スス病
スス病は、アブラムシ類やカイガラムシ類などの吸汁性害虫の、排泄物を栄養として繁殖する病気です。
従って、アブラムシ類、カイガラムシ類のつく植物のほとんどに発生します。
主として葉に発生しますが、枝や幹に発生することもあります。
葉の表や裏、枝、幹の表面が煤(すす)を被ったように真っ黒になった植物を見たら、スス病だと考えてよいでしょう。
黒い煤のようなものは病原となるカビの菌糸です。
このカビに覆われると酷く汚れるので、美観が損なわれてしまいます。
スス病の発生している植物には、必ずアブラムシやカイガラムシ、キジラミ、コナジラミ等が寄生しています。
葉の裏や枝、幹を観察するとこれらの害虫が見つかるはずです。
一旦発生したスス病は、虫が寄生している間は症状が消えることはありません。
★発生しやすい植物
サツキ、ツツジ、シャクナゲ、ツバキ、サザンカ、カエデ類、ケヤキ、マツ類、カキ、ミカン、キク、ベゴニア類
その他、アブラムシ、カイガラムシのつく樹にはすべて発生します。
♣特徴
スス病は大変多くの植物に発生しますが、このカビは植物に直接寄生するものと、その植物に寄生しているアブラムシやカイガラムシなどの、害虫の排泄物を栄養として生活するものがあります。
ほとんどは害虫の排泄物を栄養として生活するものです。
4月~10月の害虫繁殖期に最も多く発生します。
また、温室などでは一年中害虫が活動できるため、冬でもスス病が発生する事になります。
虫についたスス病の場合、カビは植物体の表面を覆っていますが、布で拭いたり剥がしたりすると植物体は全く傷ついていません。
直接植物に悪影響を与えるとは言えませんが、あまり酷いと呼吸作用が妨げられる事になるので、薬剤による治療が必要となります。
◉予防対策
スス病そのものにはジネブ剤やチオファネートメチル剤、ダイセン、ダイファー、トップジンM等を散布すると効果がありますが、しかし効果は一時的でまたすぐに発生してしまいます。
根本的にスス病の原因となる害虫を駆除することが重要です。
害虫を退治しないと再発の恐れがあります。
害虫の排泄物を無くしてしまえば、スス病は自然に消滅して行きます。
害虫にはスミチオン、オルトラン、マラソン等を散布して害虫を駆除します。
冬の間には、冬期限定薬剤の石灰硫黄合剤を1~2回散布すると効果的です。
日陰で風通しが悪く、湿気の多い環境では害虫が発生しやすくなるので、混み入った枝を切り取ったり、落葉を集めて焼却したりして環境を良好にする。