緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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木曜日, 2月 14, 2019

モミジ葉系ゼラニウム(花美=ハナビ) No,131

ゼラニウム(ハナビ)

◉花色は赤系、ピンク系の二種ある。

冬場の管理場所によって、紅葉する。

モミジ葉系のゼラニウムは、紅葉する。



◉ハナビの苔玉、乾燥ぎみに管理するので、苔の色が茶色くなるが、湿気を保ちながら管理すれば緑色になる。

冬場なのでこの状態で、少しの湿気を与える程度で管理した方が、根腐れしにくい。

少しでも水を与え過ぎると、株によって差はあるが、根腐れを起こして枯れてしまう。

見た目では、わからない場合は、根元辺りの茎をよく見ると黒くなっていることがある。

その場合は、すでに根は腐っている。

上部が生きた状態であれば、腐ったところから切り取り、穂木にします。

切り口をしばらく乾燥(2、3日)されてから挿し木するとよいでしょう。

少し萎れていても、だいたいの穂木は復活してくれる。

挿し木後は、水を与え過ぎないように、乾燥ぎみに管理します。

葉を取ったした辺りで切って挿すと、根が出やすい。

                      ハナビ(ピンク)


                            ハナビ(赤)


                   モミジ葉ゼラニウム






水曜日, 2月 13, 2019

冬管理栽培中の幼苗、苗木 No,130


◉キャラボクの苔玉盆栽、万両の鉢植え苗木等、苔玉は、冬場でも湿気をなるべく保ちながら管理、このキャラボクの苔玉は、自然に苔を這わせてる状態のもの。



春はまだかな。


◉ゼラニウムの幼苗。
管理する場所によって、葉の色が違う。

もみじ葉系ゼラニウムは、冬場の管理する場所によっては、赤系に紅葉する。

しばらくの間、半日陰の室内等で管理すれば、葉の色も緑色に変化してくる。

緑色を保てる環境のほうが、株も元気に育てられると思う。

やはり、出来る限りの寒風は避けた方がいい。

乾燥ぎみで育てます、長雨を嫌うのがゼラニウムです。



◉苔玉、盆栽用の幼苗(挿し木)

マキ、サツキ、ヒイサギ、キャラボク、ハクチョウゲの苗木。
挿し木してから一年経過。



火曜日, 2月 12, 2019

土の基礎知識  No,129

よい土とは、どんな土なの?

通気性がよい事が重要

よい土の条件として最も大切なのが通気性です。

根は空気(酸素)を吸って、二酸化炭素を出しています。

みじん(微小の粉塵)が多く、土の粒の間にすき間がないと、新鮮な空気が土の中に入らないので、残った二酸化炭素で根が酸欠を起こして、窒息する。

この状態が長く続くと根腐れを起こす原因になります。

土の通気性をよくするには、気相率の高い腐葉土、パーライトなどを少し多めに配合します。

特に粒子の細かい黒土、真砂土は腐葉土などを必ず加えて、通気性や排水性を改良する必要があります。

通気性がよい土とは、主に乾きやすい土のことです。

その分、水やりの回数は増えますが、新鮮な空気をより多く土中に送り込むことができるので、根の生育は促進されます。

◉植え付けや植え替えでは、鉢が大きすぎると土が乾きにくく、通気性が悪くなるので、根鉢よりも一回り大きな鉢(直径で3㎝程度)を目安にします。

草丈が低く、根の張りが浅い草花類は水が停滞し、水はけも悪くなるので深鉢は避ける。

排水性に富むこと

与える新しい水には、空気(酸素)が多く含まれているので鉢土の表面が乾いてきたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えることが基本です。

これは新しい水を土に供給するとともに、古い空気を新しい空気に入れかえるのが目的です。

このような水やりを続けることで根の量が増え、植物の生育がよくなります。

水やりしてもなかなか水が染み込まず、鉢底で停滞して水はけの悪い土は、新鮮な酸素を供給できずに根腐れの原因になります。

排水性をよくするにはみじんを除き、土の粒の大きさをなるべく均一にします。

基本用土に赤玉土小粒を使用する場合は、有機物(腐葉土、ピートモスなど)は粒子ではないので別ですが、軽石やパーライト、鹿沼土、日向土などの改良用土も、赤玉土小粒に粒を揃えます。

6号鉢以上の鉢では、鉢底に鉢底石を敷きます。

適度な保水性があること

軽石や川砂のような石の粒では、赤玉土のような粒の中に水を含まないため、すぐに乾燥してしまいます。

土が乾燥して植物が萎れて、慌てて水を与え過ぎることを繰り返すと、根(細根)が傷んでよくありません。

通気性や排水性がよく乾きやすいが、急激に乾燥しない土がよい土です。

ベランダなどの乾燥しやすい場所では、急激な乾燥を防ぐために、保水性のあるバーミキュライトや腐葉土などを配合します。

土の上に水ゴケなどを敷き詰めても水分の蒸散を防ぐ効果があります。

保肥性があること

せっかく肥料を与えても、水やりや雨で鉢底から肥料分が流れ出てしまっては、根から栄養分を吸収することができません。

土が肥料を保持する性質を保肥性といいます。

保肥性の高い赤玉土などは、肥料成分をつかむ手が多くあります。

反対に、保肥性の低い砂などは手の数が少ないので、肥料成分をつかみにくい。

ただし、赤玉土や鹿沼土、黒土のような火山灰土は、肥料のリン酸成分を根から吸収しにくくする性質がある。

そのため、火山灰土を基本用土として使用する場合は、リン酸成分を多く含む緩効性の元肥を使うようにします。

真砂土も火山灰土ほどではありませんが、ある程度リン酸を固定するので、リン酸を多く含む元肥を入れます。

有機物を含むこと

赤玉土の基本用土に混ぜる腐葉土や堆肥などの有機物は改良用土といわれます。

油粕や鶏ふんなどの有機質肥料とは異なり、土の通気性、排水性、保水性、保肥性を改良する働きがあります。

さらに、土の中の微生物の働きを活性化し、間接的に根の生育に役立つため植物の肥料ではなく、土の肥料と言うべきものです。

◉特に、腐葉土は保肥性が高く誤って濃い肥料を与えてしまっても、高濃度によるショックを和らげる働きもあります。


重すぎず、軽すぎない土

土が軽すぎると株が倒れやすく、特に植え付け直後は水やりなどで株が安定しません。

初期の根の生育も悪くなります。

重すぎる土は細かい土が多く、通気性、排水性が悪くなり、やはり根の生育によくありません。

一般に、1㍑につき400㌘~600㌘が適度な土の重さの目安になります。

バンキングバスケットの土はそれよりも少し軽くします。

野菜やバラのように草丈のある植物は少し重くします。

弱酸性であること

サツキ、アジサイ(青色)ブルーベリーなどの酸性の土を好むもの、アジサイ(紅色)のように中性から弱アルカリ性の土に植え付ける植物もありますが、一般に多くの植物は弱酸性(pH5.5~pH6.5)の土が生育に適してます。

アルカリ性が高い土は、土の中に鉄やホウ素などの微量要素が含まれていても、根から吸収されにくく欠乏症を起こしがちです。


反対に酸性が強すぎると、根が生育障害を起こしやすくなります。

また、鉢やプランターの古い土は酸性になっている場合が多いので、再利用する場合は、石灰を混ぜます。

アルカリ性の土には、酸度未調整のピートモスを混合して調整します。

清潔であること

病原菌や害虫、害虫の卵、雑草の種などが混ざっている土は、植物の生育障害となります。

室内で育てる観葉植物などの土も、カビや小バエなどが発生しないように、ほぼ無菌のピートモス、バーミキュライト、パーライト、赤玉土などを混合して、元肥も有機質肥料を避け、化成肥料を使用します。




月曜日, 2月 11, 2019

球根の植え付け  No,128

球根の植え付け


球根には秋に植えて、早春から初夏にかけて花を咲かせる秋植え球根、春に植えて夏から秋にかけて花を咲かせる春植え球根などがありますが、植え付けの基本方法は同じです。

球根の種類はたくさんあり、それぞれ形も違います。

球根を植え付ける時の深さはとても重要なので、注意して植えるようにしましょう。

球根を植え付ける深さの目安(鉢植えの場合)

植物深さ    (地表から球根の上端)

球根アイリス          約2㎝     

アネモネ             2㎝~3㎝

アマリリス          球根の頂点が地面に少し出る出る程度

アルストロメリア       約3㎝

カラー            1㎝~2㎝

カンナ            3㎝~5㎝

グラジオラス         球根の3倍ほどの深さ  

クロッカス          球根が隠れる程度

ジンジャー          約10㎝

スイセン           球根が隠れる程度

スノーフレーク        約5㎝

ダリア            約3㎝

チューリップ         球根の倍ほどの深さ

ハナニラ           球根の倍ほどの深さ

ヒヤシンス          球根の頂点が地表に少し出る程度

フリージア          2㎝~3㎝

球根ベゴニア         球根が隠れる程度

ムスカリ           球根が隠れる程度

ユリ             約5㎝

ラナンキュラス        1㎝~2㎝

◉花壇などの地植えの場合は、球根の3倍の深さ、つまり球根の高さの2倍の土をかけるようにする。

ただし、ユリの場合は、球根の4倍かにら5倍(15㎝~20㎝)に植えるようにする。

ユリの場合、根が球根の上部からも出るからです。

浅く植えると株が安定しない、グラグラする原因になるからです。

  
 

     

アマリリス  No,127

アマリリス 

別名ヒッペアストラム

ヒガンバナ科秋植え球根 

花言葉=おしゃべり


ギリシャ語で「輝く」という意味のアマリリス。

その名の通り大きく鮮やかな花が咲く、古くから親しまれている球根花です。

球根をまとめて植えると、花壇でも鉢植えでも、ボリュームのある花を楽しむことができるでしょう。



◉植え付け時期

10月~11月、3月~4月頃、5号鉢以上の鉢に水はけのよい土を入れて元肥(緩効性肥料)を与え、球根の頭が出る程度に浅く植え付けます。

10日前後は乾燥気味に管理し、その後は土の表面が乾いたら水を与えます。



◉肥料

日当たりのよい場所で育て、生育期間中は月に2~3回液肥で追肥します。




管理

夏場は風通しのよい半日陰で涼しく管理、冬は暖かい室内で育てるようにします。

植え付けて3年たったら植え替えるとよいでしょう。

殖やし方は3月頃に分球します。








日曜日, 2月 10, 2019

土壌動物の働き No,126

土壌動物の働き

落葉、落枝の粉砕

落葉の一連の分解過程に複数の土壌動物が関与している。


落ちて間もない落葉は硬くて乾燥しており、ワラジムシ、オカダンゴムシ、ササダニ、ミミズなどの一次分解動物によって摂食、粉砕される。

通常一次分解動物では、炭水化物、脂肪、たんぱく質は消化、吸収されるが、ヘミセルロース、セルロース、リグニンはほとんど消化されずに排泄される。

◉ヘミセルロース

植物細胞壁に含まれるセルロースを除く水に対して、不溶性の多糖類の総称。

◉セルロース

繊維素

◉リグニン

高等植物の木化に関与する高分子のフェノール(石炭酸)性化合物であり、木質素とも呼ばれる。
化合物の総称。

◆落葉は粉砕されるとともに、その含水量を増す。

一次分解動物のフンと粉砕された落葉は、トビムシ、ヤスデ、ミミズ、センチュウなどの二次分解動物に更に分解され、土壌の団粒化、腐植粘土複合体の形成を寄与する。

腐植

土の中に入った、植物の残渣(ざんさ=残りかす)や動物の遺体、排泄物はヤスデ、ワラムシ、ミミズ等の土壌動物によって細かくされ土中に、ばらまかれた後、今度は微生物によって更に分解されます。

有機物の構成成分であるデンプン、たんぱく質、リグニンなどは分解の難易はありますが、分解されてかなりの部分は炭酸ガス、水やアンモニアになります。

残りの部分は、黒褐色の無定形の物質に変形します。

これを腐と呼びます。

腐植はこれまでの有機科学のどの部門にも属さない、高分子化合物で、土において新しくできた、土個有のものと見なされます。


土壌中の腐植物質は常に更新と腐植化を繰り返しているため、その量と腐植化の程度は、地温、土壌水分、地上植生、粘土含有量などに依存して、一定の動的平衡(へいこう=つれあい)状態に保たれています。

地上の植生が気候変動相場制によって変化すれば、腐植物質の量と質は新たな平衡状態に移行することになる。




土壌の惑星=地球 No,125

土壌の惑星


地球はこれまで知られている限りでは、太陽系の中で唯一生物の住む惑星である。


その生物は、もとは水のある範囲にいましたが、光合成を営む生物が出現し、酸素が他とかけ離れて大気の組成分となるに及んで、成層圏(大気の上層で気温がだいたい一定した部分、地上10キロ前後から始まる。⇎対流圏)にできたオゾン層は地表へ降り注ぐ強い紫外線を遮り、陸上での生物の生活を可能にした。


最初に上陸したのは、プシロフィトンと呼ばれる植物の先祖で、それはおよそ四億年前のシルリア紀のことであったとされる。


生物が進出する前にも、陸地を形成していた岩石は、原始大気の中に含まれていた。

強い酸性物質を溶かし込んだ雨に打たれ、風に吹かれて風化し、粘土や砂のような細粒の物質レゴリス(regolith)とか砕屑(clastic materials)といわれるものを、地表に形成していたと思われる。

しかし、ここには生命はなく、有機物も含まれていなかった。

陸地に生物が出現して初めて、レゴリスは土壌に転化する契機を得たのである。


レゴリスから、土壌への変化の過程をこうではないかと考えさせるのは、火山噴火物の上に土壌が形づくられていく様子であろう。

伊豆大島で、過去いろいろな年代に噴き出した溶岩の上で、土壌が形成され、植生が発達していく過程を噴出年次に従って追跡した研究(1961年)がある。

それによると、溶岩の上に風化した砂質の砕屑物がたまって砂漠的な景観を作り出すまでに、ほぼ200年かかっているが、一度そこにイタドリやスゲのような植物が取り付くと、枯れた植物遺体が砂に入り、有機物が溜まり始め、それを利用する動物や微生物が住み着き、少しずつ生物の住処として、より好適な倍地に作り変えていく。

その結果、次の段階では、新しい倍地によりよく適応した生物種が優先的に占領するようになる。

そして、1000年以上もの時間の中で、植物の遷移(せんい=他所へ移る)に伴って、レゴリスはより深くまで土壌に変わり、その中に有機物や養分を蓄えることによって、伊豆大島の気候に適応した常緑広葉樹(ツバキ、シイ、タブなど)主体の森林を育てるまでになるのである。

レゴリスが土壌に転化するためには、生物の働きが不可欠なのである。

生物はいったい何をするのだろうか?

まずは有機物を与えて、生物に必須であるにも関わらず、一般に岩石の風化物中には、乏しい窒素(生物が大気中から固定する)と、植物に吸収可能なリン(生物が体内に濃縮する)を倍地中にふやす。

また、有機物自体の存在によって起こる物理的、科学的の生活が活発になり、これが更に岩石の風化を促進して、土壌はますます深くまで発達してゆくことになる。

生物が地球にしか生息しないと云うのであれば、生物の存在によって条件付けられる土壌も、地球に個有の資源であるということになる。

地球が水の惑星であるという言い方を借りれば、地球は土壌の惑星でもあると言えるだろう。




土曜日, 2月 09, 2019

樹種別接ぎ木の適期、植え替え時期  No,124

樹種名     接ぎ木適期        植え替え時期
アンズ     3月上旬~下旬      9月上旬~10月上旬
                     翌年3月中旬~4月下旬

イチョウ    3月上旬~下旬      9月上旬~10月上旬
                     2月中旬~4月中旬

ウメ      3月上旬~下旬      9月中旬~10月下旬
        8月中旬~下旬      翌年3月中旬~4月下旬

ウメモドキ   3月上旬~4月下旬     翌年2月中旬~4月下旬 

オリーブ    2月中旬~5月下旬     9月上旬~10月下旬
                     翌年3月中旬~6月下旬

カイドウ    3月上旬~下旬      翌年2月中旬~4月下旬

カエデ類    2月上旬~3月下旬     9月上旬~10月下旬

カキ      3月中旬~下旬       9月上旬~10月上旬
                     翌年3月上旬~下旬

キンモクセイ  3月上旬~4月下旬     9月上旬~10月上旬
                     翌年3月上旬~6月下旬

クリ      3月上旬~下旬       9月上旬~10月下旬
                     翌年3月上旬~4月下旬

ゲッケイジュ  2月下旬~5月下旬     9月上旬~10月下旬
                     翌年3月中旬~6月下旬

サクラ     3月上旬~下旬       翌年3月上旬~4月下旬

サザンカ    2月上旬~4月下旬     翌年2月上旬~5月下旬

スモモ     3月上旬~下旬       翌年3月上旬~5月中旬

タイサンボク  4月中旬~下旬       9月上旬~10月下旬

ダイダイ    4月上旬~5月下旬     翌年4月上旬~6月下旬

ツバキ     2月中旬~6月下旬     翌年3月中旬~6月下旬

ナシ      3月上旬~下旬       翌年3月上旬~5月下旬

ハナミズキ   2月上旬~3月下旬     翌年2月中旬~5月下旬

ヒイラギ    4月上旬~下旬       9月上旬~10月下旬
                     翌年4月上旬~6月下旬

ビワ      4月上旬~5月下旬     翌年4月上旬~6月下旬

フジ      3月上旬~下旬       2月中旬~5月下旬

ブドウ     3月上旬~下旬       3月上旬~5月下旬

ボケ      3月上旬~下旬       2月上旬~3月下旬

ボタン     8月中旬~9月中旬     2月上旬~3月下旬

ミカン     4月上旬~5月下旬    翌年4月上旬~6月下旬

ユズ      4月上旬~5月下旬    9月上旬~10月下旬
                    翌年4月上旬~6月下旬

ライラック   3月中旬~下旬      9月上旬~10月上旬

リンゴ     3月上旬~下旬     翌年3月上旬~4月下旬  

ロウバイ    3月中旬~下旬     翌年3月上旬~下旬

エゾマツ    2月下旬~3月下旬    翌年4月上旬~4月中旬

クロマツ    2月下旬~3月下旬    翌年3月上旬~4月上旬

ゴヨウマツ   2月下旬~3月下旬    翌年3月中旬~4月中旬
 

金曜日, 2月 08, 2019

接ぎ木 果樹の殖やし方② No,123

接ぎ木について

◉接ぎ木は、果実の味覚を良くする為に果樹に対して行うことが多いが、一本の樹木に異なった色や形の花を咲かせる場合にも行う事がある。

◉樹姿を変えたい時にも有効な手段である。

ただし、全ての種類が接ぎ木できるわけではなく、穂木と台木は近縁種(似たような性質を持っているもの)同士でなくてはなりません。

同一種であれば問題はありません。

接ぎ木の原理

接ぎ木は、台木と穂木の形成層を合わせて癒着させ、お互いの切り口に生じるカルス(癒傷=ゆしょう組織)の分裂、増殖によって双方が接着する原理になっている。

接ぎ木の新和性

接ぎ木は、穂木と台木の組み合わせを自分で行えるわけではありません。

ある樹種の穂木とある樹種の台木を用いて接ぎ木するときに、お互いが合着しやすい組み合わせになっているかどうかを、接ぎ木の新和性といいます。

★新和性は、穂木と台木の樹種が同じである時(これを共接ぎという)に最も高くなりますが、植物分類学上の近縁の植物であれば接ぎ木することができます。

◎ツバキをツバキに接ぎ木するのは共接ぎですが、ツバキをサザンカの台木に接ぎ木しても構いません。

ゴヨウマツをクロマツの台木に接ぎ木しても構いません。

◆接ぎ木は、同じ樹種同士で行えるとは限らず、これにはいくつかの理由があります。

例えば、接ぎ木が可能であれば、台木は耐寒性、耐病性などが強く、また樹勢の強いものを選ぶ方が、活着後の穂木の生長が良くなるなどの理由があるからです。

台木の選び方

台木は、接ぎ方によって違いますが、樹勢が強く根がしっかりしている1~3年生以内の若木を選ぶのが一般的です。

多くの穂木を接ぎたい場合は、台木にする樹をあらかじめ実生で育てておくとよいでしょう。

実生
接ぎ木やとり木で育てた台木に比べて、多くの穂木を接ぐことができるなど上、穂木がスムーズに生育します。

カエデ類など生長の遅いものでは2年から4年生の台木。

接ぎ木の時期

どの樹種もおおむね2月下旬から実施できますが、針葉樹は3月上旬までに実施しないと活着率が極端に落ちます。

①常緑広葉樹は6月中旬 
②落葉樹は4月上旬

★緑枝接ぎを除く枝接ぎは2月下旬から4月上旬

★緑枝接ぎは、台木、穂木ともに新梢を用いるので5月下旬から7月

★芽接ぎは、8月中旬から9月中旬
(バラ、スモモ、アンズなどは7月下旬頃から可能)

★呼び接ぎは落葉樹では2月下旬から4月上旬
(常緑樹では6月頃まで可能)

★カエデ類、モクレンなどの落葉樹では8月中旬から9月中旬も適期

◉台木が植わった状態で接ぎ木する方法を「居接ぎ」台木を掘り上げて接ぎ木する方法を「揚げ接ぎ」

苗木を養成する目的で枝接ぎする場合は、多くの樹種で揚げ接ぎが行われます。

芽接ぎや縁枝接ぎでは「居接ぎ」するのが普通(2月下旬から4月上旬)


◆芽接ぎ、あるいは緑枝接ぎを行う場合には、接ぎ木時点以前に台木が定植されていなければならず2月下旬から4月上旬に行われる接ぎ木では、前年の秋(落葉直後)に台木となる苗木を掘り上げて、長く伸びた根を整理して接ぎ木時点まで、仮植えしておくようにします。

仮植えを行うと新根の発生が良くなる。
ウメ、サクラ、アンズ、カエデ類、ナシ、リンゴなど多くの落葉樹で行われる。

★落葉樹を枝接ぎする場合は、挿し木の場合と同様1月下旬から2月頃に穂木にするえだを切り取って貯蔵しておきます。

◎ツバキ、サザンカ類、マツ類などの常緑樹では穂木を早めに切って貯蔵しておくことが困難ですので、接ぎ木する時に種木を切り取る。
芽接ぎ、緑枝接ぎも同じ。

✫接ぎ木の方法(切接ぎ)


台木と穂木の形成層がピッタリ密着しないと木がつかないので、台木の切り口は平らにし、くぼんだり盛り上がったりしないように注意する。


①穂木の切り口をなめらかに削り、切り口と合う形に台木に切り込みを入れる。


                                  ①図


②穂木の反対側も少し削り、切り口を軽くなめるとつきやすくなる。

穂木は5〜8cmくらいつぎ口を1~1.5cm前後斜めに切ります。


                                     ②図

③台木の形成層と穂木の切り口を密着させます。

                                    ③図
形成層を両方合わせる。
小さい穂木の場合は、片方だけでも形成層についていればよい。


④台木と穂木の結合部分をビニールひもなどでしっかり巻いて固定します。

台木が大きい場合は、台木の断面と穂木の結合部分にロウ(ロウソクを溶かしたもの)を塗ってからビニールひもでしばります。


                               ④図

乾燥を防ぐために、更に上からビニール袋を被せて、その上から再びビニールひもでしばる。


✿ビニールを取り除く時期は、接ぎ木後約1ヶ月を目安にし、急に取り除かないでビニールに穴の数を徐々に多くするなどして、40~50日後に全て取り除くようにする。




✻接ぎ木後の管理と施肥

台木と穂木が一体化するまでのおよそ1ヶ月は、ビニールひもはそのままにしておき、つぎ穂から芽が出てきたことを確認した後に外します。

春に接いだものは秋には植え替えできますが、生育の遅い樹種は翌年の春まで待って植え替えます。


        ✻台木から芽が出た場合の処理

また、台木から芽(台芽)が出た場合は、穂木の養分が取られてしまうので、速やかに芽の付け根から切り取るようにします。

接ぎ木した穂木から芽が出てきたら油粕6、骨粉2、魚粉2の混合肥料を与えます。

接ぎ木してから一年間は、冬期の11月~2月を除いて2〜3ヶ月おきに与えるようにします。

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接ぎ木果樹の殖やし方①No,122








木曜日, 2月 07, 2019

接ぎ木 果樹の殖やし方① No,122

接ぎ木がよい理由
果樹の場合はなぜ接ぎ木がよいかと云うと、実生で殖やすと親木とまったく同じ形質を持った果実が成ることはほとんどありません。

しかも親より親より優れている物ができる可能性が極めて低いからです。
その点、接ぎ木にすると穂木の性質が生かされ、得られる果実は元の親木のものと理論的にはまったく同じ形質になるのです。

◉実生の場合は、生育して開花、結実するようになるまで相当の年月がかかります。

接ぎ木は、はるかにそれを短縮することができるのです。

その他にも、雌雄異株の果樹でも、接ぎ木すれば一本の木で果実を楽しむことができる、免疫性の台木に接ぎ木して病害虫を抑えることができるなど、接ぎ木には多くの利点があります。

接ぎ木の適期

熱帯性の常緑果樹などを除いて、一般に接ぎ木の適期は春と秋の年2回に限られます。

接ぎ木で最も重要なのは、カルス(切り口を覆う作用、力)の形成ですが、そのカギを握っているのは樹液の量です。

生育が盛んな夏場では樹液の量が多すぎてカルスが形成されにくく、活着しません。

反対に休眠期の冬場は、樹液の量が少なすぎて活着するのに時間がかかり、カルスが形成される前に穂木が枯れてしまいます。

★つまり、休眠から目覚めて芽が動き始める春と、休眠に入り樹液の流れが停まる直前の秋が、接ぎ木にとって調度よい樹液の量を確保できるというわけです。

◉樹種によって実際の接ぎ木の適期は、若干異なります。


✿接ぎ木(繁殖方法)の利点
枝を作ったり根を作ったりする目的に応用される。


挿し木が困難な樹種でも行えるなどの利点がある。

花木、果樹、マツ類では接ぎ木による繁殖が行われる。


             (樹木の茎の構造断面図)


            (接ぎ木、形成層の結合図)

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接ぎ木果樹の殖やし方②No,123






水曜日, 2月 06, 2019

天然植物活力液 HB-101 No,121-1

HB-101でガーデンライフをより楽しく‼️


HB-101とは
植物の生長を促す天然の活力液で、強力な静菌力を持ち、長い生命力を維持する樹木と薬草として知られるオオバコを原料にして、エキスを特殊製法で、精製したもの。

使用方法
一般的な使用方法としては、1.000倍から10万倍に薄めて葉面散布、土壌灌水します。

種や根を1.000倍液に数時間浸けておくのも効果的です。

HB-101は、農薬ではありません。木酢液でもありません。

人間や動物にも優しい活力液です。植物の本来の働きを活力化される天然の栄養液です。

従って、植物の種類を問わず、花、野菜、果物、樹木、盆栽、山野草等、さまざまな植物にその効果を発揮します。

土壌改良剤の役目もし、防虫、防菌にも役立ちます。



2月から3月果樹の管理  No,121

整姿、剪定
2月はナシ、リンゴ、カキなどの落葉果樹の剪定、整姿や、🍇ブドウ、🥝キウイなどのツル性果樹の棚仕立ての誘引が行えます。

ブルーベリーの剪定は、もう少し暖かくなる3月になってからがよいでしょう。この頃には、カンキツ類、フェイジョアなどの常緑果樹の剪定も行えるようになります。

カキの冬期剪定

カキは新梢の先端に花芽ができています。基本的には強い剪定は行わず、余分な芽を間引いて秋の結実の充実を図ります。
主枝と副枝の先端の花芽は切り取ります。また、徒長枝を切り取り、できるだけ枝と枝の間隔をあけるように間引き、結果枝になる芽と発育枝(翌年以降の結果枝、または結果枝の予備になる枝)がバランスよく残るようにします。

水やり、肥料

この時期、水やりはほとんど必要ありませんが、乾燥が続く場合、キウイ、ブドウ、ブルーベリーなどには少量与えます。
肥料は2月にアンズ、モモ、ウメ、スモモ、ナシ、イチジクなどに緩効性化成肥料を与え、充実した芽の萌芽を促します。3月以降は施肥は行いません。

挿し木

3月は様々な果樹で接ぎ木が行えます。穂木は12月から2月の間に採取、貯蔵しておいたものを使います。また、ブドウ、キウイ、イチジクなどの落葉果樹の挿し木も行えます。
葉がない時期なので蒸散が少なく、挿し木直後の管理が楽になります。

🍇ブドウの挿し木

鉛筆ぐらいの太さの枝を10㎝前後に切り、穂木とします。根元をクサビ状(V字型、両面切り)に切り2~3時間水揚げ(水にさして水を吸い上げさせる)した後、発根剤を塗布し、さし床にさします。



葉からの蒸散はありませんが、樹皮からも水分を失われるので、芽が土のすぐ上に出るぐらいまで深く垂直にさします。

さし床の用土は赤玉土(小粒)などの排水性のよいものを選びます。
穂木の間隔は、芽吹いた後に葉が重なり合わない程度にとります。
生育状況にもよりますが、6~10㎝程度の間隔が目安です。

★さした後は、鉢底から水が抜ける(水が透き通る)まで十分灌水し、明るい日陰で鉢土が乾燥しないよう、湿度を保ちながら管理します。







月曜日, 2月 04, 2019

ボタン(牡丹)  No,120

ボタン、キンポウゲ科

原産地/中国

日当たりと排水のよい、腐食質に富む肥沃な砂土壌か砂質土で、強い風と西日を遮る場所がよい。

寒さには強いが、夏の暑さに少し弱い。乾燥を嫌い、大株の移植はよくない。




 性質、特徴

植え付けの時期は、落葉直後から11月まで。

事前に植え付ける場所には、完熟堆肥や腐葉土、それに鶏ふんなどをよくすき込んでおき、肥料などが肥料などが直接根に触れないように、高植えするように注意する。

植え付け後、敷きわらをして乾燥防止対策をする。

成長は遅いので、自然の樹形で育てます。

普通は、5月咲きですが、冬咲きの寒ボタンもあり、わらで囲いをして防寒対策ををする。




◉中国から渡来して千年の歴史があり、品種改良も進んで優良花の品種がとても多い。



◉花色も豊富で、花弁の一重咲きや八重咲き、千重咲き、変わり咲き、そして開花の季節では、冬咲きと春咲きなど多種多彩である。

病害虫、予防と対策

日当たりや風通しが悪い場所で、春から夏にかけて多く発生する褐斑病の病葉は早く発見し摘み取ります。

また、その病葉に水をかけてはいけません。

対策として、マンネブダイセン500倍液やベンレート水和剤1000倍液を、月に2回から3回定期的に散布します。

白絹病は、春から秋に発生します。

この病気は非常に厄介で、恐ろしい病気のひとつです。

まず、植え付ける前に、土にペンタゴンやタチガレンなどを混入して予防します。

この病気が一度発生すると治りにくいばかりか、周ネコブセンチュウりの株にも伝染するので、早めに被害の株を根のまわりの土ごと取り除き、そこにペンタゴン1㎡あたり20㌘から30㌘を土に混ぜ、病気拡大を防ぎます。

病気の発生した場所には、植えない方がよいでしょう。

◉成育中の場合でのタチガレンは、500倍から1000倍に薄めて土にまきます。

ネコブセンチュウの発生原因は、買い求めた株がすでに病気にかかっている場合がほとんどです。


購入前に、優良株を選ぶことが大切ですが、枝葉を観ても分からないので厄介です。

これにかかって元気がない場合は、ネマヒュームで土壌を消毒します。

夏から秋にかけて多く発生するので、ネマヒュームを1㎡あたり20cc津地に流し込みます。

ガスを発生して、土中の病原菌やセンチュウ類を殺します。

イセリアカイガラムシは、冬期に機械油乳剤30倍液を散布して予防します。

春の幼虫発生期から、スミチオン、カルホスなどの1000倍液を定期的に散布します。



★イセリアカイガラムシ(ワタフキカイガラムシ)

有力な天敵として、ベダリア🐞テントウムシ、特にカンキツ栽培地帯では、これを放し飼いして高い効率をあげている。

いたずらに薬剤に頼るばかりでなく、積極的な天敵利用をはかるように留意する。


◉メセンチュウには、秋からディプテレックス乳剤1000倍液を散布して予防します。




肥料(施肥)

よい花を咲かせるためには、よい株を育てる事が大切です。よい株を育てる為には、肥沃な土を作ることが基本になります。

冬の間に、十分な栄養になる堆肥などの有機質を中心とした施肥を行います。

一年以上かけて完熟堆肥堆肥を作り、それにリン酸カリ分の多い化成肥料を加えて、根に直接肥料が触れないようにして、株回りに穴を掘り埋め込みます。

モミガラクン炭を加えてもよいでしょう。

◆追肥

花が終わった後に、一回少量の化成肥料(200㌘から300㌘)骨粉3に対して油粕7を合計500㌘以内を軽く掘って埋め込みます。

9月には、化成肥料(200㌘から300㌘)と骨粉300㌘ほど与えます。

その他の手入れ法

ボタンは、夏の乾燥を嫌いますので、敷きわらなどをして乾燥防止をする。

開花時には、強い風や雨にあてないように注意しましょう。

傘などを立てて、花が雨に濡れないようにするとよいでしょう。

花が咲き終わったら、種子をつけないようにして切り取ります。

ボタンは秋以外には、移植をしないようにしましょう。

鉢植えを他に移すのは構いません。







土曜日, 2月 02, 2019

クレマチスの植え付け2月~3月 No,119

クレマチス別名テッセン

(鉄線)


春から初夏だけ開花する一季咲き品種と、四季咲き品種がある。

日なたを好みますが、暑さには弱いので真夏は直射日光を避けるようにする。

土の乾燥を嫌うので、鉢植えなどで土の表面が乾きかけたらたっぷりと水を与えます。

特に夏場は水切れにならないように注意します。



◉クレマチスは垣根や花壇に植えたり、鉢作りで育てますが、庭植えにして放置しておくのがいちばん手のかからないやり方です。

苗は市場に出回る物を購入しますが、早く育てたい方は、少し値段が高くても鉢植えで一年以上作り込んだ物を求めます。

排水のよい場所で、極度の粘土質、砂質地はさけます。

庭植えは、根元が半日陰になる場所に植えて、伸びたツルにはよく日が当たるように誘引します。

株の大きさにより、大きさや深さともに30~40㎝の植え穴を掘り、堆肥や元肥を入れてよく混ぜて植えます。

◉鉢植えの場合、一年苗木なら、5号鉢に一本植えます。

底にはゴロ土を入れ、培養土は小粒の赤玉土、その半分の腐葉土、化成肥料を施します。

ツルを途中で切り詰め、伸びたら再び切り込んで枝づるを増やします。日なたの風通しのよい場所に置き、水やりは多めに行います。

◉挿し木

挿し木するときは、若い枝を数節に切り、葉を取ってバーミキュライトに挿すとよいでしょう。
(5月から6月)