断根法による根回し
断根法による根回しは、育成中の苗木等に適用され、適当な鉢の大きさを考えながら根元の周囲に、エンピやスコップ等を突き刺して、土中の根を切断する方法です。
溝堀法による根回し
溝堀法は、樹木の根元を掘り下げて、そこに現れた根を切断する方法です。
この時、一度にすべての根を切ってしまうと風で倒れたり、水分の吸収量が不足して枯れてしまう事があります。
太根を3〜4本ほど残して、その根の皮だけを10㌢前後の区間を剥ぎ取っておくようにします。
この処置を「環状剥皮=かんじょうはくひ」といいますが、こうすることによって養水分の吸収能力が損なわれることもなく、風で倒れることもありません。
やがて剥ぎ取った部分や切断された根から、新しく細根が多数発生して、移植しやすい状態になります。
「埋め戻しておくと細根が発生する」
根回しを行う時の鉢の大きさは、移植を行うときの鉢の大きさに比べて、少し小さめにしておく必要があります。
鉢の大きさの基準として、根元直径の4〜5倍の直径とする。
これは移植を行うときの鉢の大きさの範囲に、根回しを行った後で生じた細根が、鉢の中に納まるようにするためです。
根回しを行うと、根が切られるため樹木の水分吸収量は一時的に減少します。
従って、地上部の蒸散作用とのバランスをとるために、枝葉をせん定して水分の蒸散量を抑えます。
大木では、移植した時と同じように幹巻きをして支柱を施すのが安全です。
その後、掘り起こした土を埋め戻してよく灌水(かんすい)しておきます。
埋め戻しを行う際、堆肥などを切断した根に接して与えておくと、細根の発生が促進されます。
根回しを行った樹木は、新たに植え付けた樹木と同じように時々見回って、乾燥しているようであれば灌水する必要があります。