緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2025/02/01

植物の生理障害原因 No,758

 植物の異常 生理障害

病原菌感染による伝染病

害虫による障害

生理障害


生育環境

気温が高過ぎる

植物は熱帯夜などで気温が高過ぎる状態になると、光合成が低下したり、生育不良を起こしたりする。

休眠状態になったりして枯死する可能性があります。

高温状態が続くと葉の気孔が閉じて、二酸化炭素かを取り込めずに光合成が抑制されます。

また、体内にタンパク質を過剰に作り、生命維持をしようとすると休眠状態に入り、生長を止めてしまいます。

気温が低すぎる

気温が低過ぎると成長が遅くなったり、葉が落ちたり、枯れたり、根腐れや徒長が起きます。

冬のようにとても寒いと、一時的に生長は止まります。

氷点下になると体内に氷ができます。

細胞内の水が凍ってしまうと細胞は死んでしまいます。

細胞内はため込んだ糖類などの濃度が高いため、すぐには凍りません。

多くの植物は先に細胞と細胞の間に氷ができます。


湿度が多過ぎる

湿度が高過ぎると、蒸散が起きにくくなり光合成が抑えられたり、ハダニなどの病害虫が発生する可能性があります。


乾燥し過ぎる

葉がシワシワになったりカラカラに枯れたりする。

水やりを忘れたり、エアコンなどの風で乾燥したりすることが原因で、乾燥し過ぎた植物には腰水や葉水などでたっぷりと水を与えます。

腰水(こしみず)とは、鉢植えやプランターの底に水受けの容器を置いて、鉢底から水分を吸わせる水やりの方法です。

これは、乾燥しやすい時期や外出時など、こまめに水やりができない場合などに行います。


日照が多過ぎる

光合成の効率が低下したり、葉焼けを起こしたりして植物に悪影響を及ぼします。

植物は光を処理しきれず、光損傷や葉焼けを引き起こします。

光が強すぎると飽和状態となり、光合成の効率が低下してしまいます。

植物に光を当て続けると、光酸化的障害やエチレンなどのストレスの原因になるホルモンの生成の引き金になるとされるが、明確な因果関係はほとんど明らかにされていません。


日照が少な過ぎる

日照が不足すると光合成ができない状態になります。

成長が遅くなったり、葉が変色したり、茎や枝が間延びしたりします。

元気がなくなり、最終的に枯死してしまう可能性があります。

しかし、光は必ずしも日光である必要はなく、照明から放出される光でも植物は育つことができます。


風が強すぎる

風が強い状況下では乾燥が進み、植物の細胞よりあ必要以上の水分が失われます。

そのことが植物にストレスを引き起こします。

植物は水不足や感染症、切断などでストレスを受けると、超音波を発することが明らかになっています。

それは、通常の人間の会話とほぼ同じ音量とされていますが、甲高い音、高過ぎて人間には聞こえないと言われています。

霜が降りる

霜が植物に付着して植物を冷やし、生育活動が低下します。

植物が凍結して枯れたりする。

霜害の発生原因は、気温が氷点下になると凍結条件下で、空気中の水蒸気が直接結晶化することで起きる。

新芽や若葉に回復不能の影響がでる。

寒冷地では樹木の幹が凍って割れる。

花芽が凍害で枯れてしまい、花期になっても開花しない。

用土(土壌)

土壌の通気性が悪い

根が酸素不足になり根腐れを起こしたり、生長が抑制されたりする。

通気性の良い資材、川砂、バーミキュライト、バーク堆肥、パーライト、もみ殻など、空気を含んでいる軽い資材を投入する。

雨の多い日本では土壌が酸性になりやすく、根の傷みや養分吸収の妨げなどで生長に影響がでる。


土壌のpHが合わない

植物の種類によってpHは異なりますが、一般的には弱酸性の土壌pH5.5〜6.5が適しています。

植物の中にはアルカリ性の土壌を好む樹木もありめす。

アルカリ性の土壌を好む樹種としてブナやツゲ、ヤマモモなどがありますが、1〜14の値の土壌pHの7が中性、7より小さくなるほど酸性で、7より大きくなるほどアルカリ性となります。

1〜4を酸性/4〜7までを微酸性

水道水は通常5.5〜6.0の微酸性が一般的です。

アルカリ化された砂漠の緑化に使用される樹木は、ギョリュウ属、モクマオウ属、ユーカリノキ属など多くの樹種があります。

pHが高いほど植物はよく成長しますが、高過ぎたり低過ぎても植物は発芽、成長しません。

弱酸性または、弱アルカリ性が最も植物の成長に適しています。

植物を育てるときは、アルカリ性の土や水を使うのが良いとされます。

酸性に傾いている土壌の場合、窒素、リン酸、カリといった三大栄養素や、モリブデンなどの微量要素や土壌栄養があっても、根から栄養分を吸収できなくなります。

マンガンや鉄、銅などは酸性の影響により土壌に溶け出し、植物が摂取過剰症状を引き起こしてしまいます。


管理方法によって起こる生理障害

水やりが多過ぎたり少なすぎたりする。

肥料が多過ぎたり少な過ぎたりする。

植え替え方法の失敗で根詰まりを起こす。


その他

薬害や煙害、有害物質による公害など

葉と葉の接触などで起きる生理障害など


針葉樹の特徴

針葉樹は耐寒性に強く、蒸散作用も相当低くなるものと思われるが、赤外線でも光合成を行います。

面白い能力を持ち、冬は特にこの能力が強くなり北地でも繁茂する。


常緑広葉樹(生理的乾燥)

常緑広葉樹は蒸散量が多いので、表土が深く凍結するような所では生育が不可能です。

土壌水分が存在しても、土壌が凍結していては水分を吸収することができません。

北地で常緑の広葉樹が育たないのは、低温の直接影響もありますが、土壌水分の凍結という間接的な理由があるからです。