緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2019/11/04

植物の生理障害の原因 No179

生理障害は伝染病じゃない

生理障害の原因は天候、土壌、外的なストレス。

これらの原因がいくつか重なったり複雑に絡み合うことによって、植物が生理的に変調を起こしたり障害が現れたりします。

植物の異常

病原菌感染による伝染病
害虫による障害
生理障害

◉生育環境

気温が高過ぎたり低すぎたりする
湿度が多すぎたり乾燥し過ぎたりする。

日照が多すぎたり少なすぎたりする。

風が強い、霜が降りるなど。

◉用土

通気性が悪い。
土壌のPH適性が合わない。

◉管理方法

水やりが多すぎたり少なすぎたりする。

肥料が多すぎたり少なすぎたりする。

植え替え方法の失敗(根づまり)

◉その他

薬害
煙害
有害物質、公害など
葉と葉との接触など

気温

植物によってそれぞれの成長の過程で、それぞれの生育に適した温度があります。

それがうまくかみ合わないと高温障害、低温障害となって現れてきます。

症状

✻花芽がつかない。
(花芽分化期の気温が不敵)

✻花が咲いても早く萎れてしまう。
(高温)
✻実がつかない。
(異常低温、高温)

✻果実の巣上がり症=果肉の水分がなくなってパサパサになる。
(冬期の低温)

鉢巻症=果実に薄い褐色の鉢巻部分ができる(冬期の低温)

葉やけ=(夏の高温)

ブドウの萎縮病=眠り病=発芽がたいへん遅くなる。
(凍害)

対策

それぞれの植物にとっての適温を考えてやる。

果樹では果実に袋をかけてやったり、暖かい場所に植え替え。

凍害を防ぐためには、樹を徒長させないように気をつける。

葉やけには夏の西日を避けるために日除けをしてやる


日照

植物の成長には日光が必要不可欠、植物によって日照の量の好みがちがう。

日照不足の病状


花芽がつかない
葉や花の色が悪い(日焼け)
実を結ぶがうまく育たない、色が悪い
下枝が枯れる
枝の徒長
枝や幹の枯死や変形(夏の直射日光による熱死)

湿度と土壌

湿度

根が吸収する水の過不足や、空気の湿度が植物の生育に大きな影響をあたえます。

症状

✻葉の縁が縮れてくる。
(空気の乾燥)
✻葉が萎れたり枯れたりする。
(水不足、空気の乾燥)
✻葉の色が悪い。
(水不足、過湿の乾燥)
✻花芽はつくがつぼみが咲かない。(冬の水不足)
✻花弁にシワがよる、早くしおれる(乾燥)
✻実を結ぶがうまく育たない。
(水不足)
✻実が小さい、実にシワがよる。
(乾燥)
✻葉の先が枯れる、幹や太い枝が枯れる。
(過湿による根いたみ)

対策

土の表面が乾いたら水やりをしましょう。

水やりが多すぎると水分過剰のために、土壌中の酸素が不足し根が呼吸困難になって腐る。

土壌の排水性と通気性

植物の生育にとって良い土とは、水と空気を十分に含んだ土。

水については適度な保水性と排水性。

空気については通気性が必要。

症状

土壌の排水性と通気性が悪いと、水のやりすぎと同様に根腐れを起こして下枝が枯れたり、枝葉の伸びが悪いなどの障害が現れてきます、枯れることもある。

対策

排水性、通気性を良くするために土壌改良する。