリヅルランについてのブログ
観葉植物オリヅルランについてNo,14
ソトフオリヅルランNo,42
オリヅルラン原産No,50








月曜日, 10月 22, 2018

マユミ(真弓)盆栽管理について No,8


マユミの盆栽管理


マユミは日本原産の落葉低木です。

初夏に淡緑色の小さな4弁花をたくさん咲かせます。

秋は美しい紅葉🍁が楽しめるほか、落葉する頃にピ

ンク色の果実が成熟して裂け、真っ赤な種子をのぞかせます。

幹肌も荒れて渋い味わいがあり、秋の風情を満喫で

きる雑木盆栽として親しまれている。

自生地は北海道から九州までの日本各地に分布して

いますが、渓谷沿いなど水の条件のよい場所に生育しています。

ニシキギ科ニシキギ属に分類され、ヤマニシキギの別名があります。

幹、枝、葉ともニシキギとよく似ていますが、ニシ

キギは若枝の側面にコルク質の翼が発達するのに対し、マユミはありません。

「真弓」と表記しますが、その木材から弓を作ったためと言われています。

材質は軽く、粘り強い弾力性があり、建築材や器具

材、彫刻材などに使われています。

また、若葉は食用にもされていたようです。

雌雄異株で、自家受粉の確率は低いので、結実を楽しむには2株必要です。



設置場所

樹勢は強く、耐寒性もあります。一般的には日当た

りがよく風通しのよい、戸外の棚上などで管理するのが理想です。

ただし、時期にもよりますが水分を多く必要とする

ので、日当たりがよすぎたり、乾燥しやすい場所では生育がわるくなります。


開花中は、雄株、雌株を一箇所に集め、自然交配を促します。

冬期は、関東以西の地方であれば北風の当たらない

軒下などで十分ですが、小枝が充実している成木

は、1~2度霜に当ててから保護室に取り入れるようにしましょう。


水やり、肥料
芽だしから成長期の夏までは、たくさんの水分を必

要とします。その後は、あまり水を吸わなくなります。
水不足や水の与え過ぎは根腐れの原因となるので注意が必要です。


◉生長期には、表面が乾いたら鉢底から水が流れ出すまでたっぷり水を与えます。

★開花期は、花に水がかからないように注意しながら、1日1~2回与えます。

〇秋から冬の休眠期は、鉢の表面が乾いたらその都度、水やりをするようにします。

◉肥料は、開花してから実がしっかりととまるまでは不要です。
結実したら有機質の固形肥料(玉肥)を置き肥します。

施肥の期間は開花前の2~3月と、秋9~10月が目安です。

リン酸、カリ分の多い肥料を与えます。

剪定、整姿
花芽は、短く充実した前年枝につきます。

今年伸びた長い枝にはほとんどつきません。

実をよく成らせるためには、12月~3月上旬までに

花芽のついていない長い枝を付け根から切り取ります。

付け根から切ると樹形が悪くなる場合は、基部の3~5芽ほど残して切ります。

混み枝を整理して内部まで日が当たるようにし、風通しをよくします。

また、マユミやニシキギは不定芽がよく出て樹形が

乱れやすいので早めにかき取るようにします。





植え替え
植え替えは、春植えと秋植えがありますが、一般には春植えが理想です。

用土は現在植えられているものと同じものを用います。

一般的なのは赤玉土、砂、腐葉土などの混合土です。

植え替え前に、徒長枝や混み枝を切って整姿し、植え替え後の負担を軽くします。

同時に、鉢底の土を少し切り崩して根を切り詰め、元気な根に更新します。


根張りが乱れている場合も、この時に整姿しておきます。

植え付け後は、鉢底から抜け出る水がきれいな水になるまで、たっぷりと灌水します。

植え替えの目安は2年から3年に1回ですが、鉢が

大きすぎると実つきが悪くなるので、生長の度合いにあわせて行うことが大切です。






ジンチョウゲ (沈丁花 ) No,7

ジンチョウゲ  「沈丁花」

常緑広葉樹

早春に咲く花の代表種で、甘い香りを漂わせる。

暖地性で、日当たりと排水のよい腐植質の多い土質がよい。

強い風と西日をさえぎるようなところがよく、水はけの悪いところでは根腐れが起きやすい。

幼苗は別として、性質は丈夫ですが成木の移植は直根性のため難しい(ほとんど不可能とされている。

代表品種


シロジンチョウゲ、ウスイロジンチョウゲ、フイリジンチョウゲなど。

◉半日陰でも育つ樹種で、それほどの手入れは必要ありません。

自然に放置していても形が丸みをおびた樹形になります。

しかし、庭に植える木としては寿命が短く、せいぜい10年もたちますと自然に枯れてしまいます。


★剪定

放任していても、樹形はよく整いますのでとくに必要ありません。

大きくなりすぎた時は、花後に徒長枝や全体を刈り込み、強い剪定はさけます。




◉肥料(施肥)

冬の元肥に、堆肥と化成肥料を混ぜて株まわりに埋め込みます。

成木の場合で、堆肥スコップ3杯ぐらい、化成肥料300㌘とします。

5月から6月に、化成肥料を根元にばらまく。成木の場合で、リン酸カリ分の多い化成肥料を300㌘

9月ごろに油粕に少量の化成肥料を混ぜ、株元にすきこむようにします。
成木の場合で、油粕500㌘、化成肥料300㌘


◉病害虫

ほとんどありませんが、たまにアブラムシが発生する。
根腐れ病が発生する。

★ジンチョウゲの根は直根性といって、地面に真っ直ぐ根をおろします。

このような根を持つ植物の移植は難しいのですが、ジンチョウゲに多い根腐れ病は、根に病原菌がつき根を腐食させるので、木はまず樹勢が衰え枯死してしまいます。

根腐れ病は、地下で起きますので、まずこの病気の発生を疑ってみるとよいでしょう。

★予防と対策

春から夏にかけてアブラムシが発生したら、マラソン乳剤1000倍液を月に2~3回散布してあげます。

多くの病気は、病原菌が原因で、また害虫は産卵を繰り返します。

病気に侵され落葉した葉や、害虫の越冬場所になりやすい落葉や枯れ枝などは、きれいに集め焼却する必要があります。

病害虫の再発防止の為にも落葉や枯れ枝などの焼却や、清掃を行いましょう。









木曜日, 10月 18, 2018

クチナシ(アカネ科) No,6

クチナシ 落葉広葉樹

本来は山地の林縁などに自生する。

自生地は関東以西になります。

もともとクチナシは熱帯性の樹種です。

しかし、露地植え(庭になどじかに地面へ植えること)なら東北南部、鉢で育てる場合は、冬季に室内で管理すれば北海道でも育てられます。


代表品種★八重クチナシ、大八重クチナシ、コクチクチナシ、フイリクチナシ。




熱帯アジアや南アフリカで自生していたものが18世紀にヨーロッパへ広がり、その後日本に広まったものと言われている。



独特の香りを漂わせることから、ヨーロッパでは恋人へ贈るはなとして絶大な人気があり、中国でも桃に次いで好まれている花です。

花は盛りを過ぎるとクリーム色に変化する。

熟しても口を開かない果実がクチナシの語源で、8月頃から熟す果実は、黄色の染料や吐血、利尿の生薬としても利用される。

甘い香がする「三大香木」のひとつである。

半日陰で肥沃な土壌を好みます。

浅根性なので水持ちのよい土壌の方がよく育ちます。


肥料を多く必要とする樹木ですから、毎年2月に堆肥を株元に埋め込みます。

また、その後新芽の伸びが悪いようであれば、有機肥料を2握りまいておくとよいでしょう。

肥料の与え過ぎには注意しましょう。


◉剪定
クチナシは横に枝を伸ばす性質があるので、自然樹形は楕円形に近い形になります。

この特性を生かし、玉仕立てにするとよいでしょう。

造形のものは刈り込んで形を整えていきますが、翌年の開化を楽しむためには、7月一杯に作業を終らせます。

生け垣の場合も刈り込む時期は同じです。




クチナシの殖やし方


開花時の6月から7月が敵期で、今年伸びた枝を頂部から12~15㎝の位置で切り、鹿沼土か赤玉土を敷いた鉢に挿します。

半日陰で風通しのよい場所に置き、春まで生育させて、3月に植え替えると2~3年で花が楽しめます。




◉挿し木したものを苔玉盆栽にしたものでこの状態まで約一年。

苔は最初、根元の部分だけ這わせて、徐々に自然に這わせたものです。

定期的に2000倍液肥を与えています。

夏場乾燥が激しい時は、バケツに水をはりその中に入れてブクブクとあわがなくなるまで数分間浸けておく。

苔は、乾きを見ながら、霧吹きして管理すれば良いでしょう。

受け皿に水を注いでもいいですが、根腐れに注意しなければいけません。

葉の色が、黄変したりする場合は、水やりが多い場合と日光不足が原因と考えられます。

水持ちが悪くても黄変する場合もあるので判断が難しいかも知れません。

置場所も十分理解して、育てることが大切でしょう。








金曜日, 10月 12, 2018

楓の苔玉 No,5

カエデの苔玉



いつの間にか、こんなところにシダが(..)……なぁ~んでか?知らない(^_^;)

自然に生えて育ってた!自然はいいなぁ~😃苔も自然に這えてこの状態までになった。

ここまで苔が這うのも、何ヵ月もかかる。これから先このシダ君は、どの様に育って行くんだろうなぁ~( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆


しばらく観察することにしよう。

年越し出来るか?ちょっと不安ではある。

自然に生えて来ただけに、自然に絶えてしまうかも知れない(..)







火曜日, 10月 02, 2018

ハクチョウゲ (白丁花) No,4

ハクチョウゲ

     アカネ科

別名=ハクチョウボク、コウチョウゲ、バンテイン
原産地=台湾、中国、インドシナ




花木として観賞されるよりは、生垣や花壇や道路の縁取りに利用される事が多い。

土質を特に選ばず、日当たりのよい所ほどよりよく育つ。

放っておくと枝葉が密生して形が乱れるので、初夏から秋にかけて、時々せん定を行う。




◉肥料
油粕、化成肥料などを与える。

ハクチョウゲと言う植物。

よく似た物は、アベリアと言う植物で街路樹としてよく植えられている。

種類も多く類似してる物も多いので、判別が少し難しい品種です。

挿し木から育てたハクチョウゲ。

小鉢に入れ小品盆栽として育てる。

来年には小さな花が咲くことでしょう。



                 「ハクチョウゲ苔玉」

◉殖やし方
挿し木で殖える。(5月~6月)
株分けもできる。

◆せん定時期は7月~10月

園芸品種に、花の色や形の異なるムラサキハクチョウゲ、フタエハクチョウゲ、ヤエハクチョウゲ
斑入り葉のフイリハクチョウゲがある。