アジサイのうどん粉病
葉身、花(がく片)、新梢に発生する。
はじめ葉身表面に灰白色ないし白色粉状の薄い菌叢(きんそう、菌の集まり)が小円斑状に散生するが、次第に拡大するとともにお互いに癒合しやがて、葉面全体を覆うようになる。
古い病斑は、雨水に洗われて菌の集まりがまばらになり暗紫色になる。
新梢が侵されると、その後に展開する病葉は萎縮することがある。
発病が激しい場合には、病葉の黄化が進み落葉も早まる。
梅雨期頃に発生が激しいが、盛夏には一旦消滅するが秋に再び発生する。
秋には白色菌叢上に点々と子のう殻(微小黒粒状物)を形成することがある。
病原菌は子のう菌類に属するうどんこ菌(糸状菌)の一種であるが、完全世代が確認されていない。
病原菌の他に、野生のアジサイ属植物に寄生するうどん粉病菌3種が記録されている。
病原菌の越冬及び第一次伝染源は未詳であるが、生育期においては病葉身上に生じた分生子が飛散して、伝播を繰り返すことに違いはない。
この病気は、施設栽培の鉢物では問題となることが多いが、露地では白粉状の菌叢が目立っても、薬剤防除を必要とする程激しく蔓延しない。
防除法
毎年発生して薬剤防除を必要とする場合は、新葉展開期から秋にかけてキノキサリン系剤、チオファネートメチル剤、トリホリン剤、フェナリモン剤、ミルディオマイシン剤などを用い、月に1〜2回散布して蔓延防止を図る。
また、秋には病葉落葉を集めて処分する事が伝染源の低減に有効となる。