マツノモグリカイガラムシの被害
部分的に枯れたり、触るとぼろぼろと砕ける。
白い粉状のものが付着する部分もある。
特に樹木の半分より下の枝葉の状態が悪く、マツヤニもほとんど出ていない。
原因としてマツノモグリカイガラムシ被害によるものと考えられます。
アカマツ、クロマツに寄生し、被害が大きい。
カイガラムシは新梢の葉に潜り込んで吸汁し、その付近には白い綿状のものを付着します。
高温乾燥の続く夏場は急激に被害が増加すると考えられます。
近畿地方の観察では年1回の発生であるように見られるが、記録では年2回というものもある。
幼虫のまま樹皮下で越冬し、4月から5月頃に成虫が発生する。
貝殻を持たないブヨブヨした体なので一見してカイガラムシのようには見えない。
オスはメスとは全く異なり、オスは小さく有翅=ゆうし、ハネをもつ。
メスは赤褐色で脚があり樹幹上を自由に這い回り、交尾の後も適当な樹皮の割れ目を見つけると、潜り込んで白い綿状の卵のう(袋)をふく。
枝枯れが進行すると枯死することもあるので、薬剤防除が必要になります。
幼虫が卵から孵化した直後の5月から6月にスミチオン、スプラサイドなどを数回散布すれば、かなり効果が期待できるが、実験結果ではジメトエートの効果が高いとされる。
虫体が見つけにくいため被害が先行する。
防除が手遅れになりやすいので注意が必要である。
褐変、枯死した枝や葉のヤニがなくなり、カサカサになる症状からマツクイムシの被害も考えられます。
マツクイムシの場合は、夏の終わり頃から兆候が見え始め、見る見るうちに真っ赤になってしまいます。
枝を折るとボキッと折れ、ヤニが出ない。
先端の新葉が枯れている状態になります。
樹木は衰弱すると病害虫の被害を受けやすくなるので、元気な樹勢を保つことが基本となります。
害虫防除を定期的に行い、冬期に堆肥などの有機質肥料を施すことも大切です。